がんを安全・高感度で鮮明に画像化できるナノサイズシュガーボールデンドリマー型新規MRI造影剤の開発研究

文献情報

文献番号
200912015A
報告書区分
総括
研究課題名
がんを安全・高感度で鮮明に画像化できるナノサイズシュガーボールデンドリマー型新規MRI造影剤の開発研究
課題番号
H19-ナノ・一般-015
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
山下 光司(国立大学法人 静岡大学 創造科学技術大学院)
研究分担者(所属機関)
  • 木村 元彦(静岡大学 工学部)
  • 田中 康隆(静岡大学 工学部)
  • 戸田 三津夫(静岡大学 工学部)
  • 竹原 康雄(浜松医科大学 医学部)
  • 阪原 晴海(浜松医科大学 医学部)
  • 間賀田 泰寛(浜松医科大学 光量子医学研究センター)
  • 藤江 三千男(浜松医科大学 実験実習機器センター)
  • 岡野 孝(東京慈恵会医科大学 医学部)
  • 三好 憲雄(福井大学 医学部)
  • 押川 達夫(沼津工業高等専門学校)
  • 本間 信行(静岡県工業技術研究所 浜松工業技術支援センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(ナノメディシン研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
21,922,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究の目的は、血管造影機能、臓器選択性・特異性、死因第1位のがん(特に、初期の小さながん)病巣造影機能を備えた新規なMRI造影剤の開発である。本プロジェクトでは、最終的には、がんの超早期発見を可能に出来る造影剤の実用化に向けた臨床試験等に続ける前臨床前研究成果を挙げることである。がんの早期発見・早期治療の技術革新に加えて死因の第2から第3位の脳血管系あるいは心疾患系の循環器系の病気の早期発見の医療技術を革新し、死亡率を減少させる医用材料を開発する。
研究方法
第1ステージの1.研究開始、2.原料合成、3.DEN-OH合成及び各種のGd-DTPA-糖錯体、4.候補造影剤の評価と絞込、5.有効性(非臨床試験)、6.構造-活性相関解析、7.生体内分子認識、8.安全性試験、第2ステージの9.規格及び試験方法、10.臨床評価の項目の中で、平成21年度(第3年度)は主として6.から8.の項目の研究を行い、9.から10.の項目の予備的な研究を行う。
結果と考察
加水分解経路ではDEN-OHの再現性及びその反応条件の検討を行った。また非加水分解経路によりリンカーの検討、ターミナルの検討等を行い、様々なGd錯体を開発した。これらの新規な造影剤のin vitro評価を行った。DEN-OHは当該研究が目標としたGd-DTPA錯体のr1値の10倍(r1 = 35 [s-1・mM-1])には及ばないものの約8倍の値を与え得た。また、Gd-DTPA錯体、例えばGd-DTPA-XylDA-D-2Glc(OH)はr1値が約20 [s-1・mM-1]と大きく、目標値の約7倍の値を得た。安全性試験の結果では安全性に問題が無い事が報告された。
結論
平成21年度の研究により前臨床前試験の全てのデータの収集を行い、第1ステージの研究開発スキームにおけるゴールに到達した。安全性評価結果も問題が無く、加水分解経路における当該開発品DEN-OHはMRI造影剤としての機能(r1値ベース)を目標値の80%の進捗度を達成し、非加水分解経路における別途合成による糖デンドリマー型Gd-DTPA錯体はr1値ベースで約70%の進捗度であった。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-12-01
更新日
-

文献情報

文献番号
200912015B
報告書区分
総合
研究課題名
がんを安全・高感度で鮮明に画像化できるナノサイズシュガーボールデンドリマー型新規MRI造影剤の開発研究
課題番号
H19-ナノ・一般-015
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
山下 光司(国立大学法人 静岡大学 創造科学技術大学院)
研究分担者(所属機関)
  • 木村 元彦(静岡大学 工学部)
  • 田中 康隆(静岡大学 工学部)
  • 戸田 三津夫(静岡大学 工学部)
  • 阪原 晴海(浜松医科大学 医学部)
  • 竹原 康雄(浜松医科大学 医学部)
  • 藤江 三千男(浜松医科大学 実験実習機器センター)
  • 間賀田 泰寛(浜松医科大学 光量子医学研究センター)
  • 岡野 孝(東京慈恵会医科大学 医学部)
  • 三好 憲雄(福井大学 医学部)
  • 押川 達夫(沼津工業高等専門学校)
  • 本間 信行(静岡県工業技術研究所)
  • 掛澤 俊英(静岡県工業技術研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(ナノメディシン研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
研究の目的は、血管造影機能、臓器選択性・特異性、死因第1位のがん(特に、初期の小さながん)病巣造影機能を備えた新規なMRI造影剤の開発である。本プロジェクトでは、最終的には、がんの超早期発見を可能に出来る造影剤の実用化に向けた臨床試験等に続ける前臨床前研究成果を挙げることである。がんの早期発見・早期治療の技術革新に加えて死因の第2から第3位の脳血管系あるいは心疾患系の循環器系の病気の早期発見の医療技術を革新し、死亡率を減少させる医用材料を開発する。
研究方法
第1ステージの1.研究開始、2.原料合成、3.DEN-OH合成及び各種のGd-DTPA-糖錯体、4.候補造影剤の評価と絞込、5.有効性(非臨床試験)、6. 構造-活性相関解析、7. 生体内分子認識、8. 安全性試験の項目の研究を行う。また第2ステージの9. 規格及び試験方法、10. 臨床評価の項目の予備的な研究を行う。
結果と考察
3年間の研究結果は、(1)造影効果を示すin vitro評価のr1値は30 [s-1・mM-1]であり、マグネビスト(r1=3.5 [s-1・mM-1])と比較して、研究の進捗度は85%であった。(2)血管内貯留性は24時間であり、マグネビストの5分と比較して十分に長く、進捗度は100%であった。(3)広いImaging Windowを持つ血管造影を可能にするMRI造影剤としてのin vivo評価では、2時間以上に亘るMRAが実現でき、マグネビスト(5分)と比較して十分に長く、進捗度は100%であった。(4)1 mm以下の小さな初期がんの鮮明な画像化は、がん化ラットの幹細胞初期がんのin vivo評価で達成でき、進捗度は100%であった。
結論
研究の当初に設定した目標値の80%程度の進捗度により、研究目標を達成した。安全性試験結果も問題が見出されていない。当該研究により調製された加水分解ルート及び非加水分解ルートで開発された多くのGd-DTPA錯体誘導体MRI造影剤が今後の実用化・商品化に向けた研究開発の候補化合物あるいは標的化合物、またはリーディング化合物となり得る。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200912015C