シックハウス症候群の病態解明、診断治療法に関する研究(総括研究報告書)

文献情報

文献番号
200201116A
報告書区分
総括
研究課題名
シックハウス症候群の病態解明、診断治療法に関する研究(総括研究報告書)
課題番号
-
研究年度
平成14(2002)年度
研究代表者(所属機関)
石川 哲(北里研究所病院臨床環境医学センター)
研究分担者(所属機関)
  • 相澤好治(北里大学医学部衛生学公衆衛生学)
  • 秋山一男(国立相模原病院臨床研究センター)
  • 荒記俊一(産業医学総合研究所)
  • 岩月啓氏(岡山大学大学院医歯学総合研究科皮膚・粘膜・結合織学)
  • 糸山泰人(東北大学大学院医学系研究科神経科学講座神経内科学)
  • 木村 穣(東海大学医学部分子生命科学2遺伝情報部門)
  • 久保木富房(東京大学大学院医学系研究科ストレス防御・心身医学)
  • 竹内康浩(放射線医学総合研究所緊急被ばく医療センター)
  • 那須民江(名古屋大学大学院医学研究科社会生命科学環境労働衛生学)
  • 西間三馨(国立療養所南福岡病院)
  • 馬島徹(日本大学医学部第一内科学)
  • 吉田晃敏(旭川医科大学眼科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成12(2000)年度
研究終了予定年度
平成14(2002)年度
研究費
67,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
シックハウス症候群(Sick House Syndrome : SHS以下本症と略)の病態解明、診断・治療開発に関する研究が主な目的である。各領域の専門家により班が構成された。臨床は内科、小児科、皮膚科、眼科、アレルギー科、基礎は中毒、疫学、労働衛生学などの専門家、更に重要なのは工学部の参加で建築学と応用化学系の研究協力者の参加により研究を施行した。過去最低5年以上大気、室内空気(Indoor Air Quality)と健康問題を研究してきた専門家を50%以上含め学際的研究が遂行されている。これら横のつながりをつけて取り組んでシックハウス・ビル症候群研究を体系的行なった研究は世界的にみても存在しない。その意味で意義があると考える。
研究方法
本症の診断は厚生省アレルギー研究班(宮本昭正名誉教授)が1998年に作成した化学物質過敏症患者の診断法に基づき基本診断が行われている。これに加えて米国MITのAshfordとテキサス大学Millerらにより作られた化学物質過敏症(Chemical Sensitivity : CS)患者発見とグレードづけの為のアンケートQEESI(Quick Environmental Exposure and Sensitivity Inventory)を石川、宮田が翻訳したものを利用し疫学調査とした。SHS,CSの患者診断は出来るだけ他覚的手段による技術を駆使し心身面から来る訴えと区別する方法が行われている。諸外国で行なわれているアンケート中心研究と全く異なる所である。患者は自己診断をしたり、不満を建築に向けるという傾向が全く無いとは言えない。他覚的所見が如何に大切かは誰でも理解可能である。そこで、酸化、還元ヘモグロビンから間接的に血流を測定する方法、脳神経機能を判定するコントラスト感度測定、滑動性眼球追従運動測定、自律神経判定の為の瞳孔反応の解析、重心軌跡の測定を中心とした検査が診断で駆使された。その他アレルギー検査、免疫検査及び一般内科検査等も駆使されているがこの方法での患者検出率は極めて低い。これら他覚的診断法は、病院以外の場所で行われる住民検診にも出張し検査が行なわれた。CSの最終的診断はchallenge testと呼ばれている負荷試験を微量の化学物質にて行い決定した。家の気中濃度測定結果から、建築学の専門家からアドバイスを受け、臨床的にSHS,CDと診断された患者は必要に応じてクリーンルーム内で高濃度酸素療法、解毒剤、代謝促進剤、ビタミン、ミネラル、重金属場合により、ホルモン剤、新しい頭痛薬(例えば偏頭痛に対するスマトリプタン)等の治療を受ける。