超極限分子プローブによる組織障害の再生・治癒機構の解析と高精度局所診断技術の開発

文献情報

文献番号
200400202A
報告書区分
総括
研究課題名
超極限分子プローブによる組織障害の再生・治癒機構の解析と高精度局所診断技術の開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
南谷 晴之(慶應義塾大学大学院理工学研究科基礎理工学専攻)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 和男(国立感染症研究所生物活性物質部)
  • 川西 徹(国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部)
  • 新井 孝夫(東京理科大学理工学部応用生物科学科)
  • 関塚 永一(独立行政法人国立病院機構埼玉病院)
  • 眞島 利和(独立行政法人産業技術総合研究所光技術研究部門)
  • 船津 高志(東京大学大学院薬学研究科)
  • 中山 俊憲(千葉大学大学院医学研究院)
  • 田之倉 優(東京大学大学院農学生命科学研究科)
  • 村松 知成(理化学研究所ゲノム科学総合研究センター)
  • 松村 英夫(独立行政法人産業技術総合研究所光技術研究部門)
  • 山本 健二(国立国際医療センター研究所)
  • 霜田 幸雄(東京女子医科大学総合研究所研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ナノメディシン分野】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
45,360,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
種々の細胞組織障害と再生治癒機構の解明を目指して、in-vivo、in-situならびにin-vitro系で分子生理機能と形態変化を時空間的な可視情報としてとらえるためのナノプローブとナノバイオイメージング技術の開発を行い、各種蛍光ナノプローブを用いて血管炎や微小循環障害による細胞組織傷害発現メカニズムを分子・細胞レベルで解析するとともに再生治癒過程に関する分子機序を局所的に解析し、診断治療へ応用展開することを目的とした。
研究方法
ペプチド配列基質を挿入したFRET型GFP、プロリン変異体GFPなどの新規GFPでチロシンリン酸化・Caspase活性・蛋白分子運動・遺伝子発現を可視化解析、蛍光モノクローナル抗体で神経細胞の傷害・細胞死を可視化解析、修飾型量子ドットで細胞内小胞体の動態を可視化解析、ex-vivo蛍光染色血液細胞で微小循環動態を可視化解析した。マルチカラーイメージングや1分子蛍光イメージングによる細胞・組織のin-vivo、in-vitro解析、密着型フラッシュ軟X線顕微鏡による生細胞の可視化、NMRアナライザーとX線結晶構造解析による蛋白質の機能・立体構造解析と細胞内リン酸・pH代謝の短時間計測を行った。
結果と考察
1)虚血再灌流における組織微小循環の血流動態・酸素代謝異常ならびに血小板・白血球の接着亢進を定量化した。2)糖尿病性細小血管障害・血栓亢進など血流動態異常と薬理効果を評価した。3)急性腎炎・関節炎など炎症反応における活性化白血球の作用を明らかにした。4)腫瘍など血管新生における血管網と血流動態・酸素代謝の特異性を明らかにした。5)酸化ストレスに基づく微小血管閉塞・血栓形成の機序、内皮細胞と白血球・血小板間相互作用における分子生理機能を検討した。6)メカニカルストレス下の血管内皮のNO活性とCa動態を定量化した。7)神経細胞や腫瘍細胞などのアポトーシスに関わるタンパク質・酵素の発現作用を明らかにした。これらの分子生理機能を多角的に検討し、病態との関連を考察した。
結論
脳・肝臓・腎臓などを対象に微小循環障害や血管炎によって誘発される細胞組織障害のメカニズムを分子・細胞レベルで解析する各種蛍光ナノプローブと高感度イメージング技術を開発し、各種傷害の発現・再生治癒過程の分子生理機能や細胞死シグナル伝達機構をメージング解析した。ナノイメージング技術の新規開発、その有効な利用法の確立、種々の機能解析による新しい知見から臨床診断治療へ展開可能なシーズを作り出した。

