文献情報
文献番号
200400326A
報告書区分
総括
研究課題名
舌機能評価を応用した摂食嚥下リハビリテーションの確立
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
赤川 安正(広島大学 大学院医歯薬学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 津賀 一弘(広島大学 大学院医歯薬学総合研究科)
- 吉田 光由(広島大学 大学院医歯薬学総合研究科)
- 菊谷 武(日本歯科大学 口腔介護リハビリテーションセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
4,158,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
我々は,摂食嚥下の口腔準備期,口腔期に主役となる舌に注目し,特に食塊の送り込みに必要な舌圧の客観的評価に関する研究を着想した。これまでに臨床応用可能な舌機能の客観的評価法として,ディスポーザブルプローブを用いた舌圧測定装置を開発した。本年度は,本舌圧測定装置での舌圧測定法の妥当性を検討し,成人における舌圧の標準値を作成することにより舌機能評価法を確立させ,舌を中心とした口腔機能のリハビリテーション効果を検討することとした。
研究方法
研究1:被験者は自他覚的に摂食・嚥下障害を認めず,咬合支持域が全て存在する健常成人837名(男性413名,女性424名,20-79歳)とし,10歳ごとに男女で各群に分けて最大舌圧を測定した。
研究2:対象は口腔癌切除・再建手術を受けた3症例とし,通常のリハビリテーション方法に加えて,本装置を応用することで,その効果を検討した。
研究3:開発した簡易舌圧測定装置とKAY社の舌圧測定装置のプローブ(ビニルシリコン製,直径13 mm,高さ5mmの半円状の風船が8mm間隔で3個連なって受圧部を構成)で得られた舌圧と比較し,両者の相関について,若年健常対象者22名(男性13名,女性9名,平均年齢31歳)を用いて検討した。
研究4:老人介護福祉施設9施設に入居する利用者を無作為に口腔ケア群49名(平均年齢80.8±8.0歳),対照群49名(平均年齢82.2±7.3歳)に分け,6ヶ月間の介入調査を行った。
研究2:対象は口腔癌切除・再建手術を受けた3症例とし,通常のリハビリテーション方法に加えて,本装置を応用することで,その効果を検討した。
研究3:開発した簡易舌圧測定装置とKAY社の舌圧測定装置のプローブ(ビニルシリコン製,直径13 mm,高さ5mmの半円状の風船が8mm間隔で3個連なって受圧部を構成)で得られた舌圧と比較し,両者の相関について,若年健常対象者22名(男性13名,女性9名,平均年齢31歳)を用いて検討した。
研究4:老人介護福祉施設9施設に入居する利用者を無作為に口腔ケア群49名(平均年齢80.8±8.0歳),対照群49名(平均年齢82.2±7.3歳)に分け,6ヶ月間の介入調査を行った。
結果と考察
研究1より,成人の最大舌圧の標準値は男性の20-59歳で44.9±9.8 kPa,女性の20-59歳で37.2±9.0 kPa,60歳以上では34±9.1 kPaとみなしてよいものと考えられた。
研究2より器質的嚥下障害患者のリハビリテーションへの応用の可能性が示された。
研究3より,開発した簡易型舌圧測定装置が舌全体により創り出される圧力を適切に測定できており,舌圧のスクリーニング検査や経時的変化の観察などに妥当なものであることが示された。
研究4より舌の力は摂食・嚥下機能の維持・回復に重要であり,集団訓練による機能的口腔ケアが有効であることが示唆された。
研究2より器質的嚥下障害患者のリハビリテーションへの応用の可能性が示された。
研究3より,開発した簡易型舌圧測定装置が舌全体により創り出される圧力を適切に測定できており,舌圧のスクリーニング検査や経時的変化の観察などに妥当なものであることが示された。
研究4より舌の力は摂食・嚥下機能の維持・回復に重要であり,集団訓練による機能的口腔ケアが有効であることが示唆された。
結論
以上より,舌機能評価を応用とした摂食嚥下リハビリテーションの確立に向けた装置の妥当性の確認ならびに基準値の作成,さらには,リハビリテーション方法の開発ができた。
公開日・更新日
公開日
2005-03-30
更新日
-