効果的な感染症発生動向調査のための国及び県の発生動向調査の方法論の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200400606A
報告書区分
総括
研究課題名
効果的な感染症発生動向調査のための国及び県の発生動向調査の方法論の開発に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
谷口 清州(国立感染症研究所感染症情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 永井 正規(埼玉医科大学公衆衛生学 )
  • 平賀 瑞雄(鳥取県日野保健所)
  • 丹野 瑳喜子(埼玉県衛生研究所)
  • 鈴木 宏(新潟大学教育研究院医歯学系)
  • 岡部 信彦(国立感染症研究所感染症情報センター)
  • 中瀬 克己(岡山市保健所)
  • 山本 英二(岡山理科大学総合情報学部)
  • 神谷 信行(東京都健康安全研究センター疫学情報室)
  • 今井 俊介(奈良県保健環境研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
24,125,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
効果的な感染症発生動向調査のために、感染症学者、疫学者、統計学者、発生動向調査に携わる保健所、地方衛生研究所、地方・中央感染症情報センターの立場からの基礎的あるいは運用面での研究と調査結果に基づき、調査手法についての提案を行っていくこと。
研究方法
システム全体、統計学的解析、性感染症、空間的解析、地域での対応、病原体、疫学ツール、そしてネットワークと連携システムの8つの分担研究項目をたて、データの解析を行い、またフィールド調査、アンケート調査、パイロット調査やモデル事業を行った。また一方では、具体的なツールやシステムの開発を行った。班全体で議論を行い、感染症発生動向調査システムについて提言を行った。
結果と考察
班全体として感染症発生動向調査システムの見直しに際して、必要な要件を議論し、性感染症では受診行動の偏りから定点の選択方法についての検討を行い、病原体サーベイランスでは現状の問題点を把握するとともに検査機関との連携を模索した。インフルエンザでは迅速システムの有用性を確認し、GISによる検討からはインフルエンザの伝播状況が明らかになった。警報注意報と罹患数推計は昨年度の研究を継続して推計方法を確立した。保健所グループはアンケート調査により現場での実情と要望をまとめ、地方情報センターグループでは、情報連携の強化と発生動向調査データシステムの強化を行った。EpiInfo日本語版は実用に耐えうるものが完成し利用が拡大しつつある。それぞれの分担の成果から、現在進行中の感染症発生動向調査の見直し議論に基礎資料と提言を提供しており、新しい発生動向調査システムの開発に際して、国、県における解析方法をも提案している。今後開発段階でも状況に応じて、技術的な支援を継続し、よりよいシステム開発に貢献していく予定である。
結論
効果的な感染症対策のためには、対策を支援するツールとしてのシステムが必要であり、疾患ごとの対策の目標を設定し、その目的にあうようなサーベイランスを設計するとともに、病原体サーベイランスの位置づけを明確にし、そのサンプリングや検査、報告を体系化して、患者発生動向調査とのハーモナイゼーションを図ることが必要である。また、種々の時系列的・空間的な解析を導入し、総合的な情報に基づく分析・公表の体制を整える。そして、積極的疫学調査のための資源を整備し、広域対応に備えたネットワークの樹立を促進する。

公開日・更新日

公開日
2005-06-15
更新日
-