大規模災害時における地域連携を踏まえた更なる災害医療提供体制強化に関する研究

文献情報

文献番号
202421039A
報告書区分
総括
研究課題名
大規模災害時における地域連携を踏まえた更なる災害医療提供体制強化に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22IA2005
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
小井土 雄一(独立行政法人国立病院機構本部 DMAT事務局)
研究分担者(所属機関)
  • 本間 正人(国立大学法人鳥取大学 医学部 救急・災害医学分野)
  • 森野 一真(山形県立救命救急センター)
  • 中山 伸一(兵庫県災害医療センター)
  • 近藤 久禎(独立行政法人国立病院機構本部 DMAT事務局)
  • 三村 誠二(独立行政法人国立病院機構本部 DMAT事務局)
  • 阿南 英明(地方独立行政法人神奈川県立病院機構)
  • 小早川 義貴(独立行政法人国立病院機構本部 DMAT事務局)
  • 海野 信也(北里大学 医学部産婦人科学)
  • 久保 達彦(広島大学大学院医系科学研究科 公衆衛生学)
  • 西 大輔(東京大学大学院医学系研究科 精神保健学分野)
  • 森村 尚登(東洋大学)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
4,310,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
昨今、国土強靭化基本計画の保健医療に関する骨子に従い、医療施設の耐震・インフラ強化、広域的な連携体制、医療資源の供給体制、被害想定に基づいたDMAT養成、医療資源を適切に配分調整するロジスティクス等が進められているところである。しかしながら、広域的な連携体制、医療資源の供給体制、医療資源の適切な配分調整に関しては、被災地域全体としての連携調整が必要となる。今後、発生し得る首都直下地震や南海トラフ大地震等の大規模災害では、圧倒的に医療提供の需要が供給を上回ることが想定される。このため単独の医療機関が医療提供を行うだけでなく、面的に地域の医療機関が連携する必要がある。そのためには、地域における被害想定を考慮した地域連携BCPの作成が重要であるが、日本において一般的に作成・活用されているものはない。
本研究班の目的は、これまで構築してきた災害医療体制を基礎として、如何に多機関・多組織・多職種が連携すれば、地域の医療資源を最大限に活用できるのかを提言することである
研究方法
本研究の研究方法は以下の通りである。地域連携BCPに関しては、初年度は大災害における医療機関の地域における面的役割の分析を行った。次年度は自治体が作成している受援マニュアルの評価方法の開発、最終年度は地域連携BCP策定マニュアルの作成を行った。また他の課題に関しては、初年度は各課題における戦略・マニュアル案等の策定を行った。次年度はDMAT研修や訓練、政府大規模地震時医療活動訓練等での検証を行う。そして最終年度には、前年度の検証を踏まえ、戦略・マニュアル最終案を提示する。本研究班は、多くの分担研究者により、災害医療全般に関して研究するが、1つの研究班によって行われるため、整合性のとれた研究結果が期待される。分担研究結果を整合性のとれた報告として総括する。
結果と考察
平成の時代は多くの災害に見舞われた一方で、災害医療は飛躍的に進歩した。DMATや災害拠点病院の整備、広域災害救急情報システム(EMIS)などは、世界に誇る仕組みとなった。しかしながら、多くの災害を経験すれば、その都度新しい課題が生じ、これらの課題を解決すべく平成30年12月国土強靭化基本計画が改定された。現在、国土強靭化基本計画の保健医療に関する骨子に従い、医療施設の耐震・インフラ強化、広域的な連携体制、医療資源の供給体制、被害想定に基づいたDMAT養成、医療資源を適切に配分調整するロジスティクス等が進められているところである。しかしながら、広域的な連携体制、医療資源の供給体制、医療資源を適切に配分調整するロジスティクスに関しては、各保健医療施設、各保健医療活動チームの個々の対応だけでは限界があり、被災地域全体としての連携調整が必要となる。今後、発生し得る首都直下地震や南海トラフ大地震等では、圧倒的に医療提供の需要が供給を上回ることが想定される。このため単独の医療機関が医療提供を行うだけでなく、面的に地域の医療機関が連携する必要がある。本研究班の目的は、これまで構築してきた災害医療体制を基礎として、如何に多機関・多組織・多職種が連携すれば、地域の医療資源を最大限に活用できるのかを提言することである。16の分担研究のバックボーンに地域連携、多機関連携のキーワードを置いて研究を行った。今回のコロナ禍においては、本研究班が培ってきた災害対応手法が、都道府県のコロナ対策本部運営、医療福祉介護施設のクラスター対応に活かされ、大きく貢献した。その中で実感したことは、地域は地域で守るというコンセプトのもとでの地域連携が重要であるということである。
結論
初年度はCOVID-19の第7波、第8波に見舞われ、研究計画は影響を受けたが、本研究班のメインテーマである地域連携の重要性を実際に現場で経験し、多くの知見を得ることができた。また、令和6度は集合形式の実動訓練が再開され、これまでの研究成果を検証することができたことも成果である。 本研究班は、国土強靭化基本計画の保健医療に関する骨子に従い、これまで医療施設のインフラ強化、広域的な連携体制、医療資源の供給体制、被害想定に基づいたDMAT養成、医療資源を適切に配分調整するロジスティクスなどの研究を進めてきた。今年度は、これまで構築してきた災害医療体制を基礎として、如何に多機関・多組織・多職種が連携すれば、医療資源を最大限に活用できるのかを提言するために、地域連携BCPのあり方、医療施設のインフラ支援、連携調整のツールとしてのEMIS、JSPEEDの改良、地域連携における災害医療コーディネーターのあり方、地域ごとの災害種別の医療ニーズとリソースの定量的評価による地域連携BCPの策定支援等について検討が行われた。これらの研究成果は国土強靭化基本計画の具現化に資すると考える。

