慢性の痛み患者への就労支援の推進に資する研究

文献情報

文献番号
202215001A
報告書区分
総括
研究課題名
慢性の痛み患者への就労支援の推進に資する研究
課題番号
22FG1001
研究年度
令和4(2022)年度
研究代表者(所属機関)
橘 とも子(国立保健医療科学院 研究情報支援研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 牛田 享宏(愛知医科大学疼痛緩和外科・いたみセンター・センター長)
  • 松原 貴子(神戸学院大学総合リハビリテーション学部・教授)
  • 中島 孝(独立行政法人国立病院機構新潟病院・院長)
  • 臼井 千恵(順天堂大学医学部・先任准教授)
  • 木村 慎二(新潟大学医歯学総合病院リハビリテーション科・病院教授)
  • 高井 ゆかり(群馬県立県民健康科学大学 ・教授)
  • 丸谷 美紀(国立保健医療科学院)
  • 田邉 豊(順天堂大学医学部附属練馬病院・麻酔科ペインクリニック)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 慢性の痛み政策研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和5(2023)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
令和5年4月13日 令和4年度厚生労働科学研究費補助金(慢性の痛み政策研究事業)における研究分担者について 研究課題名:慢性の痛み患者への就労支援の推進に資する研究

研究報告書(概要版)

研究目的
全人的に疼痛自己管理を支える体制を構築するため、我が国の患者報告アウトカム尺度(PROMs)に資する具体策を検証する事で、パーソナルヘルスレコード(PHR)などの持続可能で効果的な価値共創型ヘルスモニタリングシステムの活用実装策を探り、慢性の痛みを持つ方が就労を継続できるようセルフマネジメントを支援する方法の作成・試行検証・普及を行う。その結果、慢性疼痛就労関連の社会参加困難の実態把握方策や課題明確化との連動で、就労を継続できるようセルフマネジメントを支援する方法等を作成普及し、社会体制整備を進めることが目的である。
研究方法
(1)実態把握調査:研究分担者経由で様々な臨床専門分野の、SNS利用調査に同意した18歳以上の患者当事者や支援者、医療機関スタッフ等の協力者を対象に、令和4年度プレ調査改善により行う。調査研究協力依頼用チラシ兼パンフレットの作成・調査票回答アプリのデザイン作成等を委託しデータ解析することで、「痛み」症状の有無・程度・病因や、労働現場における疼痛の発生及び慢性化の現状との関連、それに伴う就労不能を中心とした社会参加困難の実態を医療サービスの提供側/受給側双方から分析する。PHRの活用をさらに推進するため、PROMsを促進するとともに、どの項目を選択すれば患者当事者の方々に有用な情報があるかといった検討や文献検索と併せて、「データの外部への持ち出しは禁止」とする原則に違反しない方策がとりうるかといった検討を行う。
(2)就労支援(職に就く・職に戻る・職の継続)は、職の継続に焦点を当て、目標を慢性疼痛のある就労者が職を継続していくための支援方法を明らかにすることとする。目的・方法は、①慢性疼痛のある就労者における就労継続上の問題を明らかにする【文献検討】。②慢性疼痛のある就労者における就労継続にむけた就労生活の工夫を明らかにする【インタビュー】。③慢性疼痛のある就労者へ支援を行う産業保健スタッフが行っている支援を明らかにする【フォーカスグループインタビュー】。④①-③のプレ調査・文献検索・インタビューを踏まえ「マニュアル作成上の留意点」を明らかにする。➄専門家会議【マニュアル作成上留意点の妥当性確認】。⑥成果公表。
結果と考察
(1)スマートフォンのパーソナルヘルスレコード(PHR)(WAKARTE(ワカルテ))を使用して患者等へプレ調査を行う際に、多機関共同研究として必要な制度上の問題、手順書上の問題、データ保管上の問題について明らかにし解決をおこなった。達成済み(令和4年12月)
(2)WEB画面、チラシなどでの本研究班にとって最適な広報方法について検討し、プレ調査の項目に患者の就労に際して重要な項目となる障害者年金申請についての質問項目を追加した。達成済み(令和4年12月)
(3)「障害者年金受給」に該当する患者に対して診断書を作成する際に、線維筋痛症、筋痛性脳脊髄炎それぞれにおいて、障害者年金診断書の標準的な記載内容について、就労支援の視点で検討を行った。達成済み(令和4年12月)
(4)慢性疼痛や就労関連の文献検索等を通じ、パーソナルヘルスレコード(PHR)を活用した分析を行う際に必要な項目を整理分析した。達成済み(令和5年3月)
(5)令和4年度成果検討会、及び、講演会により、令和4年度のプレ調査等の成果について痛みの専門家より助言をいただき、精緻化を図る。かつ、「慢性疼痛のある就労者への支援を行うには? ~ セルフマネジメント支援とデータ活用の融合 ~」を方向性とする講演会を開催し、外部助言者による本調査への協力への機運を高め、令和5年度の調査の円滑化を図り、最終成果物の質向上を目指した。達成済み(令和5年3月)
(6)令和4年度においては、パーソナルヘルスレコード(PHR)を活用したサーベイランス体制の構築のため、プレ調査等を立案実施し、情報等に関する活用方策(案)を提示した。プレ調査実施に必要なチラシなどの媒体作成を完了した。達成済み(令和5年1月)
結論
令和5年度に以下を進めることで、研究目的の達成が期待できると思われた。●令和4年度においては、慢性の痛み政策研究事業における本研究班体制について、関連他班との打合せ協議や研究班内のサブグループ編成等を通じ、慢性の痛み政策の社会実装のための検討を進める。パーソナルヘルスレコード(PHR)(WAKARTE(ワカルテ))を使用した調査のためのPRO(patient-reported outcomes)に資する実態把握準備を進める。●PHRを使用した調査の必要数を見込む実施体制とする。●令和4年度においては、調査や文献レビューの結果や既存の関連他班におけるマニュアルをもとに、慢性の痛み政策を実装することで、痛みのセルフマネジメントを支援し就労支援できる社会とする方策の検討を進める。

公開日・更新日

公開日
2024-04-04
更新日
-

研究報告書(PDF)

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公開日
2024-04-04
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文献番号
202215001Z