文献情報
文献番号
200400352A
報告書区分
総括
研究課題名
病棟・居室棟でのリハビリテーションと在宅自立支援に関する研究-WHO・ICFモデルに立った個別性重視の医療と介護の連携
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
大川 弥生(国立長寿医療センター研究所 生活機能賦活研究部)
研究分担者(所属機関)
- 上田 敏(日本障害者リハビリテーション協会)
- 野中 博(日本医師会)
- 半田 一登(日本理学療法士協会)
- 中村 茂美(日本作業療法士協会)
- 二村 雄次(名古屋大学大学院 医学系機能構築医学専攻)
- 三浦 研(京都大学大学院 居住空間学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 痴呆・骨折臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
22,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
「高齢者介護研究会」および「高齢者リハビリテーション研究会」において方向性が示された、生活機能向上(生活・人生重視)のリハビリテーション(以下、リハと略)の課題にもとづいて、病棟・居室棟のリハと在宅自立支援の具体像を、WHO・ICF(国際生活機能分類)モデルにたった個別性重視の観点から明らかにする。
研究方法
初年度はまずICFモデルにもとづいた高齢者の生活機能(「心身機能」・「活動」・「参加」及び「健康状態」、「背景因子」)の実態把握と経時変化の調査に重点をおいた。特に「脳卒中モデル」と「廃用症候群モデル」の特徴の明確化と、厚生行政上の方向性として重視されている廃用症候群との関連性を重視して分析した。
まず1市の在宅要介護認定者全員(542名)についての訪問調査を、ICFモデル及び「活動」(ICF:生活行為)評価能力を有するリハ医、理学療法士、作業療法士が行った。その結果をもとに作製した半構造的質問紙法による調査を他の1市1町の介護保険サービス利用中の要支援~要介護度2(1市2,150名、73.6%<悉皆、直接面接法>。1町189名、94.5%<セミランダム抽出、手渡し留め置き回収>)および非要介護認定高齢者(1市3,931名、回収率65.5%<無作為抽出郵送法>。1町992名、99.2%<セミランダム抽出、手渡し留め置き回収>)について行った。
併せてかかりつけ医意見書の診断名との対比、介護支援専門員の「廃用症候群モデル」と「脳卒中モデル」の判断及びパターン分析、本人・家族への廃用症候群の理解促進、等を行った。
まず1市の在宅要介護認定者全員(542名)についての訪問調査を、ICFモデル及び「活動」(ICF:生活行為)評価能力を有するリハ医、理学療法士、作業療法士が行った。その結果をもとに作製した半構造的質問紙法による調査を他の1市1町の介護保険サービス利用中の要支援~要介護度2(1市2,150名、73.6%<悉皆、直接面接法>。1町189名、94.5%<セミランダム抽出、手渡し留め置き回収>)および非要介護認定高齢者(1市3,931名、回収率65.5%<無作為抽出郵送法>。1町992名、99.2%<セミランダム抽出、手渡し留め置き回収>)について行った。
併せてかかりつけ医意見書の診断名との対比、介護支援専門員の「廃用症候群モデル」と「脳卒中モデル」の判断及びパターン分析、本人・家族への廃用症候群の理解促進、等を行った。
結果と考察
1.「廃用症候群モデル」発生の契機は「活動の“質”的低下」、「活動の“量”的低下」、「参加レベルの低下」の3型に類型化できた。一般に考えられやすい「活動の質的低下」より後2者が多いことは注目に価する。2.「脳卒中モデル」でも集中的リハ期を過ぎた断続的リハ期には、廃用症候群モデルと同一の経過をとる。3.主治医意見書の診断書には廃用症候群及びその契機に関する記載はほとんどない。4.本人・家族の廃用症候群という名称への拒否感は強く、本人への理解促進のためには「生活不活発病」の名称の方が適する。
結論
○廃用症候群の3つの類型化は専門的リハのみでなく、一般医療、介護との連携の大きなポイントになる。○廃用症候群(生活不活発病)についての一般国民及び専門家への啓発が急務である。
公開日・更新日
公開日
2005-07-19
更新日
-