骨粗鬆症におけるテーラーメード医療の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200400317A
報告書区分
総括
研究課題名
骨粗鬆症におけるテーラーメード医療の確立に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
折茂 肇(健康科学大学)
研究分担者(所属機関)
  • 白木 正孝(成人病診療研究所)
  • 上西 一弘(女子栄養大学栄養生理学研究室)
  • 伊東 昌子(長崎大学医学部放射線医学)
  • 細井 孝之(東京都老人医療センター内分泌科)
  • 浦野 友彦(東京大学医学部附属病院老年病科)
  • 太田 博明(東京女子医科大学産婦人科)
  • 池田 恭治(国立長寿医療センター運動器疾患研究部)
  • 大橋 靖雄(東京大学大学院医学系研究科健康科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
25,557,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
骨粗鬆症における治療効果には個人レベルでのばらつきが大きい。本症の予防と治療について個人レベルでの最適化をおこない、より効率のよい新しい診療体系を確立することを目的とする。
研究方法
1.ヒト脊椎海綿骨の高解像度CT画像に基づいて脊椎圧迫骨折の予知を試みた(伊東)。2.骨吸収マーカーとしての尿中γ-GTP測定の意義を検討した(池田)。3.Wnt-βカテニンシグナル伝達因子の遺伝子多型と骨量との関連を検討した(浦野)。4.骨代謝に関連する機能的SNPを検討した(細井)。5.カルシウム摂取量と骨密度との関連を年齢別に検討した(上西)。6.ライフスタイルと骨の関係を構築するために、若年女性を対象とした横断的研究を実施した(太田)。7.新規脊椎骨折の発生頻度から介入ポイントを検討した(白木)。8.日常診療データを用いた骨粗鬆症薬併用効果の時間依存性交絡を解析した(大橋)。
結果と考察
1.二次元・三次元CT画像を用いた骨梁構造解析は臨床応用可能であり、骨折リスクの評価や骨病態解明において有用であろう。2.尿中γ-GTPは、骨吸収活性を反映することが示唆された。短時間に多数の検体を低コストで処理することができる。3. Wntβカテニンシグナルを負に制御する因子が骨形成に大きく関与している可能性が示唆された。4. 組織非特異的アルカリフォスファターゼ遺伝子に高齢女性の骨量と関連する機能的SNPが検出された。5.40歳代、50歳代では骨粗鬆症群での若年時のカルシウム摂取量が少ない傾向にあるが、60歳代以降では特に差は見られなかった。6.骨密度は20歳以前にピークを迎えるが、骨代謝はそれ以降も動的であった。身体活動が主に骨密度を規定していた。7.既存骨折の存在は新規骨折の強い独立したリスクであった。骨密度からみた介入ポイントは診断ポイントである-2.5 T scoreよりも高値(-2.0 T score)であるべきことが示唆されたにおいた。8. 3通り以上の繰り返し治療がある状況で時間依存性交絡を考慮するための方法論として、g推定の枠組みで、治療を受ける確率を多項ロジスティック回帰によりモデル化することを提案した。
結論
骨粗鬆症におけるテイラーメイド医療を実現するための検討を多角的に行なった。

公開日・更新日

公開日
2005-10-25
更新日
-

文献情報

文献番号
200400317B
報告書区分
総合
研究課題名
骨粗鬆症におけるテーラーメード医療の確立に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
折茂 肇(健康科学大学)
研究分担者(所属機関)
  • 白木 正孝(成人病診療研究所)
  • 上西 一弘(女子栄養大学栄養生理学研究室)
  • 伊東 昌子(長崎大学医学部放射線科)
  • 細井 孝之(東京都老人医療センター内分泌科)
  • 浦野 友彦(東京大学医学部附属病院老年病科)
  • 太田 博明(東京女子医科大学産婦人科)
  • 池田 恭治(国立長寿医療センター運動器疾患研究)
  • 大橋 靖雄(東京大学大学院医学系研究科健康科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
骨粗鬆症における治療効果には個人レベルでのばらつきが大きい。本症の予防と治療について個人レベルでの最適化をおこない、より効率のよい新しい診療体系を確立することを目的とする。
研究方法
1.ヒト脊椎海綿骨の高解像度CT画像に基づいて脊椎圧迫骨折の予知を試みた(伊東)。2.骨吸収マーカーとしての尿中γ-GTP測定の意義を検討した(池田)。3.Wnt-βカテニンシグナル伝達因子の遺伝子多型と骨量との関連を検討した(浦野)。4.骨代謝に関連する機能的SNPを検討した(細井)。5.カルシウム摂取量と骨密度との関連を年齢別に検討した(上西)。6.ライフスタイルと骨の関係を構築するために、若年女性を対象とした横断的研究を実施した(太田)。7.新規脊椎骨折の発生頻度から介入ポイントを検討した(白木)。8.日常診療データを用いた骨粗鬆症薬併用効果の時間依存性交絡を解析した(大橋)。
結果と考察
1.二次元・三次元CT画像を用いた骨梁構造解析は臨床応用可能であり、骨折リスクの評価や骨病態解明において有用であろう。2.尿中γ-GTPは、骨吸収活性を反映することが示唆された。短時間に多数の検体を低コストで処理することができる。3. Wntβカテニンシグナルを負に制御する因子が骨形成に大きく関与している可能性が示唆された。4. 組織非特異的アルカリフォスファターゼ遺伝子に高齢女性の骨量と関連する機能的SNPが検出された。5.40歳代、50歳代では骨粗鬆症群での若年時のカルシウム摂取量が少ない傾向にあるが、60歳代以降では特に差は見られなかった。6.骨密度は20歳以前にピークを迎えるが、骨代謝はそれ以降も動的であった。身体活動が主に骨密度を規定していた。7.既存骨折の存在は新規骨折の強い独立したリスクであった。骨密度からみた介入ポイントは診断ポイントである-2.5 T scoreよりも高値(-2.0 T score)であるべきことが示唆されたにおいた。8. 3通り以上の繰り返し治療がある状況で時間依存性交絡を考慮するための方法論として、g推定の枠組みで、治療を受ける確率を多項ロジスティック回帰によりモデル化することを提案した。
結論
骨粗鬆症におけるテイラーメイド医療を実現するための検討を多角的に行なった。

公開日・更新日

公開日
2005-11-11
更新日
-