公開日・更新日

公開日
2025-08-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

総括研究報告書
分担研究報告書
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
研究成果の刊行に関する一覧表
研究成果の刊行に関する一覧表
研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2025-08-19
更新日
-

文献情報

文献番号
202421039B
報告書区分
総合
研究課題名
大規模災害時における地域連携を踏まえた更なる災害医療提供体制強化に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22IA2005
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
小井土 雄一(独立行政法人国立病院機構本部 DMAT事務局)
研究分担者(所属機関)
  • 本間 正人(国立大学法人鳥取大学 医学部 救急・災害医学分野)
  • 森野 一真(山形県立救命救急センター)
  • 中山 伸一(兵庫県災害医療センター)
  • 近藤 久禎(独立行政法人国立病院機構本部 DMAT事務局)
  • 三村 誠二(独立行政法人国立病院機構本部 DMAT事務局)
  • 阿南 英明(地方独立行政法人神奈川県立病院機構)
  • 小早川 義貴(独立行政法人国立病院機構本部 DMAT事務局)
  • 海野 信也(北里大学 医学部産婦人科学)
  • 久保 達彦(広島大学大学院医系科学研究科 公衆衛生学)
  • 西 大輔(東京大学大学院医学系研究科 精神保健学分野)
  • 森村 尚登(東洋大学)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
昨今、国土強靭化基本計画の保健医療に関する骨子に従い、医療施設の耐震・インフラ強化、広域的な連携体制、医療資源の供給体制、被害想定に基づいたDMAT養成、医療資源を適切に配分調整するロジスティクス等が進められているところである。しかしながら、広域的な連携体制、医療資源の供給体制、医療資源の適切な配分調整に関しては、各保健医療施設、各保健医療活動チームの個々の対応だけでは限界があり、被災地域全体としての連携調整が必要となる。今後、発生し得る首都直下地震や南海トラフ大地震等の大規模災害では、圧倒的に医療提供の需要が供給を上回ることが想定される。このため単独の医療機関が医療提供を行うだけでなく、面的に地域の医療機関が連携する必要がある。そのためには、地域における被害想定を考慮した地域連携BCPの作成が重要であるが、日本において一般的に作成・活用されているものはない。本研究班の目的は、これまで構築してきた災害医療体制を基礎として、如何に多機関・多組織・多職種が連携すれば、地域の医療資源を最大限に活用できるのかを提言することである。
研究方法
本研究の研究方法は以下の通りである。地域連携BCPに関しては、初年度は大災害における医療機関の地域における面的役割の分析を行った。次年度は自治体が作成している受援マニュアルの評価方法の開発、最終年度は地域連携BCP策定マニュアルの作成を行った。また他の課題に関しては、初年度は各課題における戦略・マニュアル案等の策定を行った。次年度はDMAT研修や訓練、政府大規模地震時医療活動訓練等での検証を行う。そして最終年度には、前年度の検証を踏まえ、戦略・マニュアル最終案を提示する。本研究班は、多くの分担研究者により、災害医療全般に関して研究するが、1つの研究班によって行われるため、整合性のとれた研究結果が期待される
結果と考察
研究の柱は、地域連携、多組織・多機関連携、多職種連携である。そもそも災害対応は個々の医療機関、組織では対応不可能であり、地域、多機関、多職種の連携によって成り立っていることは言を俟たないが、本研究班では効率的・効果的に連携するための具体的な指針を示すことが目的である。16の分担研究のバックボーンに地域連携、多機関連携のキーワードを置いて研究を実施した。地域連携BCPに関しては、危機管理体制は「医療機関情報の事前把握」と「住民・災害時要配慮者の避難計画」、リソース確保は「医療救護リソース」と「民間機関との協定」、地域内・間連携は「訓練活動」と「自主防災組織」という指標が重要であることが明らかになった。これらの指標を用いて、全国47都道府県のデータが分析され、医療機能維持を目的とした地域連携計画の策定における重要分野が評価された。今後のCCP策定のためのマニュアル作成に貢献することが期待される。また他の分担研究に関しては、各課題における戦略・マニュアル案等の課題抽出を行い、DMAT研修や訓練、政府大規模地震時医療活動訓練等での検証を行った。特にライフライン支援、医療搬送の研究については、医療関係者のみでは実施困難であり、多機関他組織連携が重要であることが示された。過去3年間のCOVID-19対応を通して、本研究班のメインテーマである地域連携の重要性を実際に現場で経験し、多くの知見を得ることができた。得た知見は各々研究テーマに還元されたと考える。また、令和6年能登半島地震においては、保健・医療・福祉の総合調整に研究成果が反映されたと考える
結論
コロナ禍においては、本研究班が培ってきた災害対応手法が、都道府県のコロナ対策本部運営、医療福祉介護施設のクラスター対応に活かされ大きく貢献した。その中で実感したことは、地域は地域で守るというコンセプトのもとの地域連携が重要であるという事である。COVID-19対応で得た知見を、如何に自然災害対応にどう活かすかが肝要であるが、令和6年能登半島地震対応では、保健、医療、福祉を包含した地域連携が実践されたと考える。国土強靭化基本計画の保健医療に関する骨子に従い、本研究班ではこれまで医療施設のインフラ強化、広域的な連携体制、医療資源の供給体制、被害想定に基づいたDMAT養成、医療資源を適切に配分調整するロジスティクス等の研究を進めてきた。これまで構築してきた災害医療体制を基礎として、如何に多機関・多組織・多職種が連携すれば、医療資源を最大限に活用できるのかを提言するために、地域連携BCPのあり方、医療施設のインフラ支援、連携調整のツールとしてのEMIS、JSPEEDの改良、地域連携における災害医療コーディネーターのあり方、地域ごとの災害種別の医療ニーズとリソースの定量的評価による地域連携BCPの策定支援等について検討が行われた。これらの研究成果は国土強靭化基本計画の具現化に資すると考える。

