少子化社会における保育環境のあり方に関する総合的研究

文献情報

文献番号
200901004A
報告書区分
総括
研究課題名
少子化社会における保育環境のあり方に関する総合的研究
課題番号
H19-政策・一般-017
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
民秋 言(白梅学園大学 子ども学部子ども学科)
研究分担者(所属機関)
  • 西村 重稀(仁愛大学 人間生活学部子ども教育学科)
  • 高野 陽(北陸学院大学 人間総合学部幼児児童教育学科)
  • 吉岡眞知子(東大阪大学 こども学部こども学科)
  • 成田 朋子(名古屋柳城短期大学 保育科)
  • 河野利津子(比治山大学 現代文化学部子ども発達教育学科)
  • 清水 益治(帝塚山大学 現代生活学部こども学科)
  • 千葉 武夫(聖和短期大学 保育科)
  • 森 俊之(仁愛大学 人間学部心理学科)
  • 川喜田昌代(玉成保育専門学校 保育科)
  • 鈴木 岩雄(名古屋芸術大学 人間発達学部子ども発達学科)
  • 水上 彰子(富山福祉短期大学 社会福祉学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
7,117,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 過去2年間のような人的・物的環境に関する研究の成果を踏まえて、さらに文献研究、実態調査及び比較調査を行い、保育環境のあるべき姿や専門職としての保育士の職務を検討し、「保育環境に関する基準」や「保育環境に関するチェックリスト」として提示することを目的とした。
研究方法
 文献調査では「望ましい保育環境づくりにかかる我が国の法的基準とその変遷」と「諸外国および我が国の基準や従来の研究」について調べた。実態調査・比較調査12では、全国の20分の1に相当する保育所(1095カ所)の保育士を対象に物的及び人的環境に対する実態と意識に関する調査を行った。また保育カタログを元に備品が占める床面積を調べた。さらに万歩計や加速度計を用いて、保育士の業務を分析した。
 実態調査・比較調査3では、全国の10分の1に相当する保育所(2194カ所)で管理職として働く園長あるいは主任が、児童福祉施設最低基準をどのように思っているのかについて調べた。
 実態調査・比較調査4では、全国域に散らばる公立保育所と私立保育所4カ所の全職員を対象に、一人一人の保育士が自らの保育が児童福祉施設最低基準等にそっているかどうかを確認するためのチェックリスト案を作成し、その検証を行った。
結果と考察
 文献調査からは、ア我が国の児童福祉施設最低基準(以下、「最低基準」)の変遷とその背景、イ諸外国には様々な基準があること、ウ我が国も新しい基準を策定しようと様々な取り組みが始まってきたことが明らかになった。

 実態調査および比較調査からは、いずれの年齢でも保育室が狭くなったり、保育士1人当たりの子どもの数が増えたりすると、子どもと保育士の行動にとってマイナスという反応が多いこと、現行の最低基準を規定する立場(国)とその内容の必要性は、共に保育の現場ではかなり受け入れられていること、保育士は最低基準の存在を認知しているが、内容によっては詳細を知らないこと、最低基準の中に位置づけられた保育所保育指針にそった保育が実施されているが、記録があるとは限らないことが明らかになった。
結論
 3つの結論が導かれた。
1児童福祉施設最低基準における保育所関連の基準は現行通りとする。
2保育所保育指針に基づく保育所における業務の記録様式を作成する必要がある。
3最低基準を意識した養成や研修で活用できるテキストや教材、さらにそれらのデータベースを作ることが望まれる。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-

文献情報

文献番号
200901004B
報告書区分
総合
研究課題名
少子化社会における保育環境のあり方に関する総合的研究
課題番号
H19-政策・一般-017
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
民秋 言(白梅学園大学 子ども学部子ども学科)
研究分担者(所属機関)
  • 西村重稀(仁愛大学 人間生活学部子ども教育学科)
  • 高野 陽(北陸学院大学 人間総合学部幼児児童教育学科)
  • 吉岡眞知子(東大阪大学 こども学部こども学科)
  • 成田 朋子(名古屋柳城短期大学 保育科)
  • 河野利津子(比治山大学 現代文化学部子ども発達教育学科)
  • 清水 益治(帝塚山大学 現代生活学部こども学科)
  • 佐藤 直之(京都女子大学短期大学部 初等教育学科)
  • 千葉 武夫(聖和短期大学 保育科)
  • 森 俊之(仁愛大学人間学部 心理学科)
  • 川喜田昌代(玉成保育専門学校 保育科)
  • 鈴木 岩雄(名古屋芸術大学 人間発達学部 子ども発達学科)
  • 水上 彰子(富山福祉短期大学 社会福祉学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 我が国の認可保育所における保育環境の実態を明らかにした上で、そのあるべき姿を提言することを目的とした。
研究方法
 平成19年度は、文献調査として保育環境の歴史、保育環境に関する先行研究を調べた。実態・比較調査としては、保育環境の全国調査(質問紙)、保育環境の状況調査(抽出調査)、保育室の広さを操作した上での観察・聞き取り調査、子どもと保育士の保育中の歩数・走数の分析を行った。平成20年度は、文献調査として諸外国にみる様々な人的配置の基準、我が国の人的配置基準の歴史的背景を調べた。実態・比較調査としては、保育士の業務に関する実地・観察調査(VTR・加速度センサー)、人的環境に関する全国質問紙調査を行った。平成21年度は、文献調査として望ましい保育環境づくりにかかる我が国の法的基準とその変遷、諸外国および我が国の基準や従来の研究を調べた。実態・比較調査としては、物的環境に関する調査(質問紙調査・カタログによる調査)、人的環境に関する調査(質問紙調査・万歩計調査・加速度センサー調査)、児童福祉施設最低基準に関する全国調査(質問紙)、保育環境にかかるチェックリスト案の作成と検証(質問紙)を行った。
結果と考察
 ア保育の環境にかかる我が国の法的基準とその変遷、イ諸外国の基準、ウ従来の研究、エ保育所における人的環境と物的環境の実態と最低基準が変わることの影響、オ最低基準の存在とその必要性に対する園長や主任の認知、カ最低基準に対する保育士の知識と保育所保育指針に基づく保育の実施状況、が明らかになった。
結論
 8つの結論が導かれた。
1児童福祉施設最低基準における保育所関連の基準は、物的基準、人的基準共に現行通りが望ましい。
2改定保育所保育指針に基づく業務内容の妥当性等を分析する必要がある。
3保育士のあらゆる業務内容をマニュアル化する必要がある。
4業務内容のプロセス評価の基準を検討する必要がある。
5保育士の業務遂行にかかるチェックリストを作成する必要がある。
6業務内容に応じた養成・研修のカリキュラムを構築する必要がある。
7保育所保育指針に基づく保育所における業務の記録様式を作成する必要がある。
8最低基準を意識した養成や研修で活用できるテキストや教材、さらにそれらのデータベースを作ることが望まれる。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200901004C