急性心筋梗塞、脳卒中の急性期医療におけるデータベースを用いた医療提供の在り方に関する研究

文献情報

文献番号
200825072A
報告書区分
総括
研究課題名
急性心筋梗塞、脳卒中の急性期医療におけるデータベースを用いた医療提供の在り方に関する研究
課題番号
H20-心筋・一般-001
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
小林 祥泰(島根大学 医学部附属病院 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 峰松一夫(国立循環器病センター・病院内科脳血管部門・リハビリテーション部)
  • 鈴木 明文(秋田県立脳血管研究センター・脳卒中診療部・脳神経外科学研究部)
  • 棚橋 紀夫(埼玉医大国際医療センター・脳卒中センター)
  • 中川原 譲二(中村記念病院・脳卒中センター)
  • 橋本 洋一郎(熊本市立市民病院・神経内科)
  • 大櫛陽一(東海大学医学部基礎医学系)
  • 山口 修平(島根大学医学部・内科学講座内科学第三)
  • 横山広行(国立循環器病センター・心臓血管内科、緊急治療科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
19,654,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は心・脳血管疾患拠点病院設置の条件となる医療計画策定に役立つ心・脳卒中データベースを作成し、基礎的調査を行うことにある。脳卒中データバンクはすでに全国標準化がほぼ出来上がっており、これを調査用に改訂し、医療計画に必要な発症から医療機関への搬送時間や、医療機関における提供医療、退院に至るまでのデータを広く日本国内の医療機関や救急隊等とも連携して収集、分析する。一方、心筋梗塞については未だ標準化に至っておらず、本研究で全国標準データベースを開発し、そのデータ登録システムの構築を基幹病院中心に行う。
研究方法
現在使用中の脳卒中データバンクをrt-PA療法調査や回復期リハビリとの連携にも適応した実践的で使いやすいものに改訂し、医療計画に必要な発症から医療機関への搬送時間や、医療機関における提供医療、退院に至るまでのデータを広く日本国内の医療機関や救急隊等とも連携して収集、分析するためのパイロット研究を行った。
結果と考察
1) 超急性期脳梗塞治療実態調査
rt-PA療法調査項目等を追加した脳卒中データベースV5.3を作成した。現在2000例以上の調査を実施中である。
2)救急隊による脳卒中病院前救護の有用性評価
出雲市消防本部と共同でKurashiki Pre-hospital Scaleを基本として参考情報を加えたIzumo Pre-hospital Scaleを用いて125名の検証研究を行った。その結果、救急隊の脳卒中の正診率は74%と良好であった。
3)脳卒中連携パスの検証への応用への準備研究
急性期から回復期が連携している中村記念病院、連携パスの先進地域である熊本市民病院で脳卒中連携パスの電子化を行ってデータ集積中である。病院連携の問題点を洗い出し、次年度以降の脳卒中データベースとリンクさせる研究の基礎作りを行った。
4)電子カルテ上の記載と脳卒中データベースの連携システム開発
島根大学医学部附属病院の電子カルテに組み込むチェックリストを作成し、操作性などの実用性実験を行った。
5)心筋梗塞症例データベース構築研究
インターネットを用いた症例登録以外に、国立循環器病センター施設内サーバーを用いた院内症例登録システムを構築し試行を開始した。

結論
脳卒中および心筋梗塞の標準データベースシステム構築は医療計画の立案、検証に有効である可能性が示唆された。

公開日・更新日

公開日
2009-05-13
更新日
-