文献情報
文献番号
200732056A
報告書区分
総括
研究課題名
IT技術を取り入れた教育・訓練システムと医療安全教育研修制度に関する調査研究
課題番号
H18-医療-一般-032
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
北島 政樹(慶應義塾大学医学部)
研究分担者(所属機関)
- 森田 明夫(NTT東日本関東病院 脳神経外科)
- 田辺 政裕(千葉大学医学部附属病院 総合医療教育研修センター)
- 小山 博史(東京大学大学院 医学研究科)
- 森 健策(名古屋大学大学院 情報科学研究科)
- 黒田 知宏(大阪大学大学院 基礎工学研究科)
- 森川 康英(慶應義塾大学医学部 小児外科)
- 和田 則仁(慶應義塾大学医学部 外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
5,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本調査・研究の目的は、最新のIT技術を活用した将来型医療安全教育・訓練手法の指針を明確にすることにより、国民が安心して享受できる質の高い医療の提供を目指すものである。更に、医療安全教育に留まらず、医療従事者の技能向上や医薬品、医療機器の開発など将来様々な利用が考えられ、国民に対し「安全な医療の提供」を行うと共に「QOLの向上」及び、「医療費の低減」の波及効果を期待するものである。
研究方法
分担研究者(7名)及び研究協力者をそれぞれ「制度研究」、「技術研究」、「経済効果」の3グループに分けて更に調査の深堀を行うと共に、医療安全教育・訓練の方向性を示し、国民が安心して享受できる質の高い医療の提供に必須となる教育に関し、「提言」の取りまとめを実施した。①専門医教育を含めた医学教育の現状と今後の取組み・制度化 ②医学教育に必要な教材やツール等の研究・開発動向に関する技術調査と提言 ③経済的側面から見た医学教育の現状と提言及びその波及効果
結果と考察
1.制度に関して 卒前教育及び卒後(後期)臨床教育においては、IT教材とマネキンタイプシミュレータは、教育ツールとして非常に有効な手段と言える。一方、専門医教育においては、必要な疑似臨床体験機会を与えるためには、高度に発達した情報技術を利用した疑似臨床体験環境を提供することが理想的であると考えられる。
2.技術に関して 情報化医療教育を実現するためには、教材となるシミュレータ、教室となる"場"、教育の指針となる「カリキュラム」の三つを一体のものとして提供する必要がある。更に、リアリティを追求する技術だけではなく、1)医療データからシミュレーション教育コンテンツを作成する技術 2) 教育者が体験させたい手技をいくつかのシナリオの組み合わせとして提供できるツールキットの実現 3) 実施技能を、時空間を超えて伝達・閲覧・評価・修正できる環境の実現が求められる。
3.経済効果に関して 開発や導入・維持運営費用にあたっては、公的資金の導入が必要不可欠である。一方、企業によって整備された資源や、医療教育機関で整備された資源を共同利用できる仕組みの提供、共同利用への資源の提供に対して一定の対価を提供できるような枠組みの整備も必要である
2.技術に関して 情報化医療教育を実現するためには、教材となるシミュレータ、教室となる"場"、教育の指針となる「カリキュラム」の三つを一体のものとして提供する必要がある。更に、リアリティを追求する技術だけではなく、1)医療データからシミュレーション教育コンテンツを作成する技術 2) 教育者が体験させたい手技をいくつかのシナリオの組み合わせとして提供できるツールキットの実現 3) 実施技能を、時空間を超えて伝達・閲覧・評価・修正できる環境の実現が求められる。
3.経済効果に関して 開発や導入・維持運営費用にあたっては、公的資金の導入が必要不可欠である。一方、企業によって整備された資源や、医療教育機関で整備された資源を共同利用できる仕組みの提供、共同利用への資源の提供に対して一定の対価を提供できるような枠組みの整備も必要である
結論
「情報化社会における医療安全教育に関する提言」を取りまとめた。これにより、今後の医療安全教育に関するひとつの方向性を示すことが出来たと考える。今後、関連機関、医療教育機関、医学系各学会、更には産業界が「知恵と力」を結集し、これまで以上に安全で質の高い医療の提供を行うことが肝要と考察される。
公開日・更新日
公開日
2008-04-11
更新日
-