新たな手術用ロボット装置の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200400225A
報告書区分
総括
研究課題名
新たな手術用ロボット装置の開発に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
垣添 忠生(国立がんセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 野村 和弘(国立がんセンター中央病院)
  • 小林 寿光(国立がんセンター がん予防・検診研究センター)
  • 土肥 健純(東京大学大学院情報理工学系研究科)
  • 佐久間 一郎(東京大学大学院新領域創成科学研究科)
  • 藤江 正克(早稲田大学理工学部)
  • 伊関 洋(東京女子医科大学先端生命医科学研究所)
  • 橋爪 誠(九州大学大学院医学研究院)
  • 舘 暲(東京大学大学院情報理工学系研究科)
  • 北村 善文(大阪大学大学院情報科学研究科)
  • 土田 敬明(国立がんセンター中央病院)
  • 中馬 広一(国立がんセンター中央病院)
  • 木下 貴之(国立がんセンター中央病院)
  • 宮北 康二(国立がんセンター中央病院)
  • 小田 一郎(国立がんセンター中央病院)
  • 藤元 博行(国立がんセンター中央病院)
  • 女屋 博昭(国立がんセンター中央病院)
  • 松村 保広(国立がんセンター研究所支所)
  • 宅間 豊(株式会社日立メディコ、日本医療機器開発団体協議会)
  • 植田 裕久(ペンタックス株式会社医用機器事業部)
  • 石井 博(株式会社日立製作所研究開発本部)
  • 西村 博(株式会社日立メディコ技術研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 身体機能解析・補助・代替機器開発研究【医】
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
367,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 手術操作が難しい体内の深部や狭小部で、低侵襲で効果的な手術を行う新たな手術用ロボット装置を、MRIやCT、X線透視装置等の画像補助に配慮して開発する。同時に画像補助下手術概念と手技の開発のため、画像機器導入手術場環境も開発する。
研究方法
 軟性内視鏡は消化管内腔でも操作が可能であり、その構造と素材はX線装置との適合性もある。そこで軟性内視鏡的な構造の太径内視鏡的ユニットに複数の細径内視鏡的ユニットを挿入し、手術操作を行う高機能内視鏡的手術装置を開発する。
 手術場環境を構築する画像補助機器はCT装置とX線透視装置にX線被曝のないMRI装置を加え、手術場ユニットとして国立がんセンター中央病院の9階手術室フロアに導入する。16トンのMRIを含めて導入するために建物の構造や床耐荷重の検討を行い、搬入方法を考案して必要な耐荷重補強を行う。画像機器間の電磁波干渉対策を行い、MRI適合性のある手術室内機器も開発する。
結果と考察
 軟性内視鏡的構造の手術装置の概念検証用装置として、外径2cmの太径内視鏡的ユニット内に2本の細径内視鏡的ユニットを挿入する装置を製作し、経食道的な胃内腔での粘膜切除操作等で評価した。いずれの実験系においても切除操作は可能であり、概念の適切さと今後の開発方針が示された。この結果を基に細径内視鏡ユニットの内視機能を向上したモデルを製作し、太径内視鏡的ユニットを細径化したモデルと細径内視鏡的ユニットを4本としたモデルの仕様を決めて開発を開始した。今後動作実験等を行い、開発を進めていく。
 MRI等は適切な耐荷重対策により導入可能であることが確認され、地上高約50mの手術室内へのMRIの搬入には360トン揚重機を用いることとした。MRIとX線系装置を離して設置して中央に共有手術空間を確保し、X線系装置の周囲を覆う開閉式電磁波遮蔽を新規開発した。診療系への障害の回避と万全の安全対策のため、研究者のみならず施設全体で組織化された導入体制を構築した。現在、導入工事と並行で機器装置を開発中であるが、来年度の完成後に将来の手術用ロボット装置との統合に備え開発を開始する。
結論
 軟性内視鏡的構造の手術装置は適切な手術装置であることが示され、新たな装置の開発を開始した。またこの手術装置の発展に必要な画像補助下手術場環境の構築が、実際に開始された。

公開日・更新日

公開日
2005-05-10
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-03
更新日
-