軽症患者には、heat depuration(運動、サウナ、その他)療法を行なった。これら治療により、改善する症例は数多くあり、我々はシックハウス症候群の予後に関しては必ずしも暗いと考えてはおらずむしろ明るいと考えている。これら研究の厳密なる評価は日米欧の3カ国が政府と米国National Institute of Environmental Health and Sciences(NIEHS)との合同国際会議が日本で開催され、以下の各人が厳しく評価を受け、日本の研究は世界に伍すると評価されたことから明らかで
ある。
結果と考察
石川が担当した研究はシックハウス症候群の病態、他覚的診断法の開発(神経眼科検査、Near Infrared Oxygen Monitoring : NIRO)を中心とした。長期的な化学物質の室内濃度測定、得られた結果と臨床結果とのすり合わせの研究が世界にまだ無いので施行した。北里研究所病院臨床環境医学センター、東北大学工学部、神経内科、坂総合病院小児科の援助のもと仙台、塩竃地区住民のシックハウス症候群疑いの患者(臨床観察とQEESI結果から判定)検診も綿密な計画のもとで行なった。成人のみならず、小児とくにシックハウスに住んでおり、アレルギーで初発した患者及び非アレルギーでCSが考えられる患者および対照例についても同時に検討を加え学際的研究が行われた。また北里研究所病院臨床環境医学センターでは患者の内科学的一側面研究として、限られた例ではあるが、内分泌、免疫学的な研究が加えられた。また、化学物質過敏症と診断された症例の中から、active, passive法で化学物質の濃度と症状の関係を解明する方法も採用されてた。次に低用量フタル酸類の免疫系におよぼす影響についても研究をした。
患者治療の面からも検討を開始した。解毒剤の使用、サプルメント、クリーンルーム環境下での酸素治療(この基礎研究)と改良した建築材料に対する対策研究も行われた。重要なこととして治療患者は現在まで悪化例はなく、殆どの症例が不定愁訴で悩んでいたが、治療(主に薬物治療と自己の運動療法など)により軽快する方向に向かって行くことが明かとなった。以上の結果は、本症に罹患している患者にとっては明るい材料になると考えられる。
以下各班員の研究の概略を記す。詳細は報告書平成14年度版を参照されたい。
相澤らはCSを疑う患者と対照例とを比較し、不安と抑鬱の面から検討した。両者の得点がMCSで有意に高いこと。また初診時対照例とCSとの差は認め難かったが再診時には明らかな差がみられることを報告した。解剖実習中の学生に鼻粘膜嗅覚変化などが起こるか、将来MCS患者に移行する可能性の有無につき耳鼻科的側面から検討した。CS患者には嗅覚過敏を示す傾向がある例も多いので、upsit,CC-sit法を用いて検討した。患者1人あたりの不快と感じているにおい数は対照群よりSHSで多かった。
秋山らはシックハウス症候群の病態におけるアレルギー反応の関与をアンケートと自己筆記式アンケート調査で喘息、非喘息患者で比較検討した。住まいと関連した各種症状の保有率は明らかに喘息患者で高い。鼻症状以外は新築、改築後の発症に関して差はなかった。その他実験的研究が追加されている。免疫学的手法で微量化学物質の免疫系への影響をフォルムアルデヒドを用い研究した。ヒト好塩基球からのヒスタミン遊離能、好酸球の遊走能、Thリンパ球からのサイトカイン遊離能を指標としたin vitroの系で検討した。フォルムアルデヒドによるT細胞からのサイトカイン産生への影響ではIL4,5ともベル型の産生亢進がみられた。その他各種抗原量の測定が特定の患者で調査されている。末梢血T細胞サイトカイン産生は、IL-2,IL-4,IL-5は変化せず、IL-13,IFN-γ産生は増加傾向がみられた。静脈ガス分析では、18名中、11名でPVO2が 30torr以上の高値を示した。さらに実験的研究が追加された。
