病原体保管、輸送、廃棄における一括管理システムの開発

文献情報

文献番号
200829002A
報告書区分
総括
研究課題名
病原体保管、輸送、廃棄における一括管理システムの開発
課題番号
H18-新興・一般-003
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
篠原 克明(国立感染症研究所 バイオセーフティ管理室)
研究分担者(所属機関)
  • 倉田 毅(富山県衛生研究所)
  • 駒野 淳(国立感染症研究所 エイズ研究センター)
  • 高田 礼人(北海道大学 人獣共通感染症リサーチセンター)
  • 小暮 一俊(日立アプライアンス株式会社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
67,950,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
感染症法が改正、施行されたが、バイオセーフティ及びバイオセキュリティの管理と運用に関する管理体制の整備は未だ不十分である。本研究では、病原体取扱いにおけるトレーサービリティを一括管理する為に必要な各種機器、装置と総合管理ソフトを新らたに開発する。その成果を基に、国内標準化及び国際的に通用するバイオセーフティとバイオセキュリティを統合した管理システムの構築を目指す。
研究方法
個体識別技術を用い、病原体の取扱いを詳細に管理する情報収集システム及び情報管理システムを構築する。具体的には、試料容器一本単位において、内容物情報をタグ(バーコード、IC)に記録、書換え、アップデートし、その履歴を自動的かつリアルタイムでデータベースに送付して集中管理する。また、使用病原体と機器、防護具などのマッチング並びに滅菌処理効果の判定等のバイオハザード対策を同時に実践できるシステムとする。
結果と考察
試作した情報収集、伝達、管理装置及び管理ソフトの改良を行い、システム全体の性能と整合性について検証した。
1.関連情報の調査と一括管理システムフローの作成。
2.システム運用用容器及び情報伝達機能付冷凍庫の改良及び検証。
3.情報収集、伝達、データー管理装置の性能評価。
4.情報管理ソフトの改良、整合性評価。
5.病原体輸送管理システム用機器、器具の検討及び輸送試験。
6.システム全体の運用試験。
その結果、病原体取扱いにおけるトレーサービリティを一括管理する各種機器、装置及びそれらの情報を管理、運用する試作ソフトの基本性能は確保できた。現時点において、病原体保管、輸送、廃棄を一括管理するシステムのプロトタイプ(仮称ICBSシステム)は完成した。今後、汎用性、コストパフォーマンスなどについて検証と更なる改良が必要と思われる。
結論
1.病原体の管理システムは、国内並びに国際的な協調が必要である。
2.システム構築の為の機器、装置及び運用ソフトの改良と検証を行った。
3.開発した装置、ソフトの運用試験を行った。
4.病原体保管、輸送、廃棄を一括管理するシステムのプロトタイプ(仮称ICBSシステム)は完成した。
5.今後更に、システム構成機器、装置、ソフトの個別改良と汎用性、コストパフォーマンス、ITセキュリティなどのシステム全体の改良が必要である。
6.本システムは、病原体管理における国内標準化及び国際協調に関して、基本システムとして応用できる。

