先進的高精度三次元放射線治療による予後改善に関する研究

文献情報

文献番号
200500494A
報告書区分
総括
研究課題名
先進的高精度三次元放射線治療による予後改善に関する研究
課題番号
H15-がん臨床-021
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
平岡 真寛(京都大学 医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 白土 博樹(北海道大学 医学部)
  • 早川 和重(北里大学 医学部)
  • 永田 靖(京都大学 医学研究科)
  • 晴山 雅人(札幌医科大学 医学部)
  • 山下 孝((財)癌研究会附属病院)
  • 山田 章吾(東北大学 医学系研究科)
  • 大西 洋(山梨大学 医学部)
  • 久保 敦司(慶應義塾大学 医学部)
  • 唐沢 克之(東京都立駒込病院)
  • 石倉 聡(国立がんセンター東病院)
  • 西尾 禎治(国立がんセンター東病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
34,938,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
体幹部定位放射線照射技術を用いた大線量小分割照射法によるT1N0M非小細胞肺癌に対する多施設共同研究にむけての環境整備とプロトコール作成
研究方法
 本研究においては、以下の検討を行った。
1.まずJCOG0403臨床試験については、平成17年度より開始し平成18年度も症例登録を継続した。
2.次いで同試験の登録症例に関する品質管理、品質保証活動を行った。
3.また広く体幹部定位照射を普及させる目的でガイドラインを作成した。
4.新たにT2N0M0(Ib期)肺癌に対するプロトコール作成を開始した。
結果と考察
 T1N0M0を対象としたJCOG0403「T1N0M0非小細胞肺癌に対する体幹部定位放射線治療第II相臨床試験」は平成16年7月20日よりIRBで承認された施設より順次症例登録を開始した。平成18年3月現在、予定16参加施設全施設でIRBの承認が得られ、既に70例の症例登録がなされている。
また体幹部定位照射を普及させる目的でガイドラインを作成した。この中では、Q&A形式で、体幹部定位照射の原理、定義、精度管理までを詳しく述べた。本研究で作成したガイドラインは一般診療における体幹部定位照射の指標となる。このガイドラインの一部は日本放射線腫瘍学会誌に掲載された。
品質管理・品質保証活動の一環として、米国ATC(Advanced technology consortium)との共同研究により、放射線治療計画データを米国へ転送し、その計画結果を再度我国からレビューするいわゆるremote case reviewが可能となった。レビューが終了した58例中1例以外はすべて放射線治療規定が遵守されており、本試験の信頼性は確保されている。 
本年度よりはT2N0M0(IB期)非小細胞肺癌に対する至適線量を決定するための線量増加試験を新たに実施すべくプロトコール作成を開始し、平成18年中の臨床登録開始を目標としている。
結論
T1N0M0早期肺癌に対する定位放射線照射における多施設共同研究のプロトコールを作成し、2004年7月より既に70例の症例を登録した。現在その各登録症例について精度確認中である。また本年度は一般診療の指標となるガイドラインを作成した。その他新規にT2N0M0早期肺癌に対するプロトコールも作成中である。

公開日・更新日

公開日
2006-04-12
更新日
-

文献情報

文献番号
200500494B
報告書区分
総合
研究課題名
先進的高精度三次元放射線治療による予後改善に関する研究
課題番号
H15-がん臨床-021
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
平岡 真寛(京都大学 医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 白土 博樹(北海道大学 医学部)
  • 早川 和重(北里大学 医学部)
  • 永田 靖(京都大学 医学研究科)
  • 晴山 雅人(札幌医科大学 医学部)
  • 山下 孝((財)癌研究会附属病院)
  • 山田 章吾(東北大学 医学系研究科)
  • 大西 洋(山梨大学 医学部)
  • 久保 敦司(慶應義塾大学 医学部)
  • 唐沢 克之(東京都立駒込病院)
  • 石倉 聡(国立がんセンター東病院)
  • 西尾 禎治(国立がんセンター東病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 体幹部定位放射線照射技術を用いた大線量小分割照射法によるT1N0M非小細胞肺癌に対する多施設共同研究にむけての環境整備とプロトコール作成
研究方法
 本研究においては、以下の検討を行った。
1.Stage Iの非小細胞肺癌に対する定位照射の治療成績と有害事象に関する全国集計調査
2.模擬症例を用いた施設間の標的体積輪郭入力の差異、線量分布の差異の検討
3.T1N0M0非小細胞肺癌を対象とした体幹部定位放射線照射の臨床試験。
4.登録症例に関する品質管理、品質保証活動。
5.体幹部定位照射ガイドラインの作成。
6.遠隔症例レビューシステムの構築
7.T2N0M0非小細胞肺癌を対象とした定位放射線照射治療プロトコールの作成
結果と考察
 国内の代表的な14施設の臨床病期I期の非小細胞肺癌に対する定位放射線治療成績は、手術可能症例に対する効果は手術に匹敵するものであり、また手術不能症例に対しても従来型の放射線治療成績を凌ぐ治療成績が期待された。 
模擬症例を用いて、施設間の標的体積輪郭入力の差異について検討した結果、気管支・血管に隣接する部位において施設間で差が見られたものの、許容範囲内であった。 
T1N0M0を対象としたJCOG0403「T1N0M0非小細胞肺癌に対する体幹部定位放射線治療第II相臨床試験」は平成16年7月20日より順次症例登録を開始した。平成18年3月現在、予定16参加施設全施設でIRBの承認が得られ、既に70例の症例登録がなされている。 
また体幹部定位照射を普及させる目的でガイドラインを作成した。
品質管理・品質保証活動の一環として、米国ATC(Advanced technology consortium)との共同研究により、remote case reviewが可能となった。レビューが終了した58例中1例以外はすべて放射線治療規定が遵守されており、本試験の信頼性は確保されている。 
本年度よりはT2N0M0(IB期)非小細胞肺癌に対する至適線量を決定するための線量増加試験を新たに実施すべくプロトコール作成を開始し、平成18年中の臨床登録開始を目標としている。
結論
 T1N0M0早期肺癌に対する定位放射線照射における多施設共同研究のプロトコールを作成し、2004年7月より既に70例の症例を登録した。新規にT2N0M0早期肺癌に対するプロトコールも作成中である。

