文献情報
文献番号
202310059A
報告書区分
総括
研究課題名
びまん性肺疾患に関する調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23FC1030
研究年度
令和5(2023)年度
研究代表者(所属機関)
須田 隆文(国立大学法人浜松医科大学 医学部 内科学第二講座)
研究分担者(所属機関)
- 千葉 弘文(札幌医科大学 医学部)
- 今野 哲(北海道大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野)
- 宮下 光令(国立大学法人東北大学 大学院医学系研究科保健学専攻緩和ケア看護学分野)
- 坂東 政司(自治医科大学 内科学講座 呼吸器内科学部門)
- 鈴木 拓児(千葉大学 医学研究院)
- 宮崎 泰成(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
- 慶長 直人(公益財団法人 結核予防会 結核研究所 生体防御部)
- 岸 一馬(虎の門病院)
- 小倉 高志(神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科)
- 橋本 直純(名古屋大学 医学部)
- 近藤 康博(公立陶生病院呼吸器・アレルギー疾患内科)
- 伊達 洋至(一般社団法人日本外科学会)
- 新井 徹(国立病院機構近畿中央胸部疾患センター 臨床研究センター)
- 草野 研吾(国立研究開発法人国立循環器病研究センター心臓血管内科)
- 上甲 剛(関東労災病院)
- 服部 登(広島大学大学院 医歯薬保健学研究院)
- 西岡 安彦(徳島大学 医学部)
- 福岡 順也(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
18,462,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
指定難病である特発性間質性肺炎 (IIP),サルコイドーシス,肺胞蛋白症 (PAP),閉塞性細気管支炎 (BO) ,原発性線毛機能不全症(PCD)および類縁希少疾患(若年性・遺伝性間質性肺炎など)を含むびまん性肺疾患 (ILD) を対象に,診断基準,重症度分類,診療ガイドラインの策定・改訂,全国レジストリを活用した多分野による診療体制の構築,関連学会や患者会と連携した普及・啓発活動の推進などを目的として調査研究を実施する.そしてその結果を,難病患者の実態把握、診断・治療の標準化,難病患者のQOL向上につなげることを目的とする.さらに,難病診療におけるCOVID-19パンデミックの影響についてビッグデータを用いて解析する.
研究方法
本研究では,①IIP分科会,②サルコイドーシス分科会,③難治性気道疾患分科会,④希少びまん性肺疾患分科会,⑤NDB (national database) の5つの分科会に分けて研究を行った.さらに,レジストリ研究については,AMED研究,医師主導研究であるPROMISE研究と連携して実施した.COVID-19研究については, NDBオープンデータ(厚労省)を利用して行った.
結果と考察
① IIP分科会:
・「特発性肺線維症の治療ガイドライン 2023[第二版]」の改訂を行った.
・IIPの診断基準と重症度分類の改め,臨床個人調査票も改定した.
・臨床個人調査票を用いた全国疫学調査を実施した(対象:2019年の新規受給者4,731人)
・びまん性肺疾患診断における病理診断の標準化,クライオ生検の診断指針の作成などに取り組んだ.さらに,びまん性肺疾患の病理診断を補助するAI診断システムの開発に成功した.
・間質性肺炎合併肺癌患者における免疫チェックポイント阻害薬の安全性と有効性の全国調査を行った.
・「間質性肺炎合併肺癌に関するステートメント[第1版]」の改定作業を開始した.
・全国から間質性肺炎の急性増悪症例を収集し,予後因子を明らかにした(対象患者1,273人).
• AMED研究班などと共同で,前向きレジストリPROMISE/IBiSの登録を完了した(登録患者:1,117人).また,同時に登録症例の血清レポジトリも構築した.
• 上葉優位型肺線維症(PPFE)の全国レジストリを構築し,バイオマーカーや疾患感受性遺伝子などを明らかにした(対象患者216人).
• 間質性肺炎の患者会を実施した(現地参加者340人,オンデマンド視聴者495人).
• 間質性肺炎の終末期緩和医療の実態を明らかにするために,間質性肺疾患患者の遺族を対象として,「間質性肺炎患者の終末期における望ましい死の達成度(QODD)の全国遺族アンケート調査」を実施し,解析した.
②サルコイドーシス分科会:
• 臨床個人調査票を用いた疫学研究を実施した(対象3,538人).
• サルコイドーシス友の会と連携して,会報にサルコイドーシスに関する情報を掲載した.
• 心臓サルコイドーシスの指定難病の診断基準を改定した.
