へき地医療体制の充実及び評価に関する研究―山形県における実践的試み―

文献情報

文献番号
200634039A
報告書区分
総括
研究課題名
へき地医療体制の充実及び評価に関する研究―山形県における実践的試み―
課題番号
H17-医療-一般-008
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
清水 博(山形大学大学院 医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 嘉山 孝正(山形大学大学院 神経機能再生学)
  • 船田 孝夫(山形大学大学院 医学系研究科)
  • 長谷川 敏彦(日本医科大学大学院)
  • 河原 和夫(東京医科歯科大学大学院)
  • 伏見 清秀(東京医科歯科大学大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 医療安全・医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
2,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
山形県は医師が少なく、これからは医療を集約化し、機能分担し、連携を行い、より効率的な医療提供体制を構築することが必要である。それには医療従事者及び患者の医療に対するニーズを的確に把握することが不可欠である。そこで山形県内の全一般病院、市町立診療所及び無医地区・準無医地区に赴き、医師及び患者等に対する対面調査を行った。次に、平成17年山形県患者調査を基に、疾患領域毎の患者動向分析を行い、これらを県新医療計画に反映することを目的とした。
研究方法
○ 山形県内の全一般病院(52箇所)、市町立等診療所(9箇所)、全無医地区(9箇所)、準無医地区(9箇所)を訪問し、院長及び患者・住民等に対面調査を行い、院長には病院の機能及び新医療計画の“主たる事業”に対する考え方を、その他の人にはへき地を含む地域医療の現状と課題について尋ねた。これらの調査に山形県所管課職員も同行した。
○ 平成17年山形県患者調査(70施設)をもとに、標榜診療科毎の入院及び外来患者数を主な評価指標として、“主要な事業:がん対策、脳卒中対策、急性心筋梗塞、糖尿病対策及び周産期医療対策”を中心に分析した。各病院が特に重視する傷病について集計後、病院間の類似性及び相違点について統計学的分析を行った。具体的には、このデータを基に階層的クラスタリングを行い、各病院別にグルーピングを行った。
 また、主成分分析を行い、病院機能が顕著に分かれる主成分の特定を行った。

結果と考察
○ 一般病床を有する全病院のニーズ調査で最も多いのは医師の確保であり、各院長が今後必要とする医師数は計414人(現県内医師数の17.1%)。診療科別では、内科系が多く、次いで整形外科、外科、小児科、産婦人科、麻酔科の順であった。
○ 患者及び一般住民の診療体制に関するニーズは、①医療の質の確保、②信頼できる医師、看護職の対応、③救急医療体制の明確化、④通院手段の確保であった。
○ 傷病別の患者割合に基づく病院のクラスタリング(事業、大分類ごと)及び主成分分析により、各病院の重視する傷病、病院間の類似性及び相違点が明らかとなった。
結論
山形県の医療提供体制におけるニーズ(医療マンパワー及び救急医療の充実等)に対応するには、今回の対面調査及び患者調査のクラスタリング・主成分分析等の結果を県の新医療計画に反映させ、効率的な医療提供体制を確立する必要がある。
 

公開日・更新日

公開日
2008-04-03
更新日
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研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2008-01-23
更新日
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