知的障害者の地域移行を困難にする二次的障害とその対策に関する研究

文献情報

文献番号
200400535A
報告書区分
総括
研究課題名
知的障害者の地域移行を困難にする二次的障害とその対策に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
遠藤 浩(独立行政法人国立重度知的障害者総合施設(のぞみの園))
研究分担者(所属機関)
  • 網野 豊(独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園)
  • 新田 耕次(独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園)
  • 加我 牧子(国立精神・神経センタ-)
  • 西脇 俊二(国立秩父学園)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
知的障害者の入所型施設からの地域移行を推進するため、地域生活の継続を阻害する二次的障害を持つ知的障害者の実態を明らかにするとともに、その対策としてのガイドライン及びマニュアルを作成することである。
研究方法
1.ICFの視点からの、施設入所者とグル-プホ-ム利用者の二次的障害に関する実態を把握するためのアンケ-ト調査の実施。2.知的障害者の医療的支援システムのあり方を検討するために、関係機関・団体等に呼びかけ「群馬県知的障害者の医療を考える会」を発足させた。3.知的障害者の視聴覚健診の実態を把握し、治療の可能性を検討する目的で健康診断を実施した。4.入所施設利用中の自閉症児者が抱える精神機能障害や行動問題について調査・分析を行った。
結果と考察
1.ICFアンケ-ト調査結果から、二次的障害については、16分類、81障害・疾病として、実態を把握できた。今後、心身機能との関連を踏まえながら、どのような支援が必要なのかを考えていくことが重要である。2.「群馬県知的障害者の医療を考える会」での、アンケ-ト調査や議論の過程から、歯科・眼科・耳鼻科受診上の問題など、いくつかの問題点が浮かび上がった。3.視聴覚検診結果の48例から視力低下、屈折異常、白内障、角膜混濁、聴覚検査の異常が効率に認められた。4.地域で生活する自閉症児者は入所施設入所中の自閉症児に比較して、こだわりやパニックなど多くの行動の問題を抱えている可能性が示された。
結論
1.ICFの視点からのアンケ-ト調査を実施し、二次的障害についての実態を把握することができた。また本調査へ向けて、調査項目の精査、ICF関連図を通しての支援ニ-ズの把握等を行った。2.知的障害者のための医療システム構築のために、「群馬県知的障害者の医療を考える会」を発足させた。この会において、知的障害者の医療機関受診上の課題、問題点を明らかにした。3.知的障害者の視聴覚健診の実態を把握し、知的障害者を対象とする視聴覚健診は、二次的な生活機能障害を早期に把握し、治療の可能性を検討するために有用であることが判明した。4.行動障害に関する調査結果から、行動障害を抱える症例について、特に感覚とコミュニケ-ションの問題によって地域移行が困難になっていることが示唆された。

公開日・更新日

公開日
2005-04-28
更新日
-