公的年金の直面する要検討課題に対する理論・実証研究

文献情報

文献番号
201001033A
報告書区分
総括
研究課題名
公的年金の直面する要検討課題に対する理論・実証研究
課題番号
H22-政策・一般-015
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
竹原 均(早稲田大学 商学学術院(大学院ファイナンス研究科))
研究分担者(所属機関)
  • 森平 爽一郎(早稲田大学 商学学術院(大学院ファイナンス研究科) )
  • 首藤 惠(早稲田大学 商学学術院(大学院ファイナンス研究科) )
  • 宇野 淳(早稲田大学 商学学術院(大学院ファイナンス研究科) )
  • 米澤 康博(早稲田大学 商学学術院(大学院ファイナンス研究科) )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
5,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 公的年金制度が直面する問題について, 年金積立金の運用に限定しない多面的な研究を実施し, その研究成果を社会へと還元する過程において, 公的年金積立金の運用・リスク管理に関して政策提言が可能な実務家・研究者ネットワークの形成を目指す.
研究方法
平成22年度においては,
(1) 公的年金積立金の運用・リスク管理に関する研究
(2) 株式所有構造が株価形成・流動性に与える影響の分析
(3) 年金投資家と企業の社会的責任(CSR), 社会的責任投資(SRI)
の3つの視点から研究を実施した. その結果は研究論文7編としてまとめられ, 詳細については研究分担報告書において示している.
結果と考察
 大森・米澤論文(第1章)では, 未だ標準的な手法が定まっていない公的年金積立金の運用政策そのものを分析対象とした. 森平論文(2章)では, 株式運用における信用リスクについて, 過去の研究成果の要約を行い, その上で新しいモデルの概略を提示している. 竹原論文(3章)は, 株式アクティブ運用におけるファンドのキャパシティーの問題について実証を行っている. 臼杵・井出論文(4章)では, 外貨建て資産運用における為替リスクヘッジの問題について議論した. 久保田・竹原論文(5章)では, 法人税引下げ, 世界経済危機のような外性的ショックが株価に与える影響をモンテカルロ・シミュレーションにより分析することを試みている. 宇野・神山論文(6章)では, 企業の株式所有構造が株式の流動性と企業価値に与える影響を議論した. 最後に首藤論文(7章)では, 公的年金の組織と運営に関するガバナンス・メカニズムについて整理するとともに, 年金基金の機関投資家として求められる行動規範について分析を試みた. 
結論
研究計画期間の初年度である平成22年度においては, 年金積立金管理運用独立行政法人による公的年金積立金の資産運用, および同法人の行動が資本市場と企業活動に与える影響について, 従来からの議論を総括することを試みている. 研究の結果から, 次年度以降に明らかにすべき研究課題が明確化されると同時に, 各種データベース等のリサーチ・インフラの整備が概ね適切に進められた.

公開日・更新日

公開日
2011-06-07
更新日
-

収支報告書

文献番号
201001033Z