化学物質リスク評価の基盤整備におけるトキシコゲノミクスの利用に関する研究-反復暴露影響及び多臓器連関性(発達過程を含む)に重点を置いた解析研究-

文献情報

文献番号
200736015A
報告書区分
総括
研究課題名
化学物質リスク評価の基盤整備におけるトキシコゲノミクスの利用に関する研究-反復暴露影響及び多臓器連関性(発達過程を含む)に重点を置いた解析研究-
課題番号
H18-化学-一般-001
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
菅野 純(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター毒性部)
研究分担者(所属機関)
  • 本間 正充(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター変異遺伝部)
  • 相崎 健一(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター毒性部)
  • 北川 昌伸(東京医科歯科大学医歯学総合研究科包括病理学分野)
  • 池田 通(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科口腔病理学分野)
  • 北嶋 聡(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター毒性部)
  • 井上 達(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター)
  • 漆谷 徹郎(同志社女子大学薬学部病態生理学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
91,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は化学物質リスク評価の基盤整備としての安全性評価システム構築に、網羅的な遺伝子発現変化解析法を適用するものである。先の研究にて構築済みの単回(急性)暴露によるマウス肝の初期応答データベース(DB)に、反復(慢性)暴露実験からの情報、多臓器間の連関情報、及び、in situ hybridization(ISH)による臓器内の遺伝子発現部位の可視化情報を加え、更なる充実を図ると共に、毒性学的意味付けを膨大なゲノミクス情報から取り出すためのインフォマティクス技術開発を平行して進める。これにより、従来以上に迅速、定量的且つ高精度な評価システムの構築を目指す。
研究方法
研究班はDB生成研究、基盤研究、トキシコゲノミクスのためのインフォマティクス開発研究の3部構成とする。DB生成研究では、マウスを用い、1)新型慢性暴露、2)多臓器間連関性、3)ハイスループットISH(HS-ISH)DBを構築する。基盤研究では発生毒性、免疫毒性、造血毒性、消化管毒性、骨毒性、遺伝子傷害毒性を取り上げる。インフォマティクス開発研究では、主任研究者らが構築した遺伝子発現値の絶対値化手法であるPercellome手法に基礎を置くMillefeuille data(ミルフィーユデータ)システムの改良、大量データから生物学的有意な情報を効率的に抽出する方法の開発・検証を実施する。
結果と考察
DB生成研究では新型慢性暴露実験は7実験、多臓器間連関性は3化学物質各5臓器についてDB生成を完了した。HS-ISHは実地運用を開始した。基盤研究では各班員の実験系について、マウス胎児における網羅的遺伝子発現解析を始め、特に発生毒性について、サイクロパミン、サリドマイドの新たな標的分子候補を同定するなどの成果を得た。インフォマティクス開発研究では発現同期遺伝子の抽出・解析技術の開発・改良、プローブ毎の飽和補正、発現パターンのソーティング・抽出アルゴリズムの開発・改良(RSort)、遺伝子クラスタの意味空間への投影解析技術(GOPlot)の改良を行った。
結論
DB生成研究は、DB生成、HS-ISHともに順調に推移した。基盤研究では発生毒性で新たな標的分子候補を同定した。インフォマティクス開発研究では発現パターンのソーティング・抽出アルゴリズムの開発・改良などが進み、特に網羅性と迅速性の両立が飛躍的に向上する成果を得た。

公開日・更新日

公開日
2008-04-08
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2009-02-04
更新日
-