文献情報
文献番号
200400441A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣改善によるがん予防法の開発と評価
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
津金 昌一郎(国立がんセンターがん予防・検診研究センター（予防研究部）)
研究分担者(所属機関)
- 辻 一郎(東北大学大学院医学系研究科)
- 若井 建志(愛知県がんセンター研究所)
- 永田 知里(岐阜大学大学院医学研究科)
- 溝上 哲也(九州大学大学院医学研究院)
- 田中 恵太郎(佐賀大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
56,240,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書（概要版）
研究目的
日本人ががんを予防するために行うべき適切な生活習慣を、科学的証拠に基づいて提示するとともに、それを達成するための具体的な方法を開発し、最終的に、生活習慣改善によるがん罹患率の減少をめざす。
研究方法
日本人における全がん及び主要部位がん（胃・大腸・肺・乳・肝）と喫煙・飲酒との関連を検討した疫学研究に基づき、共通基準によりその関連性の強さを客観的・量的に評価した。また、野菜及び果物と上記がんとの関連に関する疫学的知見を整理した。がん予防をめざした生活習慣改善の具体的方法を開発するための介入研究を開始・進捗した。一般日本人を対象に、がん予防に関する関心度と期待度、情報の入手経路などに関する意識調査を実施した。
結果と考察
喫煙については、全がん：Moderate、胃がん：Moderate、大腸がん：No association、肺がん：Strong、乳がん：Weak、肝がん：Moderateの正の関連、飲酒については、全がん：Moderate-weak、胃がん：No association、大腸がん：Strong-moderate、肺がん：研究数不十分、乳がん：No association、肝がん：Strong-moderateの正の関連があると結論づけた。また、野菜に関しては、全がん2、胃がん18、大腸がん16、肺がん9、乳がん5、肝がん3、果物に関しては、全がん1、胃がん16、大腸がん13、肺がん8、乳がん3、肝がん1の文献がこれまでに報告されていた。地域集団における食事指導介入は、その効果が介入終了から数年後も維持されることが示された。がん予防に関する意識調査では、がん予防法の効果に期待があっても実際の取り組みはその半数でしか行われておらず、また、遺伝子検査への関心は、予防法のある場合とない場合で差が大きかった。
結論
日本人における喫煙・飲酒とがんとの関連を総括し、野菜・果物とがんとの関連について科学的証拠を整理した。地域集団における食事指導介入は、その効果が数年後も維持されることが示された。がん予防への関心度は40代以上に高く、予防法の効果に期待があっても実際の取り組みはその半数でしか行われていなかった。遺伝子検査の要望は、予防法のある場合とない場合で差が大きかった。結果については、本研究班において開設したホームページで公開し、国民への還元を図る。
公開日・更新日
公開日
2005-04-04
更新日
-