国内版、国際版急性胆道炎診療ガイドラインの普及と、日本と世界の実地診療・健康アウトカム等に与える影響の検証に関する研究

文献情報

文献番号
200937036A
報告書区分
総括
研究課題名
国内版、国際版急性胆道炎診療ガイドラインの普及と、日本と世界の実地診療・健康アウトカム等に与える影響の検証に関する研究
課題番号
H20-医療・一般-028
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
吉田 雅博(国際医療福祉大学 保健医療学部)
研究分担者(所属機関)
  • 高田 忠敬(帝京大学 医学部)
  • 二村 雄次(愛知県がんセンター)
  • 炭山 嘉伸(東邦大学)
  • 平田 公一(札幌医科大学 医学部)
  • 近藤 哲(北海道大学 医学部)
  • 真弓 俊彦(名古屋大学 医学部)
  • 関本 美穂(京都大学 医学部)
  • 矢野 晴美(自治医科大学 医学部)
  • 三浦 文彦(帝京大学 医学部)
  • 露口 利夫(千葉大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
急性胆道炎診療ガイドラインの日本、および世界における普及と、実地医療と対比した健康アウトカム改善に関する検証を行うことを目的とする。
研究方法
1.前向き臨床研究:昨年度作成したUMIN システムを用いたによる全国登録開始(平成21年9月)
国内、海外の臨床前向き症例登録(Class Tokyo study)を実行中。
2.国内、国際検証の実行と解析:
1) 国内の各専門学会でアンケート調査を実施した(平成21年9月、11月、12月)
2) DPCを用いたガイドラインの臨床影響調査
3) ガイドライン評価の組織体制あるいはシステム作成に関する研究
3.学会研究会での発表会(シンポジウム)
第45回日本胆道学会(千葉)平成21年9月
第66回日本腹部救急医学会(富山)平成22年3月
第23回ヨーロッパ外科感染症学会(ミュンヘン)、平成22年3月
結果と考察
1.ガイドライン自体の評価方法
1-1)作成方法の評価(根拠に基づく作成手法を用いているか?):
臨床指標を提示することが重要であり、日本の実臨床に則した評価表(案)作成。
1-2)ガイドライン内容の評価(内容は日本の臨床医療に則しているか?)
今回開発した急性胆道炎の臨床症例の登録データベースを用いて、経年的な臨床例の調査が進行中である。ガイドラインの年度ごとの影響調査が進行中である。
2.ガイドラインの影響評価
2-1)普及度調査(臨床に普及しているか?)
 臨床医に対してアンケート調査を行った。診療ガイドラインの普及度は70%以上である。
2-2)影響調査(医師の診療行為が改善したか?)(患者の健康アウトカムが改善したか?)
 ①アンケートで、約6割がガイドラインが診療に影響を与えている、と回答。
 ②DPCを用いたガイドラインの臨床影響調査:早期手術の実施や在院日数、急性胆管炎における抗生剤使用、ドレナージの実施、在院日数に経時的な変化が見られた。DPCデータ解析の有用性が示された。
3.ガイドラインを評価する体制の構築
 国家的規模の診療ガイドラインにおいては、検証研究は、当該疾患に関連する複数の学術団体の協力が必要である(急性胆道炎では、4学会の協力体制が構築された)。
結論
診療ガイドラインの検証には、作成方法の評価と臨床側からの有用性評価が重要であった。
本研究をガイドラインの普及効果や評価のロールモデルとして臨床応用し、改訂版を作成出版し、効果的かつ適正な普及と有効利用を推進することで、国民全般の医療に大きく寄与すると期待される。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-

文献情報

文献番号
200937036B
報告書区分
総合
研究課題名
国内版、国際版急性胆道炎診療ガイドラインの普及と、日本と世界の実地診療・健康アウトカム等に与える影響の検証に関する研究
課題番号
H20-医療・一般-028
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
吉田 雅博(国際医療福祉大学 保健医療学部)
研究分担者(所属機関)
  • 高田 忠敬(帝京大学 医学部)
  • 二村 雄次(愛知県がんセンター)
  • 炭山 嘉伸(東邦大学)
  • 平田 公一(札幌医科大学 医学部)
  • 近藤 哲(北海道大学 医学部)
  • 真弓 俊彦(名古屋大学 医学部)
  • 関本 美穂(京都大学 医学部)
  • 矢野 晴美(自治医科大学 医学部)
  • 三浦 文彦(帝京大学 医学部)
  • 露口 利夫(千葉大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
急性胆道炎診療ガイドラインの日本と世界における普及と、実地医療と対比した健康アウトカム改善に関する検証を行うことを目的とする。
研究方法
【平成20年度】<ガイドライン普及の全体像把握、臨床データベース構築>
1.ガイドライン刊行後の診療変化調査研究
1) 全国アンケート調査実施(平成20年8月)
2) DPCを用いた診療ガイドラインの臨床影響調査実施(~21年)
2.前向き登録臨床研究:患者登録データベースを作成し、UMINに掲載
3.国際検証実施検討会議(平成20年11月)
【平成21年度】<ガイドライン検証方法論と臨床データ収集開始>
1.全国前向き臨床研究開始(平成21年9月)
2.国内、国際検証の実行と解析
1) 各専門学会でアンケート調査(平成21年度3回)
2) ガイドライン評価の組織体制あるいはシステム作成に関する研究(~平成20年継続)
3.学会研究会での広報、発表会(シンポジウム):平成21年度に3回開催
結果と考察
1.ガイドライン作成方法の評価
1-1)作成方法の評価(EBMに則っているか?)
臨床指標が重要であり、日本の実臨床に則した評価表(案)作成
1-2)ガイドライン内容の評価(内容は日本の臨床医療に則しているか?)
 急性胆道炎の臨床症例の登録データベースを作成した
2.ガイドラインの影響評価
2-1)普及度調査(臨床普及しているか?)
 臨床医に対してアンケート調査を行った。診療ガイドラインの普及度は70%以上である
2-2)影響調査(医師の診療行為が改善したか?患者の健康アウトカムが改善したか?)
 ①アンケートで、約6割がガイドラインが診療に影響を与えていると回答した。
 ②DPCを用いたガイドラインの臨床影響調査:早期手術の実施や在院日数、急性胆管炎における抗生剤使用、ドレナージの実施、在院日数に変化が見られた。DPCデータ解析の有用性が示された。
 ③今回開発した急性胆道炎の臨床症例の登録データベースを用いて、経年的な臨床例の調査とガイドラインの年度毎の影響調査が進行中である。
3.ガイドラインを評価する体制の構築
 国家的規模の診療ガイドラインにおいて、検証研究は、当該疾患に関連する複数の学術団体の協力必要である。当検証班に関しては、4団体の幅広い協力体制が構築された。
結論
診療ガイドラインの検証には、作成方法の評価と臨床側からの有用性評価が重要であった。
本研究をガイドラインの普及効果や評価のロールモデルとして臨床応用し、改訂版を作成出版し、効果的かつ適正な普及と有効利用を推進することで、国民全般の医療に大きく寄与すると期待される。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200937036C