荒記らは労働環境に於けるシックハウス症候群の実態と労働衛生的見地から関連する職場にて調査を開始している。そのために独特のアンケートを作り研究中である。内装作業者は数種のアルデヒドに曝露されていることがわかった。職業性の曝露がその自覚症状の発症頻度やパターンに何らかの影響を与えていると考えられた。気中フォルムアルデヒド(FA)とFA-Hb(ヘモグロビン)との相関が認められ、これは曝露の指標となり得ることが分かった。
岩月らは協力研究者と共に室内環境と皮膚過敏症(不定愁訴を含む)につき研究した。シックハウス症候群の可能性のある皮膚疾患の検討、室内環境生物学的物質および化学物質の表皮細胞サイトカイン産生に及ぼす影響、フォルムアルデヒド曝露経験者における自覚症状と皮膚試験結果、アトピー性皮膚炎などの慢性湿疹、皮膚過敏症に対する化学物質の関与について研究を行った。マウスを用いたフォルムアルデヒドの実験では耳介の腫脹で見ると投与群では腫脹が大きい、これはフォルムアルデヒドガスの存在下ではCHS(contact hypersensitivity)は増悪すること、つまり、アレルギー性皮膚炎において悪化因子となりうることが示唆されている。まとめとしては、環境中の低濃度のホルムアルデヒドガスの存在により、mast cellからのヒスタミンの分泌の亢進など機能の変化だけではなく、皮膚炎局所のmast cellの数も増加し、その結果即時型アレルギー反応が更新するものと考えられた。
糸山らは東北地区のシックハウス症候群症例につき臨床面、免疫面から検討を開始した。頭痛、めまいに関しては、転居直後ではなく、数ヶ月後に発症している。頭痛については緊張性頭痛の特徴を有した。めまいは前庭性のものとは異なり、ふらふらする自律神経系の調節失調を示唆した。T&T嗅覚テスト結果では、嗅覚過敏傾向を示す例は多かった。免疫学的異常の存在と嗅覚過敏とが共に認められる傾向があった。典型例では嗅覚刺激をトリガーにして副交感神経の過敏状態が出現することが特徴的であった。
嗅覚過敏を神経学的に追求するため、嗅覚刺激による脳内反応をf-MRI を用いて検討する系を構築した。正常者とCS患者でバニラとトルエンを刺激物質として、患者正常者間で比較した。その結果バニラでは顕著な差は無かったが、トルエン刺激では患者群のみ、主にテント下の中枢神経系で広範囲な異常反応を認めた。反応部位はほぼ左右対称に、小脳、中脳、視床下部、頭側葉内側部、頭頂葉皮質下まで及んでいた。この結果はSHS,もしくはCSにおける特定の化学物質に対する異常な反応性亢進を示しており、これまで仮説として挙げられてきたneuronal sensitization のを直接画像で捉えたものである。これは、本症の客観的診断法の確立とその病態の理解につき大きな意義を持つと考えられた。
木村はシックハウス症候群に発症しやすいか否かの遺伝子型の違いによる感受性差によるものであることを解明せんとした。その候補遺伝子としてPON1遺伝子多型との関連について明らかにすることを目的とし、患者血液から調整したDNAを用いて塩基配列の多型性を解析した。PON1から作られる蛋白質はパラオキソナーゼ酵素であり、コレステロールの酸化を防ぐ一方パラチオン、クロルピリフォスなどの有機燐系殺虫剤の成分を分解する。これまでに得られている結果として、PON1遺伝子産物の酵素活性に影響を与えると思われるカ所で健常ヒトとの遺伝子多型パターンとの間に頻度差が検出されている。また日本人と欧米人の健常者の間でも差異が存在し、外国人データをそのまま日本人に当てはめるには無理があることも判明した。またハプロタイプについても、各多型部位の連鎖が、欧米、日本人ではことなる結果を得た。PON1遺伝子付近のマイクロサテライトマーカーの解析から、PON1遺伝子付近が本当に疾患感受性遺伝子の存在部位であるかどうかの確証は得られていないが、塩基多型部位もマイクロサテライトマーカーもHardy-Weinbergの法則にほぼのっとっており、検査集団の妥当性が証明された。
