文献情報
文献番号
200812004A
報告書区分
総括
研究課題名
がん診断・治療両用高分子ミセルターゲティングシステム
課題番号
H18-ナノ・一般-004
研究年度
平成20(2008)年度
研究代表者(所属機関)
横山 昌幸((財)神奈川科学技術アカデミー 高分子ナノメディカルプロジェクト)
研究分担者(所属機関)
- 米谷 芳枝(星薬科大学 医薬品化学研究所)
- 濱口 哲弥(国立がんセンター中央病院 第一領域外来部)
- 川上 茂(京都大学大学院 薬学研究科)
- 川口 隆憲(福島県立医科大学 看護学部)
- 堀 勝義(東北大学 加齢医学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 医療機器開発推進研究(ナノメディシン研究)
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
44,065,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
高感度MRI画像診断と非水溶性抗がん剤ターゲティングを同一原理かつ同時に施行できる高分子ミセルキャリヤーシステムを構築し、3年間の本申請研究終了時には、成果の前臨床試験開始を目指す。研究項目は以下の3つである。
1,高分子ミセルによる非水溶性抗がん剤の固形がんターゲティングシステム確立
2,分子標的薬と分化誘導剤封入高分子ミセルによる新規化学療法創成
3,微小がんを検出する高分子ミセルMRI造影剤の開発
1,高分子ミセルによる非水溶性抗がん剤の固形がんターゲティングシステム確立
2,分子標的薬と分化誘導剤封入高分子ミセルによる新規化学療法創成
3,微小がんを検出する高分子ミセルMRI造影剤の開発
研究方法
この目的に合致した高分子を自ら合成し、そこから作製した高分子ミセルへ各種薬物を封入したものを用いる。工学・薬学・医学の領域を連携させながら以下の項目の実験を推進する。
(1)高分子合成
(2)薬物の高分子ミセルへの封入及び物性評価
(3)抗がん剤(カンプトテシン)の生体内動態・抗がん活性評価
(4)レチノイン酸の生体内動態・抗がん活性評価(京都大学)
(5)高分子ミセルMRI画像剤(神奈川科学技術アカデミー及び星薬科大学)
(6)がん組織での病理解析、がん組織での分布
(7)がん組織への移行・浸透速度解析
(1)高分子合成
(2)薬物の高分子ミセルへの封入及び物性評価
(3)抗がん剤(カンプトテシン)の生体内動態・抗がん活性評価
(4)レチノイン酸の生体内動態・抗がん活性評価(京都大学)
(5)高分子ミセルMRI画像剤(神奈川科学技術アカデミー及び星薬科大学)
(6)がん組織での病理解析、がん組織での分布
(7)がん組織への移行・浸透速度解析
結果と考察
得られた主な結果は以下の通りである。
・高分子ミセル内核に封入した薬物カンプトテシンの結晶状態と、封入機構を解析した。
・分化誘導剤レチノイドであるAm80の高分子ミセルからの放出を徐放化する新手法を確立し、マウス腹膜播種モデルでの抗がん活性を得た。
・ウインドウチャンバー法による3mm以下の微小がんへのミセル集積挙動を解析した。そして放射線照射あるいは腫瘍血管破断薬AC7700投与によって、この微小がんへの集積が高まることを見いだした。
・DCE-MRI法によるナノサイズキャリヤーの腫瘍血管透過挙動を解析した。
・高分子ミセル造影剤がマウス固形がんに選択的に送達されることを観察した。また、3mm程度の微小がんにもターゲティングされること、AC7700の前投与によって送達量が高まることを見いだした。
・高分子ミセル内核に封入した薬物カンプトテシンの結晶状態と、封入機構を解析した。
・分化誘導剤レチノイドであるAm80の高分子ミセルからの放出を徐放化する新手法を確立し、マウス腹膜播種モデルでの抗がん活性を得た。
・ウインドウチャンバー法による3mm以下の微小がんへのミセル集積挙動を解析した。そして放射線照射あるいは腫瘍血管破断薬AC7700投与によって、この微小がんへの集積が高まることを見いだした。
・DCE-MRI法によるナノサイズキャリヤーの腫瘍血管透過挙動を解析した。
・高分子ミセル造影剤がマウス固形がんに選択的に送達されることを観察した。また、3mm程度の微小がんにもターゲティングされること、AC7700の前投与によって送達量が高まることを見いだした。
結論
高分子ミセル製剤技術の基盤が大きく拡大したともに、臨床に応用され得る薬剤開発とターゲティング現象解析を大きく進展させた。一方、高分子ミセルのMRI造影剤としての有用性を証明すると共に、ターゲティングシステムのMRI画像診断のための新技術を開発した。
公開日・更新日
公開日
2011-05-30
更新日
-