医療圏における地域疾病構造および患者受療行動に基づく地域医療の評価のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200732036A
報告書区分
総括
研究課題名
医療圏における地域疾病構造および患者受療行動に基づく地域医療の評価のあり方に関する研究
課題番号
H18-医療-一般-011
研究年度
平成19(2007)年度
研究代表者(所属機関)
伏見 清秀(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医療情報システム学)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成18(2006)年度
研究終了予定年度
平成20(2008)年度
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
第5次医療計画の策定と今後の評価のあり方に関する議論に於いては、疾病特性、地域特性等を考慮した医療圏の設定と医療需要の推計等に関する問題提起がなされ、新たな地域医療の評価が求められている。本研究では、患者特性などから地域疾病データベースを構築し、新たな医療圏の設定や医療需要の推計を含めた地域医療の評価方法を明かとすること、データに基づく透明性の高い地域医療評価に資する情報ツールを提供することを目的とした。
研究方法
主任研究者は統計データ活用による様々な地域・医療機関評価指標の開発の研究を基盤に、疾病群や診療内容に基づき患者を群化することにより、地域医療の実態を数値化する手法を開発し、臨床的な病態や在院日数に応じた患者の群化、医療圏間の患者移動の評価等の手法の有効性を示してきた。本研究では、これらの手法をさらに発展させ、疾病特性・地域特性等に応じた地域医療の評価のあり方を検討し、医療圏の設定手法や医療の需要と供給の評価方法、透明性が高く具体性のある数値目標の設定方法、評価指標として活用しうるインディケータの考案、さらにこれらの作業の具体化と効率化に資する医療圏分析ツールの開発を進めた。
結果と考察
本年度は、初年度の検討に加えて、さらに疾病別、在院日数別の医療提供の状況と患者移動等の状況の解析を進め、二次医療圏を変更する条件、二次医療圏を新たに設定する際の方法、二次医療圏設定に関する透明性確保の方策、医療圏における地域医療の評価のための具体的な指標の策定とその妥当性の検証、評価指標を活用した数値目標の設定のあり方等を明らかとした。
結論
本研究の成果に基づき、医療圏の設定や医療圏における医療需要の推計等を含む地域医療評価のための科学的かつ具体的な方法が明らかにされることにより、行政の透明性が確保されるともに、より効率的な医療提供体制の確立と疾病特性、地域特性に応じた医療の質の確保のための施策立案の基盤が提供されることが考えられる。さらに、具体的な数値目標の設定方法とその評価方法の確立、また、それらに不可欠の情報基盤の整備につながることが考えられ、根拠に基づく医療施策の立案、遂行、評価の推進に大きく寄与することが期待される。

公開日・更新日

公開日
2008-04-03
更新日
-