タイムスタディ等の定量的な検討を踏まえたがん医療における専門スタッフの効果的な配置や支援のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200824036A
報告書区分
総括
研究課題名
タイムスタディ等の定量的な検討を踏まえたがん医療における専門スタッフの効果的な配置や支援のあり方に関する研究
課題番号
H19-がん臨床・一般-009
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
大野 ゆう子(大阪大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 門田 守人(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 川崎 和男(大阪大学 大学院工学研究科)
  • 松村 泰志(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 横内 光子(名古屋大学 大学院医学系研究科)
  • 越野 八重美(大阪電気通信大学 医療福祉工学部)
  • 中村 亜紀(京都女子大学 家政学部 生活福祉学科)
  • 鈴木 珠水(群馬パース大学 保健科学部・成人看護学)
  • 清水 佐知子(大阪大学 大学院医学系研究科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成19(2007)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
20,428,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
タイムスタディ等定量的調査を通じて,がん診療連携拠点病院(以下,がん拠点病院)に期待される機能実現のために必要な業務・役割・稼動環境のあり方,専門スタッフの配置や育成環境,支援のあり方等に関して数量的検討を行う.
研究方法
初年度はがん拠点病院に期待される機能と実現に必要なマンパワーについて,がん拠点病院等40施設以上を見学・聞き取り調査した.本年度は,目的に応じて業務実態を非侵襲かつ無拘束で測定し,個人プライバシィを侵害せずに解析しうる無人タイムスタディ等定量的評価システムの構築を目標に,タイムスタディの具体的な方法論,機能の明示化,地域のがん治療レベル及びがん拠点病院の機能評価,専門職教育及び医療専門職の支援,がん患者の療養環境及び専門スタッフの職場環境に関する研究を進めた.
結果と考察
患者やスタッフの安全を侵襲せず,業務を阻害しない,安価で移設可能なタイムスタディ等定量的調査の方法として,ビデオ画像の差分処理,音声解析,RFIDタグ,デジタルペン入力,日常行動計について実証的検討を行い,各特性を明らかにし,現時点での臨床性能について具体的評価を得ることができた.特に「定点観察可能な業務」,「移動観察が必要な業務」について,それぞれ無人化の方法が提案できた.タイムスタディの発展的検討として,機能の明示化研究を位置付け,Unified Modeling Language(UML)法,これを発展させた業務プロセス・時間も把握可能な新たな業務分析法であるタイムプロセススタディの検討を行った.この方法は,がん登録業務分析,外来化学療法分析に適用しその有効性が確かめられ,得られた時間・業務情報は専任がん登録士の人数試算にも具体的数値として利用できるものであった.また,タイムプロセススタディを基に業務シミュレーション研究が可能であることを示し,本研究の人員配置,業務構築への応用可能性を確かめることができた.
さらに,がん患者自身の移動によるがん医療選択の実態,治療の集中化指標のあり方,大学院レベルで開始された「がんプロフェッショナル養成プラン」の課題と改善点等について知見を得た.

結論
タイムスタディ等定量的調査に向けて具体的方法論の実証的検討を行うとともに,専門スタッフの業務内容・配置,育成のあり方等において成果を挙げ,貴重な資料を得た.

公開日・更新日

公開日
2009-05-08
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-12-01
更新日
-