公開日・更新日

公開日
2025-08-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

総合研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表
研究成果の刊行に関する一覧表
研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2025-08-19
更新日
-

行政効果報告

文献番号
202421039C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究班の取り組みは、国土強靭化基本計画に基づき、災害時の医療体制強化において大きな成果を挙げている。医療施設の耐震化やインフラ強化、広域連携、医療資源の供給体制整備などを進める中で、地域や多機関、多職種が連携し、医療資源を最大限に活用する方策を提言した点は非常に意義深い。新型コロナウイルス対応では、DMATが行政支援やクラスター対応を担い、医療資源の調整や情報共有のノウハウが高く評価され、DMAT機能の拡充に繋がった。
臨床的観点からの成果
ロジスティックスの研究ではNEXCOやJAXA、ウエザーニュース等の民間企業との協力により輸送支援や情報活用の実現に向けた具体的な検討が進められた。さらに、地域医療搬送・広域医療搬送の研究においては、緊急消防援助隊、HEM-Net、自衛隊、民間救急機関との連携が実施され、医療搬送体制の強化が図られた。EMISの研究では、NTTドコモやJAXAなど通信事業会社と協力し、災害時の情報共有体制の強化に取り組んだ
ガイドライン等の開発
災害医療コーディネート研修や小児周産期リエゾン研修が進められ、現場活動を支えるガイドラインや研修内容も本研究班が支援しており、実際の災害対応に活かされている。医療用コンテナに関しても、都道府県向けガイドライン案を作成し、第8次医療計画に基づく有効活用が期待される。これらの成果は、災害時における地域の医療体制強化や行政の災害対応能力向上に大きく貢献するものであり、社会全体での災害医療体制の進化を支えている。
その他行政的観点からの成果
本研究の成果は、災害時における医療支援の重要性と地域連携の必要性を明らかにし、国民にとって理解しやすい形での説明と普及を重視したものである。災害時には一つの医療機関や組織だけでは対応が困難であり、地域全体での連携や多機関・多職種の協力が不可欠であることから、地域の実情に応じた災害対応計画の策定と、効率的・効果的な医療資源の活用に向けた具体的な指針を示した。本研究の成果は、国民一人ひとりが災害に備え、地域全体で支え合う「災害に強い社会」の実現に大きく貢献するものである。
その他のインパクト
国際医療チーム受援の研究では、米国保健福祉省(HHS)での発表や、日本に戦略的準備・対応管理局(ASPR)を迎えることで、日米間の連携を強化した。日本DMATと米国DMATの実動訓練の実施を目指しており、さらなる国際的な協力体制の構築が期待される。このように、国内外の多機関・多組織との協力体制を構築し、研究成果の実用化と普及が着実に進展していることは、本研究の大きな成果である。

発表件数

原著論文(和文)
26件
原著論文(英文等)
26件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
221件
学会発表(国際学会等)
30件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2025-08-19
更新日
-

収支報告書

文献番号
202421039Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,603,000円
(2)補助金確定額
5,603,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 217,070円
人件費・謝金 1,801,192円
旅費 1,224,327円
その他 1,067,411円
間接経費 1,293,000円
合計 5,603,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2025-08-19
更新日
-