文献情報
文献番号
200401227A
報告書区分
総括
研究課題名
人工赤血球の安全性向上に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
小林 紘一(慶應義塾大学医学部外科)
研究分担者(所属機関)
- 池田 久實(北海道赤十字血液センター)
- 小田切 優樹(熊本大学医学薬学研究部)
- 村田 満(慶応義塾大学医学部(血液内科学))
- 合田 亘人(慶應義塾大学医学部(医科学))
- 高折 益彦(東宝塚さとう病院)
- 甲斐 俊哉(ニプロ㈱ 医薬品研究所)
- 須賀 裕子(㈱オキシジェニクス 京都研究所)
- 土田 英俊(早稲田大学理工学総合研究センター(医工学・人工血液))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
57,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
①ヘモグロビン小胞体(Hb小胞体)の中等量製造システムの構築、②安全性評価指針の検討、③動物を用いた安全性の検討、④Hb小胞体の臨床検査法の開発、⑤大量製造技術の検討を目的とした。
研究方法
Hb小胞体の中等量(3 Lバッチ)での製造技術を確立、製造技術が安定させ、Hb小胞体が有すべき前臨床試験項目をまとめる。
動物での安全性試験として 免疫系の変化、体内動態特性、血液凝固・線溶系に及ぼす影響、血管透過性に与える影響、40%血液交換モデル長期生存、50%脱血ショックモデルにおける蘇生後長期生存、単回投与後の1年間生存試験、ビーグル犬を用いた50%脱血ショックモデルにおけるHb小胞体の効果の検討、霊長類への投与試験を行った。
Hb小胞体分散液の簡便な検査法を検討、大量製造技術の検討を行った。
動物での安全性試験として 免疫系の変化、体内動態特性、血液凝固・線溶系に及ぼす影響、血管透過性に与える影響、40%血液交換モデル長期生存、50%脱血ショックモデルにおける蘇生後長期生存、単回投与後の1年間生存試験、ビーグル犬を用いた50%脱血ショックモデルにおけるHb小胞体の効果の検討、霊長類への投与試験を行った。
Hb小胞体分散液の簡便な検査法を検討、大量製造技術の検討を行った。
結果と考察
Hb小胞体の中等量製造(3 Lバッチ)の安定製造を達成。前臨床試験項目をまとめ、研究の方向を修正。Hb小胞体製造に関する指針の作成を試みた。
動物での安全性試験の結果、 a.補体活性値は一過性にわずかな減少、アナフィラキシー反応は認められず、免疫系への影響が小さかった。 b.血中滞留時間は濃度依存的に延長し、臓器取り込み抑制が認められた。 c. 血液凝固・線溶系では、APTTが若干短縮するが、脱血の影響であり、異常過程ではなかった。 d空の小胞体成分が虚血に対して有効であった。 e. 40%血液交換モデルで、脾重量の増加は輸血による変化で異常ではなかった。 f. 50%脱血ショック蘇生後、長期生存・血液生化学的に問題を認めなかった。 g. 単回投与後1年間生存では肥満と加齢に伴う変化が認められた。 h. 50%脱血ショックモデル(ビーグル犬)では投与直後の一過性の肺動脈圧の変化を認めるのみであった。 i. 霊長類を用いたHb小胞体単回投与では、2週間の追跡で変化はなかった。 Hb小胞体分散液の検査には市販の検査機器の改良が必要と考えられた。また、大量製造技術の開発では、工程の改良が検討された。
動物での安全性試験の結果、 a.補体活性値は一過性にわずかな減少、アナフィラキシー反応は認められず、免疫系への影響が小さかった。 b.血中滞留時間は濃度依存的に延長し、臓器取り込み抑制が認められた。 c. 血液凝固・線溶系では、APTTが若干短縮するが、脱血の影響であり、異常過程ではなかった。 d空の小胞体成分が虚血に対して有効であった。 e. 40%血液交換モデルで、脾重量の増加は輸血による変化で異常ではなかった。 f. 50%脱血ショック蘇生後、長期生存・血液生化学的に問題を認めなかった。 g. 単回投与後1年間生存では肥満と加齢に伴う変化が認められた。 h. 50%脱血ショックモデル(ビーグル犬)では投与直後の一過性の肺動脈圧の変化を認めるのみであった。 i. 霊長類を用いたHb小胞体単回投与では、2週間の追跡で変化はなかった。 Hb小胞体分散液の検査には市販の検査機器の改良が必要と考えられた。また、大量製造技術の開発では、工程の改良が検討された。
結論
中等量の安定製造を達成、大量製造で予想される問題点も解決できる方策が示された。動物試験では急性期安全性試験、慢性期の安全性試験、体内動態特性、ショック蘇生、免疫機能、血液凝固・線溶系、血管透過性の変化について検討し、安全性の高いことが明らかとなった。
公開日・更新日
公開日
2005-05-12
更新日
-