超強力サンドイッチ型超音波モータを用いたパワーアシストスーツの実用化

文献情報

文献番号
200400332A
報告書区分
総括
研究課題名
超強力サンドイッチ型超音波モータを用いたパワーアシストスーツの実用化
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
遠山 茂樹(国立大学法人 東京農工大学 大学院共生科学技術研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 永井 正夫(国立大学法人 東京農工大学 大学院共生科学技術研究部)
  • 梅田 倫弘(国立大学法人 東京農工大学 大学院共生科学技術研究部)
  • 桑原 利彦(国立大学法人 東京農工大学 大学院共生科学技術研究部)
  • エコ プルワント(国立大学法人 東京農工大学 大学院共生科学技術研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
27,077,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在日本における介護活動は、少子高齢化のため若手介護者の負担が増加しており、介護活動は健常な介護者にとっても身体的に負担の大きなものとなっている。そこで全身の動作をサポートするパワーアシストスーツ(以降PAS)を提案する。まず、このPAS開発の一歩として、主に介護動作をサポートすることを目的とする。開発するPASのアクチュエータとしてダイレクトドライブであり、静音性に優れ、省スペース化に有効であるという特性を有している超音波モータを使用することとする。
研究方法
本年度はより実用的PASの機構の開発、サンドイッチ型高出力モータの開発を中心に研究開発を進めた。開発したモータの特性を調べ、追従制御、インピーダンス制御システムを構築した。今回は代表的な関節として肘関節を取り上げ、ランダムな運動に対する追従制御、突発的な付加に対応するような粘弾特性を有する制御システムの構築を行った。さらに今年度は対象となる介護動作を機構学的に解析を行い有効性を調査するとともに、介護動作に柔軟に対応できるPASの開発に成功した。またPASの動作、評価のための筋電位、筋圧力に関する検討を行った。
結果と考察
製作したサンドイッチモータはシングルモータとほぼ同体積で2倍のトルクを出力可能である。φ80サンドイッチ型超音波モータも省スペースで約1.5倍の高トルクに成功した。さらにダブルサンドイッチモータの追従性能試験、インピーダンス制御試験の結果は超音波モータが非常に高性能であることを示している。アシストスーツの機構開発においては、腰周り、腿部のスライド機構の追加、および肩周りの機構の調整を行うことで目的を満足するだけの動作範囲を確保できた。さらに、筋電位をトリガとして利用した駆動システム、筋圧力と関節トルク、関節角度を定式化することによる肘関節に関するパワーアシストシステムを開発できた。
結論
今年度の研究により、アシストスーツ機構の可動範囲が大きくなり、介護動作以外の動作にも容易に対応できる。さらに、今年度開発したサンドイッチ型高出力型超音波モータはその応用範囲が非常に広く、主に省スペースで柔軟かつ高トルクを必要とする場所での使用に有効である。筋電位、筋圧力によって測定するシステムが構築できたため、これまで定量的な評価が不可能であったアシスト率を容易に計測できるようになった。

公開日・更新日

公開日
2005-03-30
更新日
-

文献情報

文献番号
200400332B
報告書区分
総合
研究課題名
超強力サンドイッチ型超音波モータを用いたパワーアシストスーツの実用化
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
遠山 茂樹(国立大学法人 東京農工大学 大学院共生科学技術研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 永井 正夫(国立大学法人 東京農工大学 大学院共生科学技術研究部)
  • 梅田 倫弘(国立大学法人 東京農工大学 大学院共生科学技術研究部)
  • 桑原 利彦(国立大学法人 東京農工大学 大学院共生科学技術研究部)
  • エコ プルワント(国立大学法人 東京農工大学 大学院共生科学技術研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在の日本の介護は、介護者の負担が増加しており、介護活動は健常な介護者にとっても身体的に負担の大きなものとなっている。そこで全身の動作をサポートするパワーアシストスーツ(以降PAS)を提案する。PAS開発の一歩として、主に介護動作をサポートすることを目的とする。今回開発するPASのアクチュエータとしてダイレクトドライブであり、静音性に優れ、省スペース化に有効であるという特性を有している超音波モータを使用することとする。
研究方法
スーツ機構の開発は基本構造の開発、上半身と下半身の連結、肩周りの動作が課題であった。超音波モータの開発は新型サンドイッチモータの開発、基本設計の見直し、大型化によるトルク向上、省スペース性を重視した高出力サンドイッチ型モータの開発を行った。人間の動作をセンシングすること、安全性を確保するためのシステムとして、重心判定システム、筋圧力による随意運動センシングを行ってきた。筋電位をトリガとした駆動制御、突発的な付加に対応する制御など超音波モータの駆動制御システムの構築を行った。さらに介護動作の有効性を定量的に評価するための機構解析を行った。
結果と考察
これらより応用範囲の広いアシストスーツを開発することができた。モータは上半身用のφ60超音波モータ、下半身用のφ80超音波モータを使用したサンドイッチ型超音波モータを開発し、φ60で約2倍、φ80のモータで約1.5倍のトルク向上がみられた。これらにおいては追従性、制御性ともにパワーアシストを行うに十分な性能が確認できた。筋圧力と関節トルク、関節角度の関係を定式化することで、モータ駆動、アシスト率の評価に有効であることを確認した。これらに加え介護動作において各関節の負荷となるトルクを定量的に評価した。
結論
介護用のみではなく汎用的なアシストスーツを製作するのは技術的に困難であり、用途に応じて機構を変更できるような簡易な構造である必要がある。また様々な種類の高出力超音波モータを開発し、これらの性能、特性試験の結果その応用範囲が非常に広いことが分かった。これらの研究に加え、安全性を高めるための重心判定システム、筋電位、筋圧力による駆動、評価システムはアシストスーツに必要な研究、検討項目は、特に福祉機器の製作などに幅広く応用できるものであり、これ以降のアシストスーツ、福祉機器の製作において非常に有用な研究結果を得たといえる。

公開日・更新日

公開日
2005-03-30
更新日
-