進行神経芽腫に対する標準的治療確立および新規治療開発のための研究

文献情報

文献番号
200400509A
報告書区分
総括
研究課題名
進行神経芽腫に対する標準的治療確立および新規治療開発のための研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
金子 道夫(筑波大学(人間総合科学研究科))
研究分担者(所属機関)
  • 熊谷 昌明(国立成育医療センター(血液腫瘍科))
  • 麦島 秀雄(日本大学(大学院医学研究科))
  • 杉本 徹(京都府立医科大学(小児科))
  • 正木 英一(国立成育医療センター(放射線診療部))
  • 田尻 達郎(九州大学(医学部付属病院小児外科))
  • 中川原 章(千葉県がんセンター研究所)
  • 秦 順一(国立成育医療センター研究所)
  • 牧本 敦(国立がんセンター中央病院(小児科))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
32,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
(1)複数の臨床試験の推進により、標準治療を確立し、一方で再発難治例への新規治療を開発する。
(2)臨床試験登録例の患者由来検体を利用したトランスレーショナルリサーチを推進する。
研究方法
1. 具体的な臨床試験とその関係
(1) 標準治療の最適化のための有効性・安全性評価試験を推進する。
(2) 新規治療方針の第II相 Feasibility研究、ついで標準治療との比較臨床試験を推進する。
(3) 再発難治症例に対する新規薬剤を含む新規治療の開発を推進する。
2. 上記の前向き研究にリンクした形で、リスク層別化、病態解明、新規薬剤開発を目的としたトランスレーショナルリサーチを推進する。
3.倫理面への配慮を徹底させるため、プロトコールは第3者機関である日本小児がん学会の審査および各診療施設倫理委員会または治験審査委員会(IRB)での審査を必須とする。
結果と考察
現在行われている98プロトコールの治療成績、副作用、研究体制の問題点を踏まえ、全く新しい体制で前方視的臨床試験体制を構築した。副作用を減じつつ治療強度を維持した初期治療を5クール施行し、これに引き続き統一した前処置による自家造血幹細胞移植を行い、その後に局所療法を行うという治療方式の feasibility と安全性を評価する臨床試験のプロトコールを作成した。また、治療前の生検組織および治療の最後に得られる手術標本を中央病理診断することにより、遺残腫瘍細胞の再発に与える影響を評価することとした。このような治療方式より、従来は困難とされた局所治療の意義をより科学的に評価することが出来るとともに、初期化学療法および自家造血幹細胞移植の前処置を統一して、局所治療と分離した形で解析できる。自家造血幹細胞移植前処置、外科治療および放射線療法など局所治療について意見の一致をみて、プロトコール作成作業に着手できた。現在プロトコールはほぼ完成し、小児がん学会臨床試験審査委員会の審査待ちである。
この局所治療遅延方式に対比するものとして、98プロトコールをはじめとして従来から行われた治療方式、すなわち、初期治療4クール施行後での手術についても同様の前向き臨床試験として行うこととし、そのプロトコールを平成17年7月までに完成させる予定である。
結論
局所遅延プロトコールが完成した。平成17年度内早期にキックオフミーティングを行って臨床試験を開始する。従来型治療方式のプロトコールも完成間近であり、同様の手順を経て臨床試験を開始する。 

公開日・更新日

公開日
2005-05-11
更新日
-