地域における健康危機管理におけるボランティア等による支援体制に関する研究

文献情報

文献番号
200840022A
報告書区分
総括
研究課題名
地域における健康危機管理におけるボランティア等による支援体制に関する研究
課題番号
H19-健危・一般-007
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
尾島 俊之(浜松医科大学 医学部健康社会医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 岩室 紳也(地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター)
  • 鳩野 洋子(九州大学大学院医学研究院保健学部門看護学分野地域・精神看護学)
  • 早坂 信哉(浜松医科大学 医学部健康社会医学講座)
  • 堀口 逸子(順天堂大学医学部公衆衛生学)
  • 三輪 眞知子(静岡県立大学看護学部)
  • 洙田 靖夫(川崎重工業株式会社播磨工場 健康推進センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
3,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 健康危機管理におけるボランティア活動の安全衛生や効果的な活動に関する現状及び課題と解決方策を明らかにし、研究成果を普及することにより、行政・関係機関・住民等がより確実に健康危機に対応できることに資することが目的である。
研究方法
 全国調査として、全市区町村から1/2抽出し、市区町村の自主防災組織担当部局(自主防)及び社会福祉協議会ボランティア活動担当者(社協)を対象として、郵送調査を行った。
 柏崎市での町内会長調査として、新潟県中越沖地震発災時の全町内会長を対象に、被災地外からのボランティアとの協働等に関する郵送調査を行った。
 昨年度に作成した地区組織の健康危機対応支援ツール試作版の妥当性に関する調査を行った。
 その他、原子力災害時のボランティア活動、災害廃棄物処理、平常時の健康づくりや介護予防等の活動が災害を含めた多分野の活動と協働している事例、難病患者へのボランティア支援やその他の災害準備状況について、インタビュー調査等を行った。
 啓発ツールとして、クロスロードの災害ボランティア編の開発と試行等を行った。
結果と考察
 災害ボランティア活動の安全衛生について、全国調査によると自主防災組織の活動中における病気の発生の報告は2%の市町村のみで、46%は不明との回答であった。自主防災組織への安全衛生に関する研修について86%が実施無し、一方で、保健医療専門職の助言・支援が必要とする回答は68%に上った。
 自主防災組織と被災地外からの災害ボランティアの協働については、柏崎市町内会長調査によると、多くの町内会で町民と外からのボランティアとの協働活動が行われ、その内容としては、ごみの整理・収集・搬出、家の中の片付け等が多かった。一方で、全国調査によると、市区町村自主防災組織担当部局と社会福祉協議会の連携は、十分には行われていないと考えられた。
 新型インフルエンザへの対応については、検討を行っている市町村はごくわずかであった。
 普及啓発ツール等の開発に関しては、前年度に試作した地区組織の健康危機対応支援ツールについて、内容等の妥当性の調査を行ったところ、概ね妥当であるとの評価が得られた。ゲーミング・シミュレーションであるクロスロード災害ボランティア編を開発した。研究成果は研究班ホームページ等により普及を行った。
結論
 保健医療関係者は、ボランティアとの協働、ボランティアの安全衛生に関する支援等をより強化すべきである。

公開日・更新日

公開日
2009-04-24
更新日
-