公開日・更新日

公開日
2005-04-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-03
更新日
-

文献情報

文献番号
200400202B
報告書区分
総合
研究課題名
超極限分子プローブによる組織障害の再生・治癒機構の解析と高精度局所診断技術の開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
南谷 晴之(慶應義塾大学大学院理工学研究科基礎理工学専攻)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 和男(国立感染症研究所生物活性物質部)
  • 川西 徹(国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部)
  • 新井 孝夫(東京理科大学理工学部応用生物科学科)
  • 関塚 永一(独立行政法人国立病院機構埼玉病院)
  • 眞島 利和(独立行政法人産業技術総合研究所光技術研究部門)
  • 船津 高志(東京大学大学院薬学研究科)
  • 中山 俊憲(千葉大学大学院医学研究院)
  • 田之倉 優(東京大学大学院農学生命科学研究科)
  • 村松 知成(理化学研究所ゲノム科学総合研究センター)
  • 松村 英夫(独立行政法人産業技術総合研究所光技術研究部門)
  • 山本 健二(国立国際医療センター研究所)
  • 霜田 幸雄(東京女子医科大学総合研究所研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ナノメディシン分野】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
各種細胞組織の分子生理機能と形態変化を可視化情報としてとらえるナノプローブとナノバイオイメージング技術の開発を行い、細胞組織障害の発現メカニズムや細胞死の発現・抑制メカニズムを分子・細胞レベルで解析するとともに、その障害からの再生治癒過程における分子機序を局所的に解析し、診断治療へ応用するTranslational Researchを行った。
研究方法
新規FRET型GFPでチロシンリン酸化やCaspase活性を可視化解析、Cy3標識GFPやプロリン変異体GFPを蛋白質運動マーカや遺伝子発現マーカとして使用、蛍光モノクローナル抗体で神経細胞の傷害・細胞死を可視化解析、核酸や蛋白などで修飾した量子ドットで細胞内小胞体の動態を可視化解析、蛍光ex-vivo染色した血液細胞で微小循環動態を可視化解析した。一方、マルチカラーイメージングや1分子蛍光イメージングのほか、密着型フラッシュ軟X線顕微鏡による生細胞の可視化など新規イメージング技術の活用を図った。また、NMRアナライザーとX線結晶構造解析により細胞分化・DNA複製に関わる蛋白質の機能・立体構造解析を行うとともに細胞内リン酸代謝の短時間計測を可能にした。
結果と考察
以下について分子生理機能の新知見を得た。1)虚血再灌流における組織微小循環の血流動態・酸素代謝異常ならびに血小板・白血球の接着亢進、2)糖尿病性細小血管障害・血栓亢進など血流動態異常と薬理効果、3)急性腎炎・関節炎など炎症反応における活性化白血球の作用と特異的蛋白分子の易血栓性作用、4)腫瘍など血管新生における血管構築と血流動態・酸素代謝特異性、5)酸化ストレスに基づく微小血管閉塞・血栓形成の機序、6)血管内皮細胞と白血球・血小板間相互作用における分子生理機能、7)肝細胞・神経細胞・腫瘍細胞などのアポトーシスに関わるタンパク質・酵素の作用などである。開発したプローブやイメージング法をヒトに適用するためには生体適合性、安全性の面で更なる検討が必要である。
結論
脳・肝臓・腎臓などを対象に微小循環障害や血管炎によって誘発される細胞組織障害のメカニズムを分子・細胞レベルで解析する各種蛍光ナノプローブと高感度イメージング技術を開発し、各種傷害の発現・再生治癒過程の分子生理機能や細胞死シグナル伝達機構をメージング解析した。ナノイメージング技術の新規開発、その有効な利用法の確立、種々の機能解析による新しい知見は、臨床診断治療へ展開可能なシーズを作り出した。

公開日・更新日

公開日
2005-04-13
更新日
-