久保木らはシックハウス症候群、化学物質過敏症の病態とストレス性要因の関わりを解明することを目途とした。化学物質過敏症と診断された群、化学物質の曝露を受けながら症状の無いコントロール群とで、発症に先立つ心理社会的ストレス、発症に関わる個人差要因、発症後の状態における心身相関の3つの観点から比較検討が行われた。化学物質の曝露に加えて心理社会的ストレスが大きい者に発症する傾向があった。症状の経時的変化を評価するEcological Momentary Assessment(EMA)手法を用い化学物質の負荷のある生活の中で症状、心拍、体動、passive sampling, active sampling法による化学物質曝露量の測定を一定期間連続で行っている。active sampling法で化学物質の反応が示唆された患者では症状自覚時に身体、精神症状の双方が同時に高く、この疾患が化学物質の曝露によって多様な心身の症状が引き起こされる疾患であることが示された。またクリーンルーム内の臥位測定では異常がなかった心拍変動についても、日常生活中の覚醒時で交感神経系の機能不全が示された。体動についても、すぐに休んでしまうという傾向がみられ、この疾患が化学物質の曝露によって多様な心身の機能異常と自覚症状が惹起される傾向があることがわかった。
竹内らは有機溶剤の面からシックハウス症候群の研究を行なっている。特に寝室で症状と化学物質量との間で相関が見られた。特にトルエン(酔った感じ、吐き気、目が痛い)、キシレン(体がだるい)、フォルムアルデヒド(のどの調子が悪い)が関連していた。アルデヒド類と臨床症例との関連性について、標準アレルゲンについてパッチテストを施行し、感作及び交差感作の成立の有無を検討している。慢性有機溶剤中毒の自覚症状は神経系症状である。有機溶剤と関連する疾患として、Stevens Johnson Syndrome他が関係するようだ。特に中国でStevens Johnson Syndromeの多発が問題になっている。この研究は日本でも難病とされるいくつかの疾患と有機溶剤との関連性を推定した貴重な研究である。さらに、2?ethylhexanolによる症例を詳しく検討している。症状が強い部屋では400μg/立方メートルを越えていた。感受性の個体差が大きいと考えられる疾患、contact dermatitis, Stevens Johnson Syndrome、ベーチェット病、特発性紫斑病、多発性動脈周囲炎なども調査中である。そしてトリクロロエチレンと皮膚・肝臓障害の解析も加えた。とくに代謝物量から発症者を含む作業者群をみると閾値以上の曝露をうけていることが示唆された。
那須らはフォルムアルデヒドアルデヒドの代謝につきアルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)を中心に研究している。1.ALDH2ノックアウトマウスを作成中である。2.免疫毒性学的研究ではフォルムアルデヒド、ビスフェノールA, フタル酸エステル類の免疫毒性研究、3.フォルムアルデヒドおよびフタル酸エステルの代謝の検討を行なった。フタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)の代謝の種差を検討したところ、DEHPの代謝には種差があり、とくにlipaseの活性の種差が大きいことが分かった。
西間らはMCSとアレルギー喘息患者の環境因子、身体症状、検査結果、とMCS患者との同異につき研究した。特にSpecific IgEをRast法で調べている。MCSを疑われた患者の臨床症状を調査し建築面からも検討を加えている。気を付けておきたいのはHCHO特異的IgE抗体は我々の過去の研究つまり微量のHCHOに反応した症例でも本検査結果は陰性に出ている。本検査法が真の意味で鋭敏にHCHO特異的IgE抗体を測定しているか否か、今後方法論、実際陽性に出た臨床例とのすり合わせをする必要がある。米国では皮内テストは行っているが、HCHO特異的IgE抗体を利用している所は皆無である。検査感度が極めて不良である。尚、カプサイシン負荷テストはスウェーデンでも採用されているがMCSの診断に有用である。また研究の進展は学際的協力によってのみ成り立つ。
