特定疾患の疫学に関する研究

文献情報

文献番号
200400840A
報告書区分
総括
研究課題名
特定疾患の疫学に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
稲葉 裕(順天堂大学医学部衛生学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 中村好一(自治医科大学保健科学公衆衛生学)
  • 永井正規(埼玉医科大学公衆衛生学・疫学)
  • 玉腰暁子(名古屋大学大学院医学研究科健康社会医学専攻社会生命科学)
  • 中川秀昭(金沢医科大学・公衆衛生学)
  • 簑輪眞澄(国立保健医療科学院・疫学部)
  • 縣俊彦(東京慈恵会医科大学・環境保健医学)
  • 横山徹爾(国立保健医療科学院・技術評価部)
  • 小橋 元(北海道大学大学院医学研究科老年保健学分野)
  • 阪本尚正(兵庫医科大学衛生学)
  • 鷲尾昌一(札幌医科大学公衆衛生学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
38,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
人口集団内における各種難病の頻度分布を把握し、その分布を規定している要因を明らかにすることを通じて、難病患者の発生・進展・死亡を防止し、患者の保健医療福祉の各面、さらに人生および生活の質の向上に資するための方策をあらゆる疫学的手法を駆使して確立すること、難病の保健医療福祉対策の企画・立案・実施のために有用な行政科学的資料を提供し、難病対策の評価にも関わることを目的として以下のプロジェクト研究を実施した。
研究方法
①発生関連要因・予防要因の解明:遺伝子多型と環境因子を中心に症例対照研究を実施。
②医療受給者の臨床調査票による患者実態調査とその体系的利用:過去18年間の解析結果をまとめ、H16年度オンラインシステムのデータを入手し解析した。
③特定の難病の全国疫学調査:H16年1月に11疾患の調査を実施、H17年1月に11疾患の調査を開始。
④特定の難病の予後調査:3疾患の予後調査を継続。
⑤地域ベースのコホート研究の実施:難病患者情報システムのベースライン調査と3回の追跡調査結果を解析した。
⑥定点モニタリング・システムの運用と新たな疾患についての検討:特発性大腿骨頭壊死症とNF1について本システムの運用を通して有効性と限界を検討した。
⑦その他の研究:炎症性腸疾患のQOL、食事の脂肪酸に注目した臨床研究を実施した。
結果と考察
症例対照研究により4疾患で関連要因を示した。臨床調査個人票により特定疾患治療研究事業対象者の18年間の特徴、2010年までの疾患別性別受給者数の推計を示し、オンラインデータの解析結果を刊行した。H11年度の4疾患の臨床調査票検討結果とクロイツフェルトヤコブ病の結果をまとめた。全国調査は繊維筋痛症の推計患者数2670(95%CI 1850-3490)の他10疾患の結果を報告した。予後調査は特発性心筋症の途中経過を報告。1999年に開始した地域ベースコホートによりいくつかの疾患について死亡率やQOLの結果を示した。定点モニタリング・システムにより特発性大腿骨頭壊死症の背景因子のいくつかを示した。臨床研究で食事による再燃予防の可能性が示された。
結論
6年目のまとめとして、いくつかの研究に区切りをつけたが疫学研究班の宿命から継続研究とせざるを得ないものも多数存在する。新しい研究班がこれまでの実績の上にさらに有用な研究を積み上げ、難病の疫学の成果を高めて下さることを期待する。

公開日・更新日

公開日
2005-05-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-

文献情報

文献番号
200400840B
報告書区分
総合
研究課題名
特定疾患の疫学に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
稲葉 裕(順天堂大学医学部衛生学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 中村好一(自治医科大学保健科学公衆衛生学)
  • 永井正規(埼玉医科大学公衆衛生学・疫学)
  • 玉腰暁子(名古屋大学大学院医学研究科健康社会医学専攻社会生命科学)
  • 中川秀昭(金沢医科大学・公衆衛生学)
  • 簑輪眞澄(国立保健医療科学院・疫学部)
  • 縣俊彦(東京慈恵会医科大学・環境保健医学)
  • 横山徹爾(国立保健医療科学院・技術評価部)
  • 小橋元(北海道大学大学院医学研究科老年保健学分野)
  • 阪本尚正(兵庫医科大学衛生学)
  • 鷲尾昌一(札幌医科大学公衆衛生学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
人口集団における各種難病の頻度分布を把握しその分布を規定する要因を明らかにし、患者の発生・進展・死亡を防止し、保健医療福祉、QOLの向上に資するための方策を疫学的手法を駆使して確立すること、難病の保健医療福祉対策の企画・立案・実施に有用な行政科学的資料を提供し難病対策の評価にも関わることを目的とする。
研究方法
以下のプロジェクト研究を行った。
①発生関連要因・予防要因の解明:6疾患の症例対照研究を実施。
②医療受給者の臨床調査票による患者実態調査とその体系的利用:過去4回の臨床調査票の全国調査、いくつかの疾患のH11年度調査票を解析。H16年に利用体系が確立したオンラインシステムの解析。
③特定の難病の全国疫学調査:3年間で25疾患の調査を実施(内11疾患はH17年1月開始)。
④「難病30年のまとめ」作成:全臨床班を対象にアンケートを実施。
⑤特定の難病の予後調査:IgA腎症、他2疾患の調査を実施。
⑥地域ベースのコホート研究の実施:難病患者情報システムの追跡調査結果を解析。
⑦行政資料による難病の頻度調査:特定疾患のICD9と10の対応を検討。
⑧定点モニタリング・システムの運用と新たな疾患についての検討:特発性大腿骨頭壊死症とNF1の運用を通し本システムの有効性と限界を検討。
⑨その他の個別研究:炎症性腸疾患患者会で質問票調査、病院で脂肪酸の臨床調査を実施。
結果と考察
症例対照研究によりいくつかのリスク要因を示した。臨床調査個人票を用いて治療研究事業対象者の18年間の特徴、将来の受給者数の推計を示し、オンラインデータをまとめた報告書を刊行した。また3年間で25疾患の全国調査を行い、患者数推計値及び臨床疫学像を示した。「難病30年の研究成果」を発行した。予後調査はIgA腎症で予測スコアを作成し臨床の現場に還元した。難病患者情報システムによりいくつかの疾患の死亡率やQOLの結果を示した。定点モニタリング・システムについての検討を行った。
結論
6年間の件研究班としていくつかの区切りをつけたが、疫学研究班の宿命から、継続研究とせざるを得ないものも多数存在する。新しい研究班がこれまでの実績の上にさらに有用な研究を積み上げ、難病の疫学の成果を高めて下さることを期待する。

公開日・更新日

公開日
2005-05-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-