介護予防における口腔機能向上・維持管理の推進に関する研究

文献情報

文献番号
200921032A
報告書区分
総括
研究課題名
介護予防における口腔機能向上・維持管理の推進に関する研究
課題番号
H21-長寿・一般-002
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
菊谷 武(日本歯科大学 生命歯学部)
研究分担者(所属機関)
  • 植田耕一郎(日本大学 歯学部)
  • 関野 愉(日本歯科大学 生命歯学部)
  • 渡邊 裕(東京歯科大学)
  • 西原達次(九州歯科大学 歯学部)
  • 平野浩彦(東京都健康長寿医療センター研究所)
  • 大原里子(東京医科歯科大学 歯学部)
  • 小坂 健(東北大学大学院歯学研究科)
  • 相田 潤(東北大学大学院歯学研究科)
  • 北原 稔(東京医科歯科大学 歯学部)
  • 石川健太郎(昭和大学 歯学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、歯科衛生士等の専門職の事業所への紹介を目的とした職業紹介モデル事業の成果と課題を分析することを目的とした。また口腔ケアの理論や技術に関する教育の重要性から、e-Learingや、電子掲示板、SNS(Social Network System)などを組み合わせ、これらによる適切な情報共有が人材育成において有用であるかを検討した。さらに、認知症高齢者に対する歯科保健行動の実態調査が少ないことから、その実態を明らかにすることを目的に、ケア実施における課題提示、対応策の提示を行ったうえで、認知症高齢者に対する、食への支援を含めた効率的な口腔機能向上サービス提供体制の在り方についても提言を行った。
研究方法
愛知県歯科衛生士会および福岡県歯科衛生士会において、職業紹介のモデル事業を実施した。また、モデル事業実施に際し、各衛生士会内に無料職業紹介所を設置し、試行運用した。さらに、歯科衛生士、施設を対象に知識普及や情報提供の目的でDVDを用いた研修会を行い、アンケート方式による意識調査を行った。e-Learingにおいては、プログラムの設計を行った。認知症高齢者に対する調査においては、認知症高齢者の口腔機能および食事に関する実態調査を行った。
結果と考察
職業紹介モデル事業において、必要な人員の整備、紹介システムの構築、紹介システムの運用を通じて、問題点の抽出と改善を行った。また、口腔機能向上サービスの推進に関して必要な基礎的調査を実施し、多施設におけるデータや歯科衛生士の現状が明らかになった。ICTによる解決としてe-Learning及びSNSの検討を開始し、サービス・パッケージの採用について検討した。LMS及びSNSの両機能を具備するASP(SaaS)を契約することによる構築を行うことが適当という結論を得た。認知症高齢者の実態調査では、認知症が重度化するにつれ食事の自立度は有意に低下した。また認知症が重度化するにつれ、嚥下機能は有意に低下した。
結論
1.職業紹介のモデル事業を試行し、運用を通じて、問題点の抽出と改善を行い、今後の指針が示された。
2.e-learningでは、教育システムの設計を引き続き進めると共に、次年度においてサービスインを行うことができるものである。
3.食事の自立などの支援、嚥下機能低下を視野に入れた、認知症重症度を機軸とした認知症高齢者への口腔機能向上サービスモデルの必要性が示唆された。

公開日・更新日

公開日
2010-06-16
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2011-01-18
更新日
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