新歯科医師臨床研修制度の評価に関する調査研究

文献情報

文献番号
200835034A
報告書区分
総括
研究課題名
新歯科医師臨床研修制度の評価に関する調査研究
課題番号
H19-医療・一般-009
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
俣木 志朗(国立大学法人 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 秋山仁志(日本歯科大学歯学部附属病院)
  • 新田 浩(国立大学法人 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 )
  • 平田 創一郎(東京歯科大学社会歯科学研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
5,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 歯科医師臨床研修が、平成18年度より必修化された。新歯科医師臨床研修制度における3年目の修了時期にあたり、今後、本制度の運用、改善に向けた見直しを行うためには、新制度の現況をさまざまな側面から経年的に調査し、新制度の有効性、効率性を評価することが必要である。本年度は平成18年度および19年度の研究成果を踏まえ、指導歯科医のメンタルヘルスに関する調査を加えて、昨年度とほぼ同様の調査項目で研究を行った。
研究方法
歯科医師臨床研修プログラム検索サイトD-REISに登録された平成20年度の歯科医師臨床研修施設の施設長宛に、今回の「新歯科医師臨床研修制度の評価に関する調査研究」でのアンケート調査協力の依頼状を送付した。単独型および管理型臨床研修施設長には、各施設の研修歯科医に対して、アンケート調査協力の依頼状を送付した。調査期間は平成21年2月12日から3月10日までとした。調査項目は、研修内容・研修効果、研修歯科医および指導歯科医のメンタルヘルス、研修歯科医の分布状況、中断・休止・再開事例の検討である。
結果と考察
本研究の結果、新歯科医師臨床研修制度の歯科医師の資質向上への貢献度に関しては、研修歯科医から72.6%、単独型・管理型施設からは90.7%、および協力型施設からは91.3%の肯定的評価(「貢献した」「少しは貢献した」)の回答を得た。メンタルヘルスに関する研究では、研修歯科医および指導歯科医いずれも健康問題がおきるリスクはほぼ標準的な全国レベルであり、研修歯科医では46%が、指導歯科医では34%が「抑うつ状態」である可能性が示された。研修歯科医の全国的な在籍分布状況について、すべての研修プログラムを対象に調査を行った結果、平成20年度に1年目の研修歯科医の総数は2294名であった。月平均の都道府県ごとの研修歯科医数は、最大が東京都で353.1名(15.6%)、最小が福井県の1.5名(0.1%)であった。平成21年1月現在で休止例は7例、中断例は25例、再開例は15例であった。
結論
研修歯科医および指導歯科医から、歯科医師臨床研修制度は、歯科医としての資質の向上に貢献しているとの肯定的評価が得られた。必修化3年目における指導歯科医のメンタルヘルスに関する調査の結果、指導歯科医の34%が「抑うつ状態」である可能性があることが示唆された。今後は指導歯科医に対するストレスマネージメントについて検討も必要となろう。総研修歯科医数は減少したにも関わらず、中断・休止例が増加傾向にあることから、採用時のマッチングや群内マッチング及び研修実施中の指導等により一層の配慮が必要と考えられた。  

公開日・更新日

公開日
2009-06-25
更新日
-