標準的電子カルテのための施設間診療情報交換に関する研究

文献情報

文献番号
200501263A
報告書区分
総括
研究課題名
標準的電子カルテのための施設間診療情報交換に関する研究
課題番号
H15-医療-028
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
木村 通男(浜松医科大学医学部附属病院医療情報部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
厚生労働省の示した、保健医療分野の情報化に関するグランドデザインでは、電子カルテの普及は必須のものとされており、それに関連して各種の研究・間発が進められている。主任研究者は、これまで診療情報の連携に関しての研究を進めてきたが、電子カルテがもたらす施設間診療情報連携の推進のため、次の2点について、研究・開発をおこなう。*CDなどによる電子的紹介状の情報多量化と、その運用に関する検討。*院外処方箋に処方内容を2次元バーコードで記載し、受取側である薬局で読み取る。
研究方法
電子的紹介状については、まず、この形式を標準的なものとするための規格書の充実をおこなった。この実証実験として静岡県版電子カルテシステムにおいて、この規格が採用されたため病院情報システム受注5社および診療所システム受注6社による実装を行い、そのためのブラウザソフト等の作成を行った。院外処方箋の2次元バーコードについては、この規格を制定する保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)と、日本薬剤師会の共同作業に助力し規格化を促進した。この実証実験として、上記同様、静岡県版電子カルテシステムにおいて薬剤レセコンおよび診療所用システムを作成する業者による実装をおこなった。
結果と考察
電子的紹介状の規格は、以前から主任研究者が提唱してきたが、それを今回、国際規格に準拠させることができたので産業界からも早速採用の動きがあり、これが実装でき実証できた。また、診療施設間の情報提供だけでなく患者への情報提供の手段として利用できるこのも実証できた。2次元バーコード院外処方箋は、当初、情報量、バーコードサイズと処方箋余白部分との兼ね合いが問題視されたが、大きい場合は、問題なく2枚目を出力することとなり実装に至った。フリーアクセスを担保するために規格は、標準的でなければならずISO規格にもなるHL7での記述ということでJAHIS,日薬が積極的に規格化を進め、これを受けて早くも実装が可能となったと考える。
結論
HL7 CDA R2による紹介状形式、HL7v2.5による処方情報、検査結果、患者個人情報、処方内容バーコード、DICOMによる画像は、すべて診療施設間連携で有用に用いられることが実証された。これが早くも実運用を向かえ今後の全国展開も視野に入ったことは主任研究者のこの上ない喜びである。

公開日・更新日

公開日
2006-10-03
更新日
-

文献情報

文献番号
200501263B
報告書区分
総合
研究課題名
標準的電子カルテのための施設間診療情報交換に関する研究
課題番号
H15-医療-028
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
木村 通男(浜松医科大学医学部附属病院医療情報部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
厚生労働省保健医療分野の情報化に関するグランドデザインでは、電子カルテの普及は必須とされており、それに関連して各種の研究・間発が進められている。主任研究者は、診療情報連携に関しての研究を進めてきたが、電子カルテがもたらす施設間診療情報連携の推進のため次の2点について研究・開発をおこなう。*CDなどによる電子的紹介状の情報多量化とその運用に関する検討。*院外処方箋に処方内容を2次元バーコードで記載し受取側の薬局で読み取る。
研究方法
電子的紹介状及び患者への電子的診療情報提供の規格がISO化され厚生労働省の標準的電子カルテ推進委員会報告書でも推奨されている標準規格HL7 CDA R2, MERIT-9 v.3, J-MIX, HL7 v2.5, DICOMで規格書を整備、実装、ブラウザまで作成した。処方箋情報を2次元バーコード化して薬剤レセコンおよび診療所用システムに実装した。
結果と考察
以前より主任研究者が提唱してきた電子的紹介状の規格の国際規格への準拠化により実装、実証できた。診療施設間の情報提供だけでなく患者への情報提供手段として利用できることも実証できた。2次元バーコード院外処方箋は、問題なく実装に至った。フリーアクセスを担保するために規格は標準的でなければならず、ISO規格にもなるHL7での記述であるためJAHIS,日薬が積極的に規格化を進め、これを受けて早くも実装が可能となったと考える。
結論
HL7 CDA R2による紹介状形式、HL7v2.5による処方情報、検査結果、患者個人情報、処方内容バーコード、DICOMによる画像は、診療施設間連携での有効運用が実証、実運用を向かえ、今後の全国展開も視野に入ったことは主任研究者の喜びである。処方箋情報の2次元バーコード化は、薬局の事務合理化、間違いの減少に寄与することは疑いない。電子紹介状、処方箋バーコードとも今は、CDや紙等による情報連携であるが、今後ネットワークの安価で安心な運用が可能となれば、データ形式は世界標準のためコスト少なく移行できる。世界各国で進められているネットワークベースのEHR(地域健康情報記録)にも遅れることはない。本研究成果は、静岡県版電子カルテ及び厚生労働省標準的電子カルテ情報交換システム開発委託等を通じて早期に広く全国で利用されようとしている。その波及効果は、これらを利用するためにHISや診療所システムがHL7,DICOM等で標準化されることに意義があり疾病対策情報収集、治験情報収集、広域臨床スタディ、健診との連携、災害時バックアップ等もこれまでよりもずっと簡単に安価に行なえることとなる。

公開日・更新日

公開日
2006-10-03
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200501263C