文献情報
文献番号
200500729A
報告書区分
総括
研究課題名
リアルタイムモニター飛散数と現状の治療によるQOLの関連性の評価研究と花粉症根治療法の開発
課題番号
H17-免疫-001
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
大久保 公裕(日本医科大学 耳鼻咽喉科)
研究分担者(所属機関)
- 久保 伸夫(関西医科大学 耳鼻咽喉科)
- 後藤 穣(日本医科大学千葉北総病院 耳鼻咽喉科)
- 岡野 光博(岡山大学大学院医歯学総合研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科)
- 藤枝 重治(福井大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科)
- 岡本 美孝(千葉大学大学院医学研究院 耳鼻咽喉科頭頸部腫瘍科)
- 盛川 宏(獨協医科大学 耳鼻咽喉科)
- 増山 敬祐(山梨大学大学院医学工学総合研究部 耳鼻咽喉科)
- 湯田 厚司(三重大学医学部 耳鼻咽喉科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
37,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
花粉飛散量がその時刻ごとに分るリアルタイムモニターが示す飛散花粉量と患者のQOLや各種の治療に対する満足度は今まで全く評価検討されていないので検討する。現在の花粉症治療に頻用されている治療法の評価を行なう。現行の免疫療法のさ研究とさらに花粉症に対する舌下ニ疫療法の効果や副作用について検討する。
研究方法
厚生労働省で設置した自動花粉測定器KH3000とその他KP1000、NTT-神栄を千葉大学医学部屋上に設置し平成17年スギ、ヒノキ花粉飛散期に測定し、その結果の検討を行った。治療法の研究として鼻噴霧用ステロイド薬と第2世代の初期治療の効果とアルゴンプラズマ凝固療法(APC)の治療効果を検討した。現行の免疫療法の医療経済効果を検討した。効果発現機序の検討は効果良好の免疫療法患者からPBMCを単離し研究を行なった。
舌下免疫療法の2重盲検比較試験を実施し、症状とQOLを評価した。またグミ剤での口腔嚥下法の免疫療法を実施した。
舌下免疫療法の2重盲検比較試験を実施し、症状とQOLを評価した。またグミ剤での口腔嚥下法の免疫療法を実施した。
結果と考察
KH3000はNTTに類似した測定傾向を示した。KP1000は感度が低かった。本格飛散期のバーカード法との時間毎の数は高い相関が認められた。治療法の検討では総合鼻症状スコア(TNSS)では本格飛散開始2週後に鼻噴霧用ステロイド薬で低下した。APCは有効以上62%であった。また満足以上で76%だった。
初期治療では大量飛散年では少量飛散年より有意に医療費が高額となったが、免疫療法群は飛散花粉数に左右されなかった。免疫療法患者のPBMCではIL-5産生が有意に低下した。
舌下免疫療法ではTNSSは有意に低下し、QOLも良好であった。グミ剤でも効果が認められた。全身性の副作用は発現しなかった。また免疫療法のアジュバントとしてCpGが可能性が高い。
初期治療では大量飛散年では少量飛散年より有意に医療費が高額となったが、免疫療法群は飛散花粉数に左右されなかった。免疫療法患者のPBMCではIL-5産生が有意に低下した。
舌下免疫療法ではTNSSは有意に低下し、QOLも良好であった。グミ剤でも効果が認められた。全身性の副作用は発現しなかった。また免疫療法のアジュバントとしてCpGが可能性が高い。
結論
リアルタイムモニターの問題点と今後の課題を得ることができた。現状の治療法の評価も新たに確認できた。また日本で頻用されていない免疫療法の効果発現機序が明らかになった。その効果を増強させるアジュバントの研究も行われた。さらに舌下や口腔免疫療法が花粉症に効果があることが日本でも確認され、今後その効果発現機序も含め詳細に検討する必要がある。
公開日・更新日
公開日
2006-07-20
更新日
-