ワクチン戦略による麻疹および先天性風疹症候群の排除、およびワクチンで予防可能疾患の疫学並びにワクチンの有用性に関する基礎的臨床的研究

文献情報

文献番号
200931035A
報告書区分
総括
研究課題名
ワクチン戦略による麻疹および先天性風疹症候群の排除、およびワクチンで予防可能疾患の疫学並びにワクチンの有用性に関する基礎的臨床的研究
課題番号
H21-新興・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
岡部 信彦(国立感染症研究所 感染症情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 富樫 武弘(札幌市立大学看護学部)
  • 浅野 喜造(藤田保健衛生大学医学部)
  • 生方 公子(北里大学 北里生命科学研究所)
  • 庵原 俊昭(国立病院機構三重病院)
  • 木所 稔(国立感染症研究所)
  • 平原 史樹(横浜市立大学)
  • 堤 裕幸(札幌医科大学)
  • 大石 和徳(大阪大学微生物病研究所)
  • 宮崎 千明(福岡市立西部療育センター)
  • 森 康子(神戸大学大学院医学研究科)
  • 中山 哲夫(北里大学 北里生命科学研究所)
  • 岡田 賢司(国立病院機構福岡病院)
  • 今野 良(自治医科大学医学部)
  • 石和田 稔彦(千葉大学医学部附属病院)
  • 和田 昭仁(国立感染症研究所)
  • 蒲地 一成(国立感染症研究所 )
  • 多屋 馨子(国立感染症研究所 )
  • 大日 康史(国立感染症研究所 )
  • 竹田 誠(国立感染症研究所 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
89,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
麻疹・先天性風疹症候群(CRS)排除、および予防接種で予防可能疾患の現状を明らかにし今後の予防接種政策ならびに公衆衛生行政に提言、国民の健康な生活に寄与する。
研究方法
基礎・臨床・疫学・経済学など多角的に検討、麻疹・CRS排除、百日咳・b型インフルエンザ菌(以下Hib)・肺炎球菌・ヒトパピローマウイルス(HPV)・ロタウイルス・水痘・ムンプス等の疾病構造、ウイルスの性状、ワクチンの効果と安全性、ワクチンニーズの探求、予防啓発に関する研究を行う。
結果と考察
平成21年度は、各疾患の発生動向・重症化例、予防接種副反応例、疾病構造の変化などについて検討。ワクチンウイルス・新遺伝子型ウイルスの解析、ワクチンの安全性に関する検討、新たな検査法の研究開発を進めた。麻疹・風疹の予防接種率・患者数の把握から排除に必要な対策をエビデンスに基づいて立案。実験室診断のための検査法標準化を確立。全国規模でのHibの疫学状況・ワクチンの安全性を示した。新日本脳炎ワクチン追加接種に関する検討を実施。CRS相談窓口を継続実施。百日咳LAMP診断法の開発、IgG EIA抗体測定系の確立、DT2期接種における百日咳ワクチン追加に関する検討、Hib・肺炎球菌の全国規模サーベイランスを継続実施、百日咳・Hibの全国調査とその成果の公開、予防接種管理ソフトの開発と改善、水痘・ムンプスの重症度・ワクチン効果などの調査、ムンプスワクチン株の選択・水痘ワクチンウイルスの弱毒化のメカニズム解明などの研究を進めた。ロタウイルスの検討も開始。本研究の成果は、感染症に関する厚生科学審議会・委員会、麻疹対策推進委員会などで、資料として利用されている。麻疹排除に向けて研究を強化、国が掲げている排除宣言が実現に向かうよう技術的な支援をしている。同時にCRSの国内排除も期待される。これらの動きは、海外から大きく注目されている。予防接種政策を立案・実施する上で課題となる感染症は多く、これらを包括的に研究することで学術的のみならず公衆衛生行政にも大きく貢献できることが期待される。
結論
予防接種実施の改善に関する議論に必要なエビデンスを検討している。厚生労働行政の政策立案に必要な研究であり、感染症から人々を守り、国民の健康維持ならびに社会への貢献にも繋がる事が期待される。

公開日・更新日

公開日
2010-07-14
更新日
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研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2011-02-16
更新日
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