難治性疾患の医療費構造に関する研究

文献情報

文献番号
200834057A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性疾患の医療費構造に関する研究
課題番号
H20-難治・一般-042
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
荻野 美恵子(北里大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 松田 晋哉(産業医科大学公衆衛生学)
  • 荒井 耕(一橋大学大学院商学研究科)
  • 渡辺 守(東京医科歯科大学消化器内科)
  • 川合 眞一(東邦大学医学部内科学講座(大森)膠原病科)
  • 鈴木 則宏(慶應義塾大学医学部神経内科)
  • 服部 信孝(順天堂大学医学部神経学講座)
  • 中島 孝(独立行政法人国立病院機構新潟病院)
  • 美原 盤((財)脳血管研究所附属美原記念病院神経内科)
  • 伊藤 道哉(東北大学大学院医学系研究科)
  • 伏見 清秀(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科)
  • 川島 孝一郎(仙台往診クリニック)
  • 西澤 正豊(新潟大学脳研究所臨床神経学部門神経内科学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
23,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
特定疾患治療研究事業のうち、患者にかかる医療費に関する分析的研究を行い、本事業が患者の生活にどのように反映されているのかをも分析することにより、患者支援における医療費の公費負担制度のありかたを検討する資料となることを目的とする。
研究方法
1.難治性疾患の医療費構造を研究する目的、意義、社会的影響に関する検討2.特定疾患の医療費調査の方法論の検討および現状把握3.全体調査計画および全体調査にむけての倫理的対処4.限定した特定疾患を用いたパイロットスタディ5.保険者情報の検討6.各研究分担者による研究主旨にそってこれまで把握しているデータ、新たに行った患者調査、DPCデータを用いた解析。
結果と考察
1.班研究開始年度であり、今後の調査の進め方や方法論、問題点を検討。医療費の使われ方の現状把握について優先的に研究を行うとした。2.受療状況データブック・特定疾患受給者証から推計。病名マスター,ICD10対応表を独自に作成。他研究班との整合性を検証し、精緻化する予定。電子レセプト情報からEFファイルと対応させるための交換ソフトの開発の委託。今度、データベース化し、解析予定。3.精緻化したデータを得るために診断確実な症例数おける連結可能匿名化による情報収集を行うため北里大学での倫理委員会の承認を得た。現在班員の医療機関においても申請中。4.厚労省から依頼されたH19年11月の社会保険診療報酬支払基金医療行為および入院・外来別データを疾患ごとの総医療費として分析。外来医療費では1000点以下が多く、外来医療費平均値ではライソゾーム病が突出して高額。協力を得られた3大学病院のH20年7?10月のDPC抽出データの解析では施設毎にパターンが異なり、今後の解析の課題となった。5.社会保険診療報酬支払基金および国民健康保険中央会を対象に保険者のもっているレセプトデータを一部、入手。解析は次年度に施行予定。6.患者調査に基づくフィールド調査を行い、今後の調査研究の進め方に示唆に富む内容であった。

結論
難治性疾患における医療費構造研究は今後の医療政策を考える上で重要であり、偏りのない実際に役立つ解析を行う必要がある。しかし、そのデータ収集は困難を極めることが予想され、できるだけ全体像が把握できるべく網羅的かつ精緻なデータ収集の努力が必要である。今後さらにデータ収集を重ねていくと共に分析を進め、継続的に解析することが必要である。

公開日・更新日

公開日
2009-04-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-12-11
更新日
-