文献情報
文献番号
200619024A
報告書区分
総括
研究課題名
NIPPON DATA90の15年目の追跡調査による健康寿命およびADL、QOL低下に影響を与える要因の分析とNIPPON DATA80の19年追跡調査の分析
課題番号
H17-長寿-一般-012
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
上島 弘嗣(滋賀医科大学社会医学講座福祉保健医学部門)
研究分担者(所属機関)
- 岡山 明(国立循環器病センター予防検診部)
- 児玉 和紀(放射線影響研究所疫学部)
- 笠置 文善(放射線影響研究所疫学部)
- 斎藤 重幸(札幌医科大学医学部内科学第二講座)
- 坂田 清美(岩手医科大学衛生学公衆衛生学教室)
- 中村 好一(自治医科大学地域医療学センター公衆衛生学部門)
- 喜多 義邦(滋賀医科大学社会医学講座福祉保健医学部門)
- 谷原 真一(福岡大学医学部衛生学教室)
- 岡村 智教(滋賀医科大学社会医学講座福祉保健医学部門)
- 角野 文彦(滋賀県東近江保健所)
- 豊嶋 英明(名古屋大学医学部公衆衛生学教室)
- 中村 保幸(京都女子大学家政学部生活福祉学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
29,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
NIPPON DATA80およびNIPPON DATA90は、約300地区から無作為抽出された厚生省(当時)の1980年(10,546人)および1990年(8,334人)循環器疾患基礎調査受検者の追跡調査であり、疾患別死亡や健康寿命の要因を明らかにすることが最終的な目標である。18年度はNIPPON DATA90の65歳以上の生存者のADL、QOLを追跡した。
研究方法
ADL・QOL調査は、基礎調査を実施した全国の保健所に依頼して実施した。まず全国保健所長会理事会で研究協力の了承を得た。全国保健所長会長名で保健所宛に本研究への協力依頼文を作成してもらった後、調査を開始した。ADL調査の対象者は過去2回(1995年、2000年)の調査時にいずれもベースライン時の住所に居住していて平成18年5月15日現在で65歳以上の者とした。昨年度の生死追跡後のデータ入力時に生存が確認できた2,618名を調査対象者とした。
結果と考察
関連する全国の保健所 213ヶ所に対して「1990年度循環器疾患基礎調査追跡調査実施依頼」を送付し、承諾が得られた保健所に、1)NIPPON DATAにおけるADL・生活の質調査実施マニュアル、2)対象者リスト、3)ADL・生活の質調査票(対象者の人数分、住所、氏名印刷済み)、4)調査対象者へのお願い文、5)保健所から大学への返信用封筒:着払いの簡易書留、6)受領確認はがき、を送付した。本研究は原則として面接調査であるが、電話調査も可とし、何らからの方法で本人確認が可能な場合は郵送調査も可とした。協力を拒否した保健所が19(239名)、調査の可否について保留中の保健所2(31名)、未返事保健所15(107名)であり、177保健所の協力により2241名のADL・QOLデータが収集された。追跡開始時所見からみた1995-2000年の間における手段的ADL低下要因を分析した結果、高血圧、喫煙、糖尿病、高コレステロール血症、高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症、肥満、等の危険因子の数が増えるとともに、手段的ADLが低下することが示された。最終的なADL調査の集計が終了するのを待って健康寿命を予測するチャートを作成する。
結論
ADL低下と死亡を組み合わせることにより、健康寿命の延伸と直接関与する危険因子を明らかにすることが可能であった。
公開日・更新日
公開日
2007-04-12
更新日
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