公開日・更新日

公開日
2006-04-13
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200500494C

成果

専門的・学術的観点からの成果
早期肺癌に対する体幹部定位放射線照射技術を用いた大線量小分割照射法は、わが国を中心に開発された新しい治療法である。過去に発表された単施設からの報告では、その有用性が示唆されているが、本研究では多施設共同研究を行いその環境整備を行った。既にT1N0M0腫瘍70例の症例登録を完了し、現在さらにT2N0M0腫瘍のプロトコールを作成中である。
臨床的観点からの成果
T1N0M0を対象としたJCOG0403「T1N0M0非小細胞肺癌に対する体幹部定位放射線治療第II相臨床試験」は平成16年7月20日より順次症例登録を開始した。平成18年3月現在、予定16参加施設全施設でIRBの承認が得られ、既に70例の症例登録がなされている。本年度よりはT2N0M0(IB期)非小細胞肺癌に対する至適線量を決定するための線量増加試験を新たに実施すべくプロトコール作成を開始し、平成18年中の臨床登録開始を目標としている。
ガイドライン等の開発
また体幹部定位照射を広く国内で普及させる目的でガイドラインを作成した。この中では、Q&A形式で、体幹部定位照射の原理、定義、精度管理までを詳しく述べた。本研究で作成したガイドラインは一般診療における体幹部定位照射の指標となる。このガイドラインの一部は日本放射線腫瘍学会誌に掲載された。
その他行政的観点からの成果
早期肺癌に対する体幹部定位照射の有用性が確立すれば、早期肺癌治療が入院を必要とする手術療法から、外来でも可能な放射線治療へ移行することになる。このことによる医療費削減やマンパワーの軽減効果も期待され、行政的観点からの成果といえよう。
その他のインパクト
本研究における品質管理・品質保証活動の一環として、米国ATC(Advanced technology consortium)との共同研究により、放射線治療計画データを米国へ転送し、その計画結果を再度我国からレビューするいわゆるremote case reviewが可能となった。レビューが終了した58例中1例を除いてすべて放射線治療規定が遵守されており、本試験の信頼性も十分確認された。

発表件数

原著論文(和文)
1件
原著論文(英文等)
62件
その他論文(和文)
43件
その他論文(英文等)
8件
学会発表(国内学会)
6件
学会発表(国際学会等)
22件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計2件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Takayama, K., Y. Nagata, Y. Negoro,et al.
Treatment planning of stereotactic radiotherapy for solitary lung tumor.
Int J Radiat Oncol Biol Phys , 61 (5) , 1565-1571  (2005)
原著論文2
Aoki, T., Y. Nagata, Y. Negoro,et al.
Evaluation of lung injury after three-dimensional conformal stereotactic radiation therapy for solitary lung tumors: CT appearance.
Radiology , 230 (1) , 101-108  (2004)
原著論文3
Nagata Y. Takayama K, Matsuo Y,et al.
Clinical outcomes of a Phase I/II study of 48Gy of stereotactic body radiation therapy in 4 fractions for primary lung cancer using a stereotactic body frame.
Int. J. Radiat. Oncol. Biol. Phys , 63 (5) , 1427-1431  (2005)
原著論文4


公開日・更新日

公開日
2015-10-06
更新日
-