文献情報
文献番号
200834027A
報告書区分
総括
研究課題名
アミロイドーシスに関する調査研究
課題番号
H20-難治・一般-012
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
山田 正仁(金沢大学 医薬保健研究域医学系)
研究分担者(所属機関)
- 池田 修一(信州大学医学部内科学（脳神経内科、リウマチ・膠原病内科）)
- 樋口 京一(信州大学医学系研究科加齢適応医科学系加齢生物学分野)
- 玉岡 晃(筑波大学大学院人間総合科学研究科・疾病制御医学専攻)
- 高市 憲明(虎の門病院腎センター)
- 山田 俊幸(自治医科大学臨床検査部)
- 前田 秀一郎(山梨大学大学院医学工学総合研究部生化学講座第１教室)
- 内木 宏延(福井大学医学部医学科病因病態医学講座分子病理学領域)
- 今井 裕一(愛知医科大学内科学講座（腎臓・膠原病内科）)
- 島崎 千尋(京都府立医科大学大学院医学研究科血液・腫瘍内科学)
- 吉崎 和幸(大阪大学先端科学イノベーションセンター)
- 東海林幹夫(弘前大学大学院医学研究科附属脳神経血管病態研究施設脳神経内科学講座)
- 麻奥 英毅(広島赤十字・原爆病院検査部)
- 河野 道生(山口大学医学系研究科細胞シグナル解析学)
- 奥田 恭章(道後温泉病院リウマチセンター内科)
- 安東由喜雄(熊本大学大学院医学薬学研究部病態情報解析学分野)
- 中里 雅光(宮崎大学医学部内科学講座神経呼吸内分泌代謝学分野)
- 工藤 幸司(東北大学未来医工学治療開発センター前臨床応用部門)
- 水澤 英洋(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科脳神経病態学)
- 星井 嘉信(山口大学大学院医学系研究科情報解析医学系病理形態学分野)
- 西 慎一(新潟大学医歯学総合病院血液浄化療法部)
- 畑 裕之(熊本大学医学部附属病院血液内科)
- 松井 高峯(帯広畜産大学畜産学部獣医学科・病態獣医学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
29,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書（概要版）
研究目的
病型毎の戦略及び全病型に共通する基盤的研究により、治療プロトコールを確立し、新規診断治療法を開発する。
研究方法
１）ALアミロイドーシス：新規治療プロトコールの開発、既存治療の最適化を行った。
２）AAアミロイドーシス：抗サイトカイン療法を検討し、IL-6受容体抗体臨床試験を推進した。
３）FAP：肝移植治療の長期的有効性の検討、非移植治療開発を行った。
４）透析アミロイドーシス：透析における本症合併リスク解析、モデル動物開発を行った。
５）脳アミロイドーシス：アミロイドβ蛋白（Aβ）産生・凝集機構解析、制御法開発を行った。
６）全病型に共通する基盤的研究及びその他のアミロイドーシス：アミロイド画像化、アミロイドによる本症発症促進現象（“伝播”）、老人性全身性アミロイドーシス（SSA）の疫学を検討した。
２）AAアミロイドーシス：抗サイトカイン療法を検討し、IL-6受容体抗体臨床試験を推進した。
３）FAP：肝移植治療の長期的有効性の検討、非移植治療開発を行った。
４）透析アミロイドーシス：透析における本症合併リスク解析、モデル動物開発を行った。
５）脳アミロイドーシス：アミロイドβ蛋白（Aβ）産生・凝集機構解析、制御法開発を行った。
６）全病型に共通する基盤的研究及びその他のアミロイドーシス：アミロイド画像化、アミロイドによる本症発症促進現象（“伝播”）、老人性全身性アミロイドーシス（SSA）の疫学を検討した。
結果と考察
１）ALアミロイドーシス：ボルテゾミブ、メルファラン、デキサメタゾン併用新規治療プロトコールによる全国多施設臨床試験（H20-22）を開始し、大量メルファラン＋自家末梢血幹細胞移植療法の適応と有用性を明らかにした。
２）AAアミロイドーシス：抗サイトカイン療法ではIL-6受容体抗体トシリズマブが特に優れており、本剤による世界初のAA全国多施設臨床試験（H19-22）が順調に進行した。
３）FAP：肝移植治療後の長期経過例ではアミロイド沈着は全身的に減少するが、心臓では沈着が増加した。アミロイド線維形成抑制作用を有する治療薬候補シクロデキストリンを見出した。
４）透析アミロイドーシス：血液透析よりも腹膜透析が高リスクであること、アミロイド形成促進作用を有するリゾリン脂質と骨嚢胞病変との関連を示し、β2-m高発現動物モデル研究が進行した。
５）脳アミロイドーシス：酸化ストレスや脂質代謝異常がAβ産生や凝集を促進すること、アンジオテンシン受容体拮抗薬がAβ産生抑制作用を、抗パーキンソン病薬関連化合物がAβ、αシヌクレイン凝集抑制作用を有することを示した。
６）全病型に共通する基盤的研究及びその他のアミロイドーシス：モデル動物におけるアミロイド画像化に成功後、ヒトの臨床研究に進んだ。本症の“伝播”が起こる条件を明確にした。SSAが加齢に伴い増加することを示した。
２）AAアミロイドーシス：抗サイトカイン療法ではIL-6受容体抗体トシリズマブが特に優れており、本剤による世界初のAA全国多施設臨床試験（H19-22）が順調に進行した。
３）FAP：肝移植治療後の長期経過例ではアミロイド沈着は全身的に減少するが、心臓では沈着が増加した。アミロイド線維形成抑制作用を有する治療薬候補シクロデキストリンを見出した。
４）透析アミロイドーシス：血液透析よりも腹膜透析が高リスクであること、アミロイド形成促進作用を有するリゾリン脂質と骨嚢胞病変との関連を示し、β2-m高発現動物モデル研究が進行した。
５）脳アミロイドーシス：酸化ストレスや脂質代謝異常がAβ産生や凝集を促進すること、アンジオテンシン受容体拮抗薬がAβ産生抑制作用を、抗パーキンソン病薬関連化合物がAβ、αシヌクレイン凝集抑制作用を有することを示した。
６）全病型に共通する基盤的研究及びその他のアミロイドーシス：モデル動物におけるアミロイド画像化に成功後、ヒトの臨床研究に進んだ。本症の“伝播”が起こる条件を明確にした。SSAが加齢に伴い増加することを示した。
結論
新規治療プロトコール策定と臨床試験の実施、新規診断法・予防治療法開発研究に成果をあげた。
公開日・更新日
公開日
2009-04-15
更新日
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