電子私書箱と連携した保健医療情報の安全な利活用を促進する医療情報ネットワーク基盤整備の技術的方策に関する研究

文献情報

文献番号
200937038A
報告書区分
総括
研究課題名
電子私書箱と連携した保健医療情報の安全な利活用を促進する医療情報ネットワーク基盤整備の技術的方策に関する研究
課題番号
H20-医療・一般-030
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
大山 永昭(国立大学法人東京工業大学 大学院理工学研究科附属像情報工学研究施設)
研究分担者(所属機関)
  • 喜多 紘一(国立大学法人東京工業大学 統合研究院ソリューション研究機構/早稲田大学国際情報通信研究センター保健福祉情報プロジェクト)
  • 土屋 文人(国立大学法人東京医科歯科大学 歯学部附属病院)
  • 八幡 勝也(産業医科大学 生態科学研究所作業病態学研究室)
  • 秋山 昌範(国立大学法人東京大学 政策ビジョン研究センター)
  • 石垣 武男(放射線科名古屋広小路クリニック)
  • 安藤 裕(独立行政法人放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター病院医療情報課)
  • 山本 隆一(国立大学法人東京大学 情報学環)
  • 小尾 高史(国立大学法人東京工業大学 大学院総合理工学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
13,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、個人を主体とした保健医療情報等の安全な利活用を実現するために必要となる、電子私書箱及び社会保障カードと連携して医療情報の安全な流通を実現する医療情報ネットワークの実用化に向けた検討を行う。具体的には、電子私書箱及び社会保障カードと連携した保健医療サービスの在り方に関する検討を行うとともに、電子私書箱における保健医療福祉分野で構築される電子認証基盤の利用方法の検討、電子私書箱業務提供者および医療機関における運用方法、導入・維持コストについての調査・試算を行い、電子私書箱と医療機関が連携して安全な保健医療情報サービスを促進するための技術的方策を明らかにする。
研究方法
電子私書箱及び社会保障カードに求められる機能要件を整理し、機能要件に基づく具体的なサービスモデルの例を示した。社会保障に関する行政ワンストップサービスへの適用例として、退職手続きを行うサービスモデルを検討し、電子私書箱に求められる必要な機能、システム構成、処理フロー等を具体的に示した。また個人の健康情報管理への適用例として、昨年度電子私書箱を利用した個人健康情報提供・参照システムを提案しているが、今年度は昨年度開発した実験システムの操作性や利便性等を改良した。そして電子私書箱に実際の健康情報を登録する実験や診察シミュレーションによって、電子私書箱で保健医療情報を管理することの有効性を評価した。
結果と考察
本研究の検討より、電子私書箱を利用したシステムを利用することで個人の社会保障や保健医療に関する情報管理が効果的に行えることが確認されたが、セキュリティの不安を取り除くことや、ITスキルや関心の高低によらず適切に情報管理できるような仕組みをどのように実現するのか、などが課題として挙げられる。これら課題を解決するためには、システムの安全性、利便性の向上など技術的な解決策だけでなく、インセンティブやゲーム性の導入など、制度や運用方法なども含めた検討が必要である。
結論
本研究では、現在政府で検討が進められている電子私書箱や社会保障カードと連携することで、安全・安心な保健医療情報の流通を実現するシステムモデルを示し、実証実験による評価を通して、システムの利点や課題等を明らかにした。そして、保健・医療・福祉情報セキュアネットワーク基盤普及促進コンソーシアムや現在オンデマンドVPN技術の研究開発を行っている研究グループとの間で本研究で得られた成果を共有することで、これら研究グループが進めている医療機関相互における情報連携の実証実験や医療サービスの検討等への反映、電子私書箱を構成する技術仕様へのフィードバックを行っている。

公開日・更新日

公開日
2010-06-10
更新日
-

文献情報

文献番号
200937038B
報告書区分
総合
研究課題名
電子私書箱と連携した保健医療情報の安全な利活用を促進する医療情報ネットワーク基盤整備の技術的方策に関する研究
課題番号
H20-医療・一般-030
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
大山 永昭(国立大学法人東京工業大学 大学院理工学研究科附属像情報工学研究施設)
研究分担者(所属機関)
  • 喜多 紘一(国立大学法人東京工業大学 統合研究院ソリューション研究機構/早稲田大学国際情報通信研究センター保健福祉情報システムプロジェクト)
  • 土屋 文人(国立大学法人東京医科歯科大学 歯学部附属病院)
  • 八幡 勝也(産業医科大学 生態科学研究所作業病態学研究室)
  • 秋山 昌範(国立大学法人東京大学 政策ビジョン研究センター)
  • 石垣 武男(放射線科名古屋広小路クリニック)
  • 安藤 裕(独立行政法人放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター病院医療情報課)
  • 山本 隆一(国立大学法人東京大学 情報学環)
  • 小尾 高史(国立大学法人東京工業大学 大学院総合理工学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、個人を主体とした保健医療情報等の安全な利活用を実現するために必要となる、電子私書箱及び社会保障カードと連携して医療情報の安全な流通を実現する医療情報ネットワークの実用化に向けた検討を行う。具体的には、電子私書箱及び社会保障カードと連携した保健医療サービスの在り方に関する検討を行うとともに、電子私書箱における保健医療福祉分野で構築される電子認証基盤の利用方法の検討、電子私書箱業務提供者および医療機関における運用方法、導入・維持コストについての調査・試算を行い、電子私書箱と医療機関が連携して安全な保健医療情報サービスを促進するための技術的方策を明らかにする。
研究方法
電子私書箱及び社会保障カードに求められる機能要件を整理し、電子私書箱の基本システムを設計した。また、具体的なサービスへの適用例として、退職時の手続きを行うサービスモデルを検討し、その際電子私書箱に求められる必要な機能、システム構成、処理フロー等を具体的に示した。また個人の健康情報管理への適用例として電子私書箱を利用した個人健康情報提供・参照システムを検討し、電子私書箱に実際の健康情報を登録する実験や、登録した健康情報を参照しながらの診察シミュレーションによって、電子私書箱で保健医療情報を管理することの有効性を評価した。
結果と考察
本研究の検討より、電子私書箱を利用することで社会保障や保健医療に関する個人情報の管理を効果的に行えることが確認できたが、セキュリティの不安を取り除くことや、ITスキルや関心の高低によらず適切に情報管理できるような仕組みをどのように実現するのか、などが課題として挙げられる。これら課題を解決するためには、システムの安全性、利便性の向上など技術的な解決策に加えて、インセンティブやゲーム性の導入など、制度や運用方法なども含めた追加的な検討が必要である。
結論
本研究では、これまで政府で検討されてきた電子私書箱や社会保障カードと連携することで、安全・安心な保健医療情報の流通を実現するシステムモデルを示し、実証実験による評価を通して、システムの利点や課題等を明らかにした。そして保健・医療・福祉情報セキュアネットワーク基盤普及促進コンソーシアムや現在オンデマンドVPN技術の研究開発を行っている研究グループとの間で本研究で得られた成果を共有することで、これら研究グループが進めている医療機関相互における情報連携の実証実験や医療サービスの検討等への反映、電子私書箱を構成する技術仕様へのフィードバックを行っている。

公開日・更新日

公開日
2010-06-10
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200937038C