国際健康危機管理のための情報ネットワークのあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200605002A
報告書区分
総括
研究課題名
国際健康危機管理のための情報ネットワークのあり方に関する研究
課題番号
H16-国際-一般-102
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
喜多 悦子(日本赤十字九州国際看護大学看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 岡部信彦(国立感染症研究所感染症情報センター)
  • 澤 洋文(北海道大学大学院医学研究科分子細胞病理学)
  • 大石和徳(大阪大学微生物研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 国際健康危機管理ネットワーク強化研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
13,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年、わが国近辺では、SARS、高病原性トリインフルエンザ(H5N1)流行など、新たな感染症が、絶え間なく発生しているほか、国交がないだけでなく、国際的警告にも関わらず、核兵器実験に走った国や北東アジアの治安問題とされ台湾海峡も存在する。また、東南アジアでは、マラリアなど、熱帯固有疾患やHIV/AIDS、結核の再流行に加えて、狂犬病などのリスクも再発生している。本研究は、これらの状況を踏まえ、国外で発生しても、短時間にわが国に至り、多数国民の健康危機となる事態に対し、公衆衛生学的に行うべき効果的対応、管理に要する情報ネットワークのあり方を多角的に検討する。
研究方法
各分担研究者の特性を鑑み、①国際健康危機管理対策のためのグローバル情報通信ネットワークの構築(澤 洋文)、②感染症アウトブレイク時のレスポンスに関する各国の情報交換(大石和徳)、③アジア・西太平洋地区レベルにおける国際的感染症情報ネットワーク(岡部信彦)、④紛争地域や国際機関非加盟国など、既存の国際的枠組みでの連携困難な国や地域との連携(喜多悦子)の4サブテーマに分かれ、ウイルス学的、IT情報科学的、オペレーション・リサーチ的、また、現地調査、ワークショップなどの手段を用いた。
結果と考察
情報ネットワークでは、WHOなど既存ネットワークを強化、また、インフルエンザウイルス関連データーのグリッドシステムを試作、実用の域に高めた。
また、国外の危機発生の現場で活動できる疫学、検査学、臨床の人材ロスター作成とあわせて、今後の研修のあり方を提言した。さらに正確な情報が得られないか、公開しない国や地域の現状を明らかにし、国際協力を通じた改善を提言した。

結論
国際健康の危機対策は、①危機発生の把握、②原因解明、③危機の広がり把握(疫学調査)、④ウイルス感染などではワクチン開発を含む迅速かつ本質的な対策、⑤国内外へのフィードバック、⑥ケース・マネージメント能力拡充、⑦パブリック・アウエアネス、⑧人的資源の拡充と⑨公的交流の無い地域/国や信頼できる保健情報を有しない国境地域対策に別けられるが、いずれにしても、一元化した情報センターと迅速な意思決定と行動が必要である。

公開日・更新日

公開日
2007-05-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
200605002B
報告書区分
総合
研究課題名
国際健康危機管理のための情報ネットワークのあり方に関する研究
課題番号
H16-国際-一般-102
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
喜多 悦子(日本赤十字九州国際看護大学看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 岡部 信彦(国立国際感染症研究所感染症情報センター)
  • 澤  洋文(北海道大学大学院医学研究科)
  • 大石 和徳(大阪大学微生物研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 国際健康危機管理ネットワーク強化研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年、わが国近辺では、SARS、高病原性トリインフルエンザ(H5N1)流行など、新たな感染症が、絶え間なく発生している他、国交がないだけでなく、国際的警告にも関わらず、核兵器実験に走った国や北東アジアの治安問題とされる台湾海峡も存在する。また、東南アジアでは、マラリアなど、熱帯固有疾患やHIV/AIDS、結核の流行に加え、狂犬病などのリスクも再興している。本研究は、これらの状況を踏まえ、国外で発生しても、短時間にわが国に至り、多数国民の健康危機となる事態に対し、公衆衛生学的に行うべき効果的対応、管理に要する情報ネットワークのあり方を多角的に検討する。
研究方法
各分担研究者の特性を鑑み、①国際健康危機管理対策のためのグローバル情報通信ネットワークの構築(澤 洋文)、②感染症アウトブレイク時のレスポンスに関する各国の情報交換(大石和徳)、③アジア・西太平洋地区レベルを中心とする国際的感染症情報ネットワーク(岡部信彦)、④紛争地域や国際機関非加盟国など、既存の国際的枠組みでの連携困難な国や地域の対策(喜多悦子)の4サブテーマに分かれ、ウイルス学的、IT情報科学的、オペレーション・リサーチ的、また、現地調査、ワークショップなどの手段を用いた。
結果と考察
情報ネットワークでは、WHOなどとの既存ネットワークを強化、また、インフルエンザウイルス関連データーグリッドシステムを試作、実用の域に高めた。
また、国外の危機発生の現場で活動できる疫学、検査学、臨床の人材ロスター作成とあわせて今後の研修を提言した。さらに正確な情報が得られないか、公開しない国や地域の現状を明らかにし、国際協力を通じた改善を提言した。
結論
本研究で明らかにしたことは、SARSに続き、新たなインフルエンザなど、世界的に健康の危機が高まっている現在、その対策は【バーティカルな「感染症対策」】ではなく、【Global Health Security対策】と位置づけ、国の中枢での情報統括と、一括した意思決定ならびに迅速な行動指令体制を作ることの重要性である。

公開日・更新日

公開日
2007-04-16
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200605002C