馬島はフォルムアルデヒド(FA)の気道上皮イオントランスポートに及ぼす影響をvoltage clamp法を用いて、short circuit currentを測定している。動物はハートレイモルモットの気管である。フォルムアルデヒド(FA)を1、10ppm 投与で10ppmでは変化がありshort circuit currentの増加を認めた。さらに(FA)吸入による呼吸機能・気道過敏性への影響、(FA)の気道上皮イオントランスポートに及ぼす影響を追及、シックハウス症候群における(FA)の気道上皮内イオンを中心とする、伝達機構への影響を検討した。基礎的な面での研究である。さらに解剖実習を行なう学生(6週間)の呼吸機能に及ぼす影響を検討した。PEFは(FA)吸入で低下した。5%以上低下した学生にDSCG(Cl channel blocker)を吸入させると、PEFは2.7%低下となり、優位に低下抑制が見られた。また、気道過敏症も抑制した。
吉田は2年次からの参加である。15名のシックハウス症候群患者の眼血流動態を調べSHSを有しない年齢をマッチさせた対照例と比較した。SHSの原因は新築、リフォームを行なった症例で中心視力は正常であるが、1例はコントラスト感度の低下、3例は涙液分泌低下を認め、その中2例では静脈酸素飽和度は正常値25mmHgを大きく越えていた。レーザードップラー眼底血流計により測定された中心窩支配の脈絡膜の血流量は年齢を一致させた正常対照群に比べて統計的に極めて有意に低下していた。つまりシックハウス症候群患者では、中心窩脈絡膜血流量が減少している可能性が強い。患者が訴える事の多い、視力は良いのに中心がはっきり見えない症状に関連する可能性が高い。本法はnon-invasiveな方法であり、精度も高い。今後血流障害の有無の診断に、本法による測定を加え、NIROによる測定を併用すれば、さらに診断の制度が上昇するし、重要な他覚的検査法となる。
結論
以上から3年間に亘った本研究班の業績はスタート時点では考えられなかった大きな発展が臨床・基礎研究からそれぞれ認められる。その理由として分子生物学的研究の加入で化学物質の代謝特性、ノックアウトマウスの作成、さらにPON1などの遺伝子特性解明の研究、つまり罹患しやすい体質の遺伝子レベルでのメカニズム、日本人と欧米人との化学物質に対する反応差などが徐々に明らかにされて来つつある。次に中心窩脈絡膜血管の血流測定による患者診断への新たな応用の可能性も出てきた。NIRO研究の進歩とくにデータの定量化、フーリエ解析法の導入などによる負荷後のゆらぎに対する分析が加わり他覚的定量的診断法についてなされ、患者診断に役立つことが示された。微量化学物質フォルムアルデヒド、トルエン、ニコチンのクリーンルーム内でのchallenge testも進展し症例の集積がなされた。クリーンルームは微量負荷には必ず必要であるが、これが無い場合でも負荷試験が行える方法を開発した。特に座位と立位でのオキシヘモグロビンの動きはNIROで測定出来るため応用範囲は大きい。思えば石川らが日本でシックビル/ハウス症候群、化学物質過敏症の研究を開始した約10年前は米国、北欧諸国より知識を吸収するのが精一杯であったが、本研究班の3年間にわたる成果から総合的に内容を判定してみると、本班員による一部の研究は既に世界的のトップレベルに到達しているといえる。それは、本研究班の研究は日米欧の国際会議(平成15年1月、於東京)で高い評価を受け、2005年同種の国際会議が米国NIEHS(National Institute of Environmental Health & Science)のスポンサーで今度は米国東部で開催することが既に決まった。日本研究が如何に高いレベルにあるかはこれらの事実が示していると思われる。今後の更なる発展が期待できる。これまで多大な努力を行なって頂いた班員、協力研究者諸氏に深謝すると共に、この研究に協力して戴いた厚生労働省関連部局、事務局諸氏に感謝する。

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