文献情報
文献番号
200836002A
報告書区分
総括
研究課題名
非石綿ガスケットの高温密封性能の評価と試験方法の開発
課題番号
H18-労働・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
辻 裕一(東京電機大学 工学部)
研究分担者(所属機関)
- 本田 尚((独)労働安全衛生総合研究所・産業安全研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
8,502,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
各種プラントの配管継手や機器フランジに多用されているガスケットは,石綿含有製品製造等の禁止の適用が例外的に猶予されていたが,現在では課題が残るものの代替製品によるガスケットの完全非石綿化は最終段階にある.非石綿ガスケットへの代替化促進の鍵は,プラント運転時の高温における長期間のガスケットの性能・品質に関する信頼性データの収集・提供である.
本研究では,標準的な高温ガスケット密封性能試験法の開発・規格化を進める.試験結果を利用し,フランジ継手からの微少漏洩及び寿命を管理するための最適なガスケット係数の表示方法を検討し,代替品選択のための情報提供を中立研究機関の立場から行う.
本研究では,標準的な高温ガスケット密封性能試験法の開発・規格化を進める.試験結果を利用し,フランジ継手からの微少漏洩及び寿命を管理するための最適なガスケット係数の表示方法を検討し,代替品選択のための情報提供を中立研究機関の立場から行う.
研究方法
開発してきた高温ガスケット密封性能試験方法を団体規格として原案を作成し規格制定手続きを進める.この試験法は,実際のプラント運転状況を想定しているところに特徴がある.一方,高温下における非石綿ガスケットの寿命予測を目的に,ガスケットの高温クリープ特性への3次元粘弾性モデルの適用を進めてきたが,さらに非石綿ジョイントシートガスケットの常温クリープの評価,非石綿ジョイントシートガスケットの高温接面漏洩特性の評価を行なう.
結果と考察
高温ガスケット試験方法はHPIS Z 105「高温における管フランジ用ガスケットの密封特性試験方法」として制定手続きを進めている.本試験方法に基づき,ガスケットメーカ各社の代表的な高温用非石綿シートガスケットについて120℃,180℃,260℃における高温密封性能データを系統的に収集した.
ガスケットのクリープ挙動は,3次元粘弾性モデルおよび有限要素解析により精度よく表せる.ガスケットの寿命を内部流体の漏洩と定義すれば,締付圧の低下から非石綿ガスケットの寿命予測が可能である.ガスケットの漏洩特性の評価にパーコレーション理論を適用した.ボイドの面積分率が臨界浸透面積分率に達するまでの時間としてガスケットの高温寿命を推定した.
ガスケットのクリープ挙動は,3次元粘弾性モデルおよび有限要素解析により精度よく表せる.ガスケットの寿命を内部流体の漏洩と定義すれば,締付圧の低下から非石綿ガスケットの寿命予測が可能である.ガスケットの漏洩特性の評価にパーコレーション理論を適用した.ボイドの面積分率が臨界浸透面積分率に達するまでの時間としてガスケットの高温寿命を推定した.
結論
高温ガスケット試験法を開発し,規格原案を作成し規格制定手続きを進めた.高温用非石綿シートガスケットの高温密封性能データを系統的に収集した.一方,ガスケットの高温寿命予測に関しては,3次元粘弾性モデルのひずみ-時間関係に基づく有限要素解析による方法,ならびにパーコレーション理論を適用する方法を示した.
公開日・更新日
公開日
2009-06-23
更新日
-