公開日・更新日

公開日
2010-01-12
更新日
-

文献情報

文献番号
200829002B
報告書区分
総合
研究課題名
病原体保管、輸送、廃棄における一括管理システムの開発
課題番号
H18-新興・一般-003
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
篠原 克明(国立感染症研究所 バイオセーフティ管理室)
研究分担者(所属機関)
  • 倉田 毅(富山県衛生研究所)
  • 駒野 淳(国立感染症研究所 エイズ研究センター)
  • 高田 礼人(北海道大学 人獣共通感染症リサーチセンター)
  • 小暮 一俊(日立アプライアンス株式会社)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
感染症法が改正、施行されたが、病原体の管理と運用に関するハードウエア並びに管理体制の整備は未だ不十分である。本研究では、病原体取扱いにおけるトレーサービリティを一括管理する各種機器、装置と総合管理ソフトを新らたに開発し、国内の標準化及び国際的にも通用するバイオセーフティとバイオセキュリティを統合した管理システムの構築を目指す。
研究方法
個体識別技術を用いた病原体試料の情報収集・管理システムを構築する。具体的には、最小保管単位である試料容器一本ごとに、内容物情報をタグ(バーコード、IC)に記録、書換え、アップデートし、その履歴を自動的かつリアルタイムでデータベースに送付し、集中管理する。また、使用病原体と機器、防護具などのマッチング並びに滅菌処理効果の判定等のバイオハザード対策を同時に実践できるシステムとする。
結果と考察
本研究にて開発した情報収集、伝達、管理装置及び管理システム全体の性能と整合性について検証した。
1.関連情報の調査に基づき一括管理システムフローを作成。
2.システム運用用容器の選出と性能検証。
3.情報伝達機能付機器(冷凍庫、安全キャビネット、小型滅菌器、防護服など)の開発と性能検証。
4.情報収集、伝達、データー管理装置の開発と性能検証。
5.情報管理ソフトの開発と整合性検証。
6.病原体輸送管理システム用機器、器具の検証と輸送試験。
7.システム全体の運用試験。
その結果、病原体取扱いにおけるトレーサービリティを一括管理する各種機器、装置及びそれらの情報を管理・運用するソフトの基本性能は確保できた。現時点にて、病原体保管、輸送、廃棄を一括管理するシステムのプロトタイプ(仮称ICBSシステム)は完成した。今後、汎用性、コスト、ITセキュリティなどの更なる改良が必要と思われる。
結論
1.バイオセーフティとバイオセキュリティを統合管理するシステムの構築を目的とした。
2.システム構築の為の機器、装置及び運用ソフトの開発と検証を行った。
3.開発した装置、ソフトの実運用試験を行った。
4.病原体保管、輸送、廃棄における一括管理システムのプロトタイプ(仮称ICBSシステム)は完成した。
5.今後更に、システム構成機器、装置、ソフトの汎用性、コスト、ITセキュリティなどの改良が必要である。
6.本システムは、病原体管理における国内標準化及び国際協調に関して、基本システムとして応用できる。

公開日・更新日

公開日
2010-01-12
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200829002C

成果

専門的・学術的観点からの成果
特定病原体の安全管理や新興・再興感染症、パンデミックインフルエンザ対策として、大量のサンプル処理とその迅速化、精度向上並びに情報セキュリティ、リスクコミュニケーション、情報の国際共通化等が必要である。本研究では、病原体取扱いにおけるトレーサービリティを一括管理する各種機器、装置と総合管理システムを開発した。本システムは、バイオセーフティとバイオセキュリティを統合した新たな管理システムであり、病原体管理における国内標準化及び国際協調に関して基本システムとして応用できる。
臨床的観点からの成果
新興・再興感染症やパンデミックインフルエンザ対策の場合には、大量の臨床検査サンプル処理及び処理の迅速化と精度向上、サンプル情報の統一化、情報の国際共通化等が必要である。また、特定病原体は、その登録、保管、廃棄、輸送に非常に厳しい管理と記録が要求されている。本システムは、病原体取扱い時の安全性確保とセキュリティを同時に実践、一括処理、管理できるシステムであり、臨床現場においても有用であると思われる。
ガイドライン等の開発
本研究にて調査した内容及び本病原体管理システムのコンセプトであるバイオセーフティとバイオセキュリティの統合・一括管理は、改正感染症法の実施並びにガイドラインの作成に大いに有用であると思われる。特に、本システムは、病原体管理における国内標準化及び国際協調に関しても、基本システムとして応用できると思われる。
その他行政的観点からの成果
感染症法が改正、施行されたが、その管理と運用に関する整備は未だ不十分である。本研究では、病原体取扱いにおけるトレーサービリティを一括管理する各種機器、装置と総合管理ソフトを新らたに開発した。本システムは、病原体管理における国内標準化及び国際協調に関して、基本システムとして応用でき、特に感染症法に求められる要件の具現化として有用である。
その他のインパクト
特許に関しては、「個体識別を用いたバイオセキュリティーシステム 特願2005-66661」として出願済みである。本研究では、国内における病原体保管、輸送、廃棄における一括管理システムを構築した。構築したシステムのうち、病原体登録、情報管理に関しては、新事業として、専門業者がサーバー維持管理、セキュリティ管理などの運用を行う必要がある。また、輸送については、新たな制度(病原体輸送に関する許認可)が必要と思われる。成果の一部は国際学会などで発表した。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
日本防菌防黴学会 第34回年次大会、2007年。
学会発表(国際学会等)
3件
米国バイオセーフティ学会、2007年、2008年。カナダバイオセーフティ学会、2008年。
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計1件
その他成果(特許の取得)
0件
個体識別を用いたバイオセキュリティーシステム 特願2005-66661。
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
4件
国内、国際学会発表。

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2016-05-26
更新日
-