多国間協力事業の推捗管理および評価手法のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200603001A
報告書区分
総括
研究課題名
多国間協力事業の推捗管理および評価手法のあり方に関する研究
課題番号
H16-国際-一般-001
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
佐藤 敏彦(北里大学医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 謙(産業医科大学産業生態科学研究所)
  • 長谷川 敏彦(日本医科大学医療管理学)
  • 池田 俊也(国際医療福祉大学薬学部)
  • 星 佳芳(国立保健医療科学院研究情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 社会保障国際協力推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
3,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、複数の拠出者(利害関係者)が関わる多国間協力事業の進捗管理と評価において、わが国の視点と、その他の拠出者からの視点の相違を明らかにした上で、我が国の多国間協力事業を通じた国際協力の評価方法を確立することを主な目的としている。最終年度においては、昨年度までの研究で設定された評価項目の重み付けについて検討を行い、わが国独自評価方法の確立を試みることを目的とした。
研究方法
調査対象機関として、多国間協力事業に限定せず、世界中の主要な援助機関を取り扱い、インターネット等を通じて、各機関における評価に関する情報を収集し、各機関の評価の枠組みや評価における枠組みを検証した。また、文献調査を通して、総合評価を実施する上で重要な手法に関して研究を行った。さらに、主要援助機関の政策評価の概要をまとめ、今後の研究の基礎付けを行った。
結果と考察
政策評価の重み付けに関しては、議論は確定しておらず、各機関は比較的自由に重み付けを決定していた。各機関の重み付けを分類した結果、7つの領域に分類が可能であった。現状は多くの援助機関は、重み付けに関して具体的に検証していないが、重み付けは評価の結果を大きく変える可能性があることが分かった。重み付けの決定手法としては、意見集約型の手法と統計解析型の手法があることが分かった。意見集約型としては、AHP、デルファイ法、予算配分方式などがあり、統計解析型としては主成分分析、DEAなどがあった。統計解析型も指標間の構造を把握する上で重要な情報を提示するが、現状ではデータが少ないために、実施することが困難であることが分かった。そこで、意見集約型で重み付けを決定し、その後に統計解析型を組み合わせる方法が妥当だと考えられた。
結論
各機関のモニタリング・評価ツール、評価方法についてはレビューした結果「効率性、有効性、インパクト、妥当性、自立発展性」の指標に加えて、「公平性、制度発展・オーナーシップ、付加価値、一致性、連携、人間の安全保障(緊急性・リスクへの対応)、環境」などを政策基準とすることが可能ではないかと思われた。
重み付けに関しては、AHP法という意思決定手法を用いて決定し、ODA大綱に定める目標に沿った政策評価システムを構築するための基礎的な提言を行った。

公開日・更新日

公開日
2009-06-10
更新日
-

文献情報

文献番号
200603001B
報告書区分
総合
研究課題名
多国間協力事業の推捗管理および評価手法のあり方に関する研究
課題番号
H16-国際-一般-001
研究年度
平成18(2006)年度
研究代表者(所属機関)
佐藤 敏彦(北里大学医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 井出 義男(医療法人雪ノ聖母会聖マリア病院)
  • 長谷川 敏彦(日本医科大学医療管理学)
  • 水嶋 春朔(国立保健医療科学院)
  • Julia Yongue(法政大学経済学部)
  • 池田 俊也(国際医療福祉大学薬学部)
  • 高橋 謙(産業医科大学産業生態科学研究所)
  • 星 佳芳(国立保健医療科学院研究情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 社会保障国際協力推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、複数の拠出者(利害関係者)が関わる、多国間協力事業の進捗管理と評価において、わが国の視点と、その他の拠出者からの視点の相違を明らかにした上で、我が国の多国間協力事業を通じた国際協力の評価方法を確立することを主な目的としている。これにより、多国間協力事業の効果的な実施に関してわが国の意思を明確に提示し、国際社会におけるわが国とわが国民の利益の増進を図ることが期待される。
研究方法
調査対象機関として、多国間協力事業に限定せず、世界中の主要な援助機関を扱った。インターネット等を通じて、各機関における評価に関する情報を収集し、各機関の評価の枠組みや評価における枠組みを検証した。また、文献調査を通して、総合評価特に各評価項目の重み付けを実施するうえで重要な手法に関して研究を行った。
結果と考察
政策評価の重み付けに関しては、議論は確定しておらず、各機関は比較的自由に重み付けを決定している。各機関の重み付けを分類した結果、7つの領域に分類が可能であった。現状は多くの援助機関は、重み付けに関して具体的に検証していないが、重み付けは評価の結果を大きく変える可能性があることが分かった。何らかの方法論を用いて重み付けを決定する必要性を強調した。重み付けの決定手法としては、意見集約型の手法と統計解析型の手法があることが分かった。意見集約型としては、AHP、デルファイ法、予算配分方式などがあり、統計解析型としては主成分分析、DEAなどがあった。統計解析型も指標間の構造を把握する上で重要な情報を提示するが、現状ではデータが少ないために、実施することが困難であることが分かった。そこで、意見集約型で重み付けを決定し、その後に統計解析型を組み合わせる方法が妥当だと考えられた。

結論
評価のフレームワークとしては、国際的に主流になっている「投入・産出・結果・インパクト」を用いることが妥当ではないかと思われた。重み付けの手法に関しては、意見集約型と統計解析型があり、両者の併用が最も妥当である。ODA大綱の理念に従途上国のオーナーシップと、納税者への説明責任に配慮した重み付けを行うためには、専門家、途上国の専門家・行政官、途上国の受益者、日本の一般層を対象として、AHP法を使い、適切な重み付けを算出するのが最も妥当な重み付けになると思われる。

公開日・更新日

公開日
2007-05-30
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200603001C