文献情報
文献番号
202422015A
報告書区分
総括
研究課題名
個人事業者等向け職業性ストレス簡易調査票及び評価基準等の開発と、セルフケア等への効果的な活用方策の確立に向けた研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24JA1004
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
江口 尚(産業医科大学 産業生態科学研究所)
研究分担者(所属機関)
- 川上 憲人(東京大学 大学院医学系研究科)
- 吉川 悦子(高橋 悦子)(日本赤十字看護大学 看護学部)
- 今村 幸太郎(東京大学 大学院医学系研究科)
- 渡辺 和広(北里大学 医学部公衆衛生学)
- 関屋 裕希(東京大学 大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
近年、個人事業者やフリーランスといった多様な働き方が注目される一方で、企業に雇用される労働者と異なり、これらの人々には職業性ストレスに対する公的支援や評価制度が十分に整備されていない。個人事業者等は業務の管理から労働環境の調整、健康管理まで自己責任で担っており、孤立しやすい構造を抱える。本研究の目的は、個人事業者等が自身のストレス状況を把握し、適切な対処ができるよう支援する枠組みを整備することである。具体的には、①職業性ストレス簡易調査票の開発、②高ストレス者の評価方法・基準の策定、③ストレス結果に基づくセルフケア支援ツールの開発という3つの目標を掲げている。
研究方法
研究初年度の令和6年度には、関連団体との連携を通じた情報収集、20名程度の個人事業者へのヒアリング調査、文献レビュー、ならびに1000名規模のインターネット調査を実施した。重点業種として、ITフリーランス、メディア・クリエイティブ系、芸能関係、運送業、建設業の5業種を選定し、業種別のストレス要因とセルフケア行動を抽出した。メンタルヘルスアクションチェックリストの作成と、その自動化システムの構築を目的としたWebサイトのモックアップも作成された。加えて、海外文献を基にストレス対処法(コーピング)の整理を行い、個人事業者等向けセルフケアリーフレットの基礎資料とした。
結果と考察
調査票開発に向けたインターネット調査では、業種によってストレス要因に違いがあることが明らかとなった。例えば、芸能関係では収入不安や評価ストレスが、建設業では身体的負担や高齢化による影響が強調された。また、全体としては長時間労働、孤立感、社会保障の不十分さが共通のストレス要因であった。信頼性分析では、一部項目の除外によって対人関係ストレス尺度の信頼性が向上し、調査票全体の妥当性も概ね良好とされた。一方で、業務の特殊性や関係者の不在により調査票が合わないとの指摘もあり、さらなる改訂の必要性が示された。
ヒアリングや事例収集からは、労働時間管理、オン・オフの切り替え、ネットワーク形成、経済的不安への備えといったセルフケア行動が効果的であることが確認された。また、好事例を基にしたメンタルヘルスアクションチェックリストは、業務の効率化、安全対策、健康管理といった7つの行動領域に分類された。業種別では、ITフリーランスはタスク管理、運送業は疲労対策、建設業は安全装備の徹底が特徴的であり、職種ごとの支援の在り方に差があることが示唆された。
文献レビューにおいては、個人事業者は状況の打開を目指す「問題焦点型コーピング」を多用する傾向があることが分かったが、ストレス軽減には「情動焦点型コーピング」も併用することが望ましいとされた。これらの知見は、今後のリーフレット作成やツール設計に活用される。
ヒアリングや事例収集からは、労働時間管理、オン・オフの切り替え、ネットワーク形成、経済的不安への備えといったセルフケア行動が効果的であることが確認された。また、好事例を基にしたメンタルヘルスアクションチェックリストは、業務の効率化、安全対策、健康管理といった7つの行動領域に分類された。業種別では、ITフリーランスはタスク管理、運送業は疲労対策、建設業は安全装備の徹底が特徴的であり、職種ごとの支援の在り方に差があることが示唆された。
文献レビューにおいては、個人事業者は状況の打開を目指す「問題焦点型コーピング」を多用する傾向があることが分かったが、ストレス軽減には「情動焦点型コーピング」も併用することが望ましいとされた。これらの知見は、今後のリーフレット作成やツール設計に活用される。
結論
本研究は、個人事業者等が主体的にメンタルヘルス対策に取り組むための基盤整備として、簡易ストレス調査票やセルフケア支援ツールの初期開発を行った。5業種における共通および特有のストレス要因を明確化し、好事例から導かれた支援行動の体系化にも成功した。調査票の妥当性も概ね確認されており、来年度以降は、これらの成果をもとにツールの改訂・実用化と自動化アルゴリズムの構築、さらには実践現場での有効性検証を進める予定である。最終的には、個人事業者等が日常的に活用可能な支援環境を整備することを目指し、職業性ストレスの予防と健康保持に寄与する社会的インフラの一環として位置づける。
公開日・更新日
公開日
2026-02-19
更新日
-