文献情報
文献番号
200400952A
報告書区分
総括
研究課題名
電子カルテの相互運用に向けたHL7メッセージの開発および管理・流通手法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
坂本 憲広(神戸大学医学部附属病院(医療情報部))
研究分担者(所属機関)
- 木村 通男(浜松医科大学医学部附属病院(医療情報部))
- 山本 隆一(東京大学大学院情報学環)
- 藤本 修平(群馬大学大学院医学系研究科(細菌感染制御学))
- 小塚 和人(昭和大学横浜市北部病院(医療情報部))
- 美代 賢吾(東京大学医学部附属病院(医療機器・材料管理部))
- 篠原 信夫(東京大学大学院医学系研究科(クリニカルバイオインフォマティクス研究ユニット))
- 星本 弘之(神戸大学医学部附属病院(医療情報部))
- 増田 剛(神戸大学医学部附属病院(医療情報部))
- 久野 慎一((財)先端医療振興財団臨床研究情報センター)
- 茗原 秀幸(三菱電機株式会社情報セキュリティ推進センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、標準的な医療情報交換形式をHL7で定義し、それらをデータベース化し、そのレポジトリを公開し、標準HL7メッセージを流通させることにより、異なるベンダーの電子カルテシステムが、医療情報を安全・確実に共有・交換できる相互運用性を担保することにある。
研究方法
上記の目的を達成するため、本年度は、1) 電子カルテシステムに必要なメッセージの開発、2) 診療報酬請求に必要なメッセージの開発、3)臨床ゲノム情報交換のためのメッセージの開発、4) 感染症管理システムに必要なメッセージの開発、5) 収集、開発したメッセージの管理・流通システムの開発の5つの課題に取り組み、最終年度として研究を総括した。
結果と考察
各課題について以下の結果を得た。
1)では、昨年度構築したライブラリに基づき、神戸大学医学部附属病院の糖尿病代謝内科病棟用電子カルテのためのメッセージの開発、及び、関連する臨床検査関連、処方オーダ関連、薬品マスタメッセージの開発・実装を行なった。2)では、昭和大学横浜市北部病院を例として診療報酬請求業務の分析・調査を行ない、診療報酬請求業務の共通項目の整理とそのHL7バージョン3による記述について考察した。3)では、糖尿病の疾患関連遺伝子解析研究を例として、臨床情報と遺伝子情報とをシームレスに表現するHL7メッセージを開発した。4)では、国内外の実装例を調査し、我が国における感染症管理システムに必要なデータ項目とHL7バージョン3メッセージの検討を行なった。5)では、前年度開発した基盤ライブラリのさらなる拡充を行なっただけでなく、それらの基盤ライブラリや開発したメッセージを公開し、本研究の成果をより広く普及させるための環境を整備した。これにより本研究で開発してきた、電子カルテの相互運用のための各種標準メッセージと、そのメッセージを扱うためのライブラリを広く普及させることができ、標準規格に基づいた電子カルテを構築するための基盤整備に貢献することができる。
1)では、昨年度構築したライブラリに基づき、神戸大学医学部附属病院の糖尿病代謝内科病棟用電子カルテのためのメッセージの開発、及び、関連する臨床検査関連、処方オーダ関連、薬品マスタメッセージの開発・実装を行なった。2)では、昭和大学横浜市北部病院を例として診療報酬請求業務の分析・調査を行ない、診療報酬請求業務の共通項目の整理とそのHL7バージョン3による記述について考察した。3)では、糖尿病の疾患関連遺伝子解析研究を例として、臨床情報と遺伝子情報とをシームレスに表現するHL7メッセージを開発した。4)では、国内外の実装例を調査し、我が国における感染症管理システムに必要なデータ項目とHL7バージョン3メッセージの検討を行なった。5)では、前年度開発した基盤ライブラリのさらなる拡充を行なっただけでなく、それらの基盤ライブラリや開発したメッセージを公開し、本研究の成果をより広く普及させるための環境を整備した。これにより本研究で開発してきた、電子カルテの相互運用のための各種標準メッセージと、そのメッセージを扱うためのライブラリを広く普及させることができ、標準規格に基づいた電子カルテを構築するための基盤整備に貢献することができる。
結論
本研究で開発したメッセージやライブラリは神戸大学医学部附属病院の実システムで実際に活用されているだけでなく、今後、静岡県版電子カルテプロジェクト等においても実システムへの組み込みが検討されており、医療情報システムの社会基盤として本研究の成果であるメッセージやライブラリが普及しつつあり、非常に社会的意義の高い成果を得ることができた。
公開日・更新日
公開日
2005-05-26
更新日
-