笑顔を引き出すテレビ電話を使った遠隔医療と在宅高齢者を支援するユビキタスコミュニケーションの効果に関する研究

文献情報

文献番号
200835025A
報告書区分
総括
研究課題名
笑顔を引き出すテレビ電話を使った遠隔医療と在宅高齢者を支援するユビキタスコミュニケーションの効果に関する研究
課題番号
H18-医療・一般-030
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
古城 幸子(公立大学法人 新見公立短期大学 看護学科)
研究分担者(所属機関)
  • 杉本 幸枝(公立大学法人 新見公立短期大学 看護学科)
  • 金山 時恵(公立大学法人 新見公立短期大学 看護学科)
  • 木下 香織(公立大学法人 新見公立短期大学 看護学科)
  • 栗本 一美(公立大学法人 新見公立短期大学 看護学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、ブロードバンド回線の普及していない中山間地域において、広域情報通信ネットワークを基盤としたコミュニケーションシステムの効果を検証し、地域住民の健康の保持、安心感を提供することに寄与する。
研究方法
1.在宅医療療養者支援:携帯型通信端末機を使用して、療養者宅と医療機関等を結ぶ実証実験を行った。2.高齢者・壮年者支援:メタボリックシンドローム対策として「メタボねっと」のシステムを構築するための検証を行った。3.在宅高齢者ニード支援:県内の高齢者30名に対して、医療・生活ニーズについての質問紙調査を行った。4.集団医療支援:ICTを活用した集団リハビリテーションや集団健康教室の実証実験を行った。
結果と考察
1.在宅医療療養者支援:携帯型通信端末機の効果と問題点を検証した。在宅療養者及び
リハビリテーション療養者に質問紙調査を行ったところ、高齢者および家族介護者・医
療機関・訪問看護師・理学療法士などにとって、効果が高いことが明らかになった。
2.高齢者・壮年者支援:高齢者を対象とした「新見まごころネット」はインターネット
を利用した健康相談・介護予防システムで、2003年から継続している。またメタボリック
シンドローム対策として「新見メタボねっと」のシステムを構築した。
3.在宅高齢者ニーズ支援:県内の高齢者の医療・生活ニーズについて質問紙調査を行っ
た。その結果、高齢者は交通費の負担や介護不安が大きく、家族介護者は体調不良者が多
いことが明らかになった。
4.集団医療支援システム:ICTを活用した集団リハビリテーションや集団健康教室の実
証実験を行った。その結果、受動的な健康教室指導では否定的であったが、参加型レクレ
―ションについては肯定的であった。
結論
在宅療養者支援では携帯型通信端末機を利用する協力療養者及び協力医療機関が徐々に
増えている。今後は全戸に開通する光ファイバーを利用した実証実験を行う。また、新見
まごころネットは今後も利用者を増加させ、利用者にとってより活用しやすいものに改良
していく。新見メタボねっとは、今後システムの効果と問題点を明らかにし、改善が必要
である。
 

公開日・更新日

公開日
2009-05-15
更新日
-

文献情報

文献番号
200835025B
報告書区分
総合
研究課題名
笑顔を引き出すテレビ電話を使った遠隔医療と在宅高齢者を支援するユビキタスコミュニケーションの効果に関する研究
課題番号
H18-医療・一般-030
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
古城 幸子(公立大学法人 新見公立短期大学 看護学科)
研究分担者(所属機関)
  • 杉本幸枝(公立大学法人 新見公立短期大学 看護学科 )
  • 金山時恵(公立大学法人 新見公立短期大学 看護学科 )
  • 木下香織(公立大学法人 新見公立短期大学 看護学科 )
  • 栗本一美(公立大学法人 新見公立短期大学 看護学科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、ブロードバンド回線の普及していない中山間地域において、広域情報通信ネットワークを基盤としたコミュニケーションシステムの効果を検証し、地域住民の健康の保持、安心感を提供することに寄与する。
研究方法
1.在宅医療療養者支援:携帯型通信端末機を使用して、療養者宅と医療機関等を結ぶ実証実験を行った。2.高齢者・壮年者支援:メタボリックシンドローム対策として「メタボねっと」のシステムを構築するための検証を行った。3.在宅高齢者ニード支援:県内の高齢者502名および家族に対して、医療・生活ニーズについての質問紙調査を行った。4.集団医療支援:ICTを活用した集団リハビリテーションや集団健康教室の実証実験を行った。
結果と考察
1.在宅療養者支援:携帯型通信端末機を使用した実証実験を行い、システムの効果と問題点を明らかにした。実証実験は、2006~2008年度計52回行った。2007年度日本遠隔医療学会のなかで、通信実験を行い、高品質な映像、リアルな映像を提供し会場の関心を集めた。また、リハビリ療養者に質問紙調査を行ったところ、高齢者・家族介護者・医療機関・訪問看護師にとって、効果が高いことが明らかになった。しかし、理学療法士の満足度は低くが家庭でのフォローアップに活用できることが確認された。2.高齢者・壮年者支援「新見メタボねっと」である。メタボリックシンドローム予防・悪化予防のための健康・生活チェックとメールによる健康相談、メタボ率などの情報提供を行う。現在は試行段階で、メタボねっと利用者へ計測機器を貸し出し、本格運用を行った。3.在宅高齢者ニーズ支援:訪問看護を利用している高齢者とその家族介護者に医療・生活ニーズについて質問紙調査を行った。その結果、1人暮らしおよび夫婦世帯は66.7%を占め、家族介護者も後期高齢者が半数を占めていた。また、高齢者は交通費の負担や介護不安が大きく、家族介護者は体調不良者が多く、遠隔医療の必要性が明らかになった。4.集団医療支援システム:ICTを活用した集団リハや集団健康教室の実証実験を行った。その結果、受動的な健康教室指導では否定的であったが、参加型レクレーションについては肯定的であった。高齢者を対象とした実証実験では臨場感ある指導ができ、実用の可能性が示唆された。
結論
4つの取り組みは、いずれも地域高齢者に加え、介護する家族や支える壮年者への遠隔医療の可能性について検討している。中山間地域では高齢者の1人暮らしや老老介護の実態が明らかになり、遠隔医療支援システムの効果は大きい。

公開日・更新日

公開日
2009-05-13
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200835025C