強皮症における病因解明と根治的治療法の開発

文献情報

文献番号
200633039A
報告書区分
総括
研究課題名
強皮症における病因解明と根治的治療法の開発
課題番号
H17-難治-一般-030
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
竹原 和彦(金沢大学大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 猪子 英俊(東海大学医学部)
  • 石川 治(群馬大学大学院医学系研究科)
  • 佐藤 伸一(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)
  • 尹 浩信(熊本大学大学院医学薬学研究部)
  • 遠藤 平仁(北里大学医学部)
  • 川口 鎮司(東京女子医科大学附属膠原病リウマチセンター)
  • 桑名 正隆(慶應義塾大学医学部)
  • 長谷川 稔(金沢大学医学部附属病院)
  • 後藤 大輔(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
  • 高橋 裕樹(札幌医科大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班においては1)免疫異常,血管障害,サイトカイン及びコラーゲン代謝異常の3つを関連づける一元的病因仮説の完成。2)強皮症疾患モデルマウスの確立とそれを用いた新規治療薬のスクリーニング。3)致死的病態である活動性間質性肺炎及び肺高血圧症及び血管病変に対する既存薬による治療法の確立を主たる活動とした。
研究方法
1)サイトカイン注入による皮膚線維化モデル及び自然発症強皮症モデルマウスであるTSKマウスにおいて,種々の治療薬又は治療ターゲットをスクリーニングした。2)活動性間質性肺炎に対しては,シクロフォスファミドパルス療法の有効性を,肺高血圧症に対しては,ボセンタン及びクエン酸シルディナフィルの有効性を複数(内科及び皮膚科)の施設で検討した。
結果と考察
1) B細胞の活性化を抑制するBAFFアンタゴニストがTSKマウスの皮膚線維化を抑制したことより,BAFFシグナルをターゲットとした分子標的療法が強皮症の治療において有望であると考えられた(長谷川班員)。 2)DNA免疫法によって得られた抗CTGF抗体がTGF-βによって誘導される線維化を抑制したこより,抗ヒト化CTGF抗体が強皮症の治療において有望であると考えられた(竹原主任研究者)。 3)多施設共同研究により早期重症例においては中等量の経口ステロイド薬がQOLの改善に有用であることが明らかにされた(班全体)。 4)抗線維化薬として抗癌剤グリベックの有用性がin vitroの実験系で示された(竹原主任研究者)。 5)強皮症の末梢循環障害に対するスタチン療法の長期有用性が報告された(桑名班員)。 6)肺線維症に対するシクロフォスファミドパルス療法の有用性が複数の施設より示された(長谷川班員,川口班員)。
結論
強皮症の治療法の開発において過去1年にかなり成果が得られた。

公開日・更新日

公開日
2007-04-23
更新日
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