医療のトレーサビリティ向上に寄与する電子カルテシステム等の開発と管理に関する研究

文献情報

文献番号
200634052A
報告書区分
総括
研究課題名
医療のトレーサビリティ向上に寄与する電子カルテシステム等の開発と管理に関する研究
課題番号
H17-医療-一般-021
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
名和 肇(東京医科大学医療情報学講座総合情報部)
研究分担者(所属機関)
  • 秋山 昌範(東京医科大学医療情報学講座)
  • 原 明宏(あすか薬局)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療安全の確保のために、従来の「物の安全」のみならず、「使用の安全」の観点からの対策が急務。「使用の安全」を確保するための個別の問題については、医薬食品局にて検討が行われており、本研究では医療資材(医薬品・医療資材)を対象にバーコードや電子タグを利用する場合の費用面、適合性等を医薬品、メーカー、流通業者、医療施設の観点から調査を行い、克服すべき課題を明らかにする。
研究方法
医療資材にITを活用し識別するための手段として、バーコードや電子タグを対象として、製薬企業における製造段階、流通段階、医療機関内での物流、患者への適用の各場面において、どの様なコンテンツ及び粒度が必要なのかの検討を行う。
また医薬品を中心に複数種類が存在するバーコードや電子タグの適性検討を行う。また標準化動向の調査のためFDAやGS1の標準化動向の調査研究、及び実際の医療機関でも実地調査を行う。
結果と考察
医薬品や医療材料のtraceabilityに関する流通での実態を製造、流通、医療機関各々で、現状、問題点、今後の見通しついて今年度も調査研究を行なった。医療機関内では薬剤部や中央管理部門から病棟や手術室、各部門などで複雑なやり取りが行われていた。原因は前日までの予定オーダの4分の1以上が変更されていることにあると思われた。
なお国際標準化組織であるGS1のHUG(Healthcare User Group)では、医薬品に使用するコードの標準化、コードの伝達手段となるキャリアであるバーコードの標準化も終わっていることが判明した。
結論
traceabilityの観点から医薬品や医療材料の流通情報管理の実態を製造、流通、医療機関各々で、現状、問題点、今後の見通しにつき調査研究した結果、製造する工場内では各医薬品や医療材料が1つ1つ単品で管理されていた。出荷時にはロット単位で管理され、製造から出荷時までロット単位のバリデーションが行われていることが判明した。出荷後は流通過程で分解、集合が繰り返されており、製造工場からの出荷後は、最終卸まで複数のルートで流通していることが判明した。また医療機関内でも複雑なやり取りが行われていた。原因は我が国では予定オーダの多くが変更されている
ことにあり、また海外でも同様の点が問題となっている為に、supply-chainの観点から標準化議論が進んでいることが明らかとなった。

公開日・更新日

公開日
2008-03-07
更新日
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