地域保健を担う公衆衛生専門家の養成とマンパワー確保に関する研究

文献情報

文献番号
200401305A
報告書区分
総括
研究課題名
地域保健を担う公衆衛生専門家の養成とマンパワー確保に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
高野 健人(東京医科歯科大学・大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 二塚 信(熊本大学・大学院医学薬学研究部)
  • 川口 毅(昭和大学・医学部)
  • 相澤 好治(北里大学・医学部)
  • 岸 玲子(北海道大学・大学院医学研究科)
  • 佐藤 洋(東北大学・大学院医学系研究科)
  • 實成 文彦(香川大学・医学部)
  • 三角 順一(大分大学・医学部)
  • 中村 桂子(東京医科歯科大学・大学院医歯学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
10,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医学教育の変革期にあたり地域保健を担う公衆衛生専門家の養成システムを再構築すること、質の高いマンパワーを継続的に確保するための方策を提示するため、本年度は、公衆衛生専門職に必要とされる資質を明らかにすること、臨床研修における地域保健・医療研修の評価案を作成し、プライマリケアを実践できる医師の養成に資する研修が提供できる環境を整えること、海外の大学・大学院での社会医学教育の現状を調査分析すること、チュートリアル教育(社会医学サマーセミナー)の効果について総合評価を行うことを具体的な目的とした。
研究方法
全国の医育機関における衛生学、公衆衛生学教室等の教授により構成される衛生学公衆衛生学教育協議会の会員を研究協力者とし、内外の実地調査・文献調査、ワークショップ等により討論を重ね所期の目的を達成した。また過去の社会医学サマーセミナー参加学生の進路調査を実施した。
結果と考察
公衆衛生専門家の生涯教育に関する研究では、公衆衛生人材養成の前提となる公衆衛生専門職に必要とされる資質について検討を加え、8項目の提示をした。医師卒後臨床研修における公衆衛生技能の養成に関する研究では、地域保健・医療研修のモデル評価票および契約等に関わる様式案を作成した。米国ならびに欧州諸国における公衆衛生学専門教育に関する研究では、海外の医学部教育カリキュラムにおける社会医学教育について調査分析を行い、資料を作成した。パブリックヘルスマインド養成に関する研究では、社会医学サマーセミナーを実施し、参加学生の評価結果から、チュートリアル方式のグループディスカッションの有用性が示された。更に、IT技術を利用し事前準備をおこなうことで教育効果が増大した。過去の参加学生の進路調査から、本セミナーの参加者は社会医学分野への進路に強い志向性があることが明らかとなった。
結論
今年度は、公衆衛生専門家の生涯教育における到達目標として位置付けられる公衆衛生専門職に必要とされる資質について提示をした。平成17年度から実施される地域保健・医療研修を評価できる体制を整えた。海外の医学部教育カリキュラムにおける社会医学教育の調査分析を行い、基礎資料とした。チュートリアル教育を用いた社会医学サマーセミナーは、医学生の社会医学専攻への動機付けの手段として一定の効果を持つことが客観的に実証された。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-