びまん性肺疾患に関する調査研究

文献情報

文献番号
200834038A
報告書区分
総括
研究課題名
びまん性肺疾患に関する調査研究
課題番号
H20-難治・一般-023
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
杉山 幸比古(自治医科大学 医学部内科学講座呼吸器内科学部門)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 弘毅(札幌医科大学 内科学第三講座)
  • 海老名 雅仁(東北大学 大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器病態学分野)
  • 棟方 充(公立学校法人福島県立医科大学 医学部呼吸器内科講座)
  • 稲瀬 直彦(東京医科歯科大学 医学部附属病院呼吸器内科)
  • 江石 義信(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科器官システム制御学系専攻 消化代謝病学講座人体病理学分野)
  • 松島 綱治(東京大学 大学院医学系研究科分子予防医学)
  • 吾妻 安良太(日本医科大学 内科学講座呼吸器・感染・腫瘍部門)
  • 福田 悠(日本医科大学 病理学講座解析人体病理学)
  • 本間 栄(東邦大学 医学部医学科内科学講座(大森)呼吸器内科)
  • 萩原 弘一(埼玉医科大学 医学部呼吸器内科)
  • 酒井 文和(埼玉医科大学 国際医療センター共通部門画像診断科)
  • 千田 金吾(浜松医科大学 内科学第二講座)
  • 伊達 洋至(京都大学 大学院医学研究科器官外科学講座呼吸器外科学)
  • 井上 義一(国立病院機構近畿中央胸部疾患センター 呼吸不全・難治性肺疾患研究部)
  • 河野 修興(広島大学 大学院医歯薬学総合研究科分子内科学)
  • 西岡 安彦(徳島大学 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部呼吸器・膠原病内科学分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
肺野全体に陰影の広がるびまん性肺疾患の中には、いまだに原因が不明で予後の悪い疾患が含まれている。これらの疾患の中で、特発性間質性肺炎、サルコイドーシス、びまん性汎細気管支炎・狭窄性細気管支炎について、疫学;病態を研究することにより、新しい治療法に結びつけ、これらの難病に苦しむ国民の治療・QOL改善を目的とする。
研究方法
1.特発性間質性肺炎(IIPs)
(1)疫学的研究
 臨床調査個人票を用いて全国調査を行うとともに、すべての重症度の患者がもれなく登録される北海道について詳細な検討を行い、日本全体としての患者数の推定を行う。前回の班から行われている患者のWEB登録制をさらに進め、臨床像の把握へとつなげる。
(2)急性増悪の素因の検討
 急性増悪をおこした患者、薬剤障害をおこした患者のサンプルを全国から収集し、これを埼玉医大で遺伝子解析(SNP解析)を行い、素因について遺伝子の面から検討する。
(3)新しい治療法の検討
 抗線維化薬ピルフェニドンの効果とPMXカラムの効果を検討し、適正な使用法の確立を目指す。
(4)間質性肺炎合併肺癌の治療指針
 手術時、化学療法時の問題について、アンケートを含め調査し、指針を作成する。
2.サルコイドーシス、DPB・BO
 サ症では治療抵抗性の難治例の検討を行い、DPB・BOでは遺伝子の面、臨床像の面から検討する。
結果と考察
1(1)北海道の調査によりIIPsの有病率が10万対11.8であることが判明し、初めてほぼ正確な日本全体での有病率を示すことができた。
(2)すでに、各群10例程度のサンプルが収集され、埼玉医大でのSNP解析がスタートした。これにより急性増悪の遺伝子面での解析、薬剤障害との関係の解明が期待される。
(3)WEB登録システムにピルフェニドンを入れ、今後症例の集積を通して、本剤の適正使用法を解明する。PMXカラムについても今までの例の解析を終了した。
(4)アンケート解析を終了し、6月の呼吸器学会にてシンポジウムを行い、指針案の作成を目指す。
結論
IIPs、サルコイドーシスを中心に、これら難病の治療に結びつく研究をさらに推進する。

公開日・更新日

公開日
2009-06-11
更新日
-