土砂崩壊防止のための対策工に関する研究

文献情報

文献番号
200836007A
報告書区分
総括
研究課題名
土砂崩壊防止のための対策工に関する研究
課題番号
H20-労働・一般-001
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
日下部 治(東京工業大学大学院理工学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 竹村次朗(東京工業大学大学院理工学研究科 )
  • 高橋章浩(東京工業大学大学院理工学研究科 )
  • 井澤 淳(東京工業大学大学院理工学研究科 )
  • 豊澤康男(労働安全衛生総合研究所建設安全研究グループ)
  • 伊藤和也(労働安全衛生総合研究所建設安全研究グループ)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
7,410,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は,工事中の土砂崩壊災害を防止するため,中小規模の掘削工事に特化した対策工の基本概念および最適設計手法を提案し,安全に掘削工事を行える工法の開発または高度化を図ることを目的としている。



研究方法
本研究では,特に以下の3項目について研究を行う。
(1) 災害事例および土砂崩壊防止対策に関する設計手法の調査
(2) 土砂崩壊防止のための対策工の各種要因の影響評価
(3) 土砂崩壊防止のための対策工に関する最適設計手法の提案
これらの項目について,災害事例の調査,土砂崩壊防止対策に関する設計事例の調査および切土掘削工事による斜面崩壊を防止する対策工に関する遠心実験、溝掘削工事における対策工の各種要因評価のための遠心実験を行った。
結果と考察
【斜面崩壊による労働災害事例のデータベース化】
災害事例収集の努力を行い,系統的な災害事例情報のデータベース化と災害事例の類型化を試みた。

【斜面の安定性に関する斜面高さと勾配の安定性評価】
切土掘削工事における国内の各機関で用いられている掘削勾配に関する規制・設計基準類を整理するとともに,仮設時に最低限遵守すべき基準である労働安全衛生規則について,その制定の背景および土質力学視点から理論的背景を検討した。

【砂からなる切土斜面の安定性に及ぼす降雨の影響】
死亡事故現場が多い斜面高さと勾配を対象に遠心場における降雨実験を行い切土斜面変形と崩壊に関する時系列把握を行った。

【遠心場掘削シミュレータの開発】
遠心場実験を用いた溝掘削,切土掘削のシミュレーションのために掘削施工過程の忠実な再現が望まれるが,今回3次元掘削シミュレータの開発を行い,設計コンセプトを紹介するとともに試作品の操作性能試験結果を取りまとめた。
結論
当該年度では,労働災害が多く発生している中小規模掘削工事に特化した土砂崩壊防止のための対策工について,「災害事例および土砂崩壊防止対策に関する設計手法の調査」として①災害事例の調査,②土砂崩壊防止対策に関する設計事例の調査,「土砂崩壊防止のための対策工の各種要因の影響評価」として③切土掘削工事による斜面崩壊を防止する対策工に関する遠心模型実験,④溝掘削工事における対策工の各種要因の影響評価のための遠心模型実験を行った。
今年度実施した研究成果により,
1) 斜面崩壊による労働災害事例のデータベースの公開
2) 斜面安定性に関する斜面高さと勾配の安定性評価の公開
が行えるようになった。
以上の成果については,次年度以降に継続的に検討を行い,成果を一般に公表・活用できるように努める。

公開日・更新日

公開日
2009-06-23
更新日
-