• 心臓サルコイドーシスの全国レジストリ(JACS)とAMED研究MYSTICSに協力し,症例登録を開始した.
③難治性気道疾患分科会:
• BOの臨床個人調査票を用いた疫学調査を行った(91例).
• 原発性線毛機能不全症(PCD)のPCDの効率的なスクリーニング法を開発した.
• PCDを新規指定難病として申請し,認定された.
④希少びまん性肺疾患分科会:
• PAPの臨床個人調査票を用いた疫学調査を実施し,論文化した.(対象110人).
• 家族性・遺伝性間質性肺炎の全国調査を企画した.
⑤NDB分科会:
・2013年から2019年のNDBデータを用いて特発性間質性肺炎,サルコイドーシス,肺胞蛋白症,閉塞性細気管支炎に関する疫学調査を行った.2020年1月から2023年5月(従来株流行期からオミクロン株流行期)にCOVID-19と診断された患者2700万人の患者データを解析し、いずれの流行期においても基礎疾患に間質性肺疾患を有することはCOVID-19患者の死亡リスク上昇と関連していた.
・「特発性肺線維症の治療ガイドライン 2023[第二版]」の改訂を行った.
・IIPの診断基準と重症度分類の改め,臨床個人調査票も改定した.
・臨床個人調査票を用いた全国疫学調査を実施した(対象:2019年の新規受給者4,731人)
・びまん性肺疾患診断における病理診断の標準化,クライオ生検の診断指針の作成などに取り組んだ.さらに,びまん性肺疾患の病理診断を補助するAI診断システムの開発に成功した.
・間質性肺炎合併肺癌患者における免疫チェックポイント阻害薬の安全性と有効性の全国調査を行った.
・「間質性肺炎合併肺癌に関するステートメント[第1版]」の改定作業を開始した.
・全国から間質性肺炎の急性増悪症例を収集し,予後因子を明らかにした(対象患者1,273人).
• AMED研究班などと共同で,前向きレジストリPROMISE/IBiSの登録を完了した(登録患者:1,117人).また,同時に登録症例の血清レポジトリも構築した.
• 上葉優位型肺線維症(PPFE)の全国レジストリを構築し,バイオマーカーや疾患感受性遺伝子などを明らかにした(対象患者216人).
• 間質性肺炎の患者会を実施した(現地参加者340人,オンデマンド視聴者495人).
• 間質性肺炎の終末期緩和医療の実態を明らかにするために,間質性肺疾患患者の遺族を対象として,「間質性肺炎患者の終末期における望ましい死の達成度(QODD)の全国遺族アンケート調査」を実施し,解析した.
②サルコイドーシス分科会:
• 臨床個人調査票を用いた疫学研究を実施した(対象3,538人).
• サルコイドーシス友の会と連携して,会報にサルコイドーシスに関する情報を掲載した.
• 心臓サルコイドーシスの指定難病の診断基準を改定した.
• 心臓サルコイドーシスの全国レジストリ(JACS)とAMED研究MYSTICSに協力し,症例登録を開始した.
③難治性気道疾患分科会:
• BOの臨床個人調査票を用いた疫学調査を行った(91例).
• 原発性線毛機能不全症(PCD)のPCDの効率的なスクリーニング法を開発した.
• PCDを新規指定難病として申請し,認定された.
④希少びまん性肺疾患分科会:
• PAPの臨床個人調査票を用いた疫学調査を実施し,論文化した.(対象110人).
• 家族性・遺伝性間質性肺炎の全国調査を企画した.
⑤NDB分科会:
・2013年から2019年のNDBデータを用いて特発性間質性肺炎,サルコイドーシス,肺胞蛋白症,閉塞性細気管支炎に関する疫学調査を行った.2020年1月から2023年5月(従来株流行期からオミクロン株流行期)にCOVID-19と診断された患者2700万人の患者データを解析し、いずれの流行期においても基礎疾患に間質性肺疾患を有することはCOVID-19患者の死亡リスク上昇と関連していた.
結論
対象指定難病の中で,IIPとサルコイドーシスの診断基準,重症度分類の改訂をし,IIPとPAPに関してはガイドラインの改訂,作成を終えた.また,臨床個人調査票やNDBなどのビッグデータを用いた研究により,我が国の指定難病のアップデートされた疾患疫学を創出することができた.さらにレジストリ研究も,AMED研究や医師主導研究と連携して効率的に症例登録が進んでおり,今後の結果の解析が待たれる.
公開日・更新日
公開日
2025